地球のお引越し

ハル

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3. 二つの影

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ドローンが影の映った方へゆっくりと進む。

「攻撃してくるかも知れないので、間隔を開けて前進!」

ゴクリと皆、唾を飲む。

階段踊り場に置いてあるドラム缶の陰に、子供2人を発見した。

「こちらの音声が聞こえるようにしろ!」

ドローンのスピーカーをオンにした。

「あっ、あ、こちらは救対本部である。…生存者の確認をしている。…君たちのほかに、大人や子供はいるか?」

子供達は首を横に振っている。

「…いない。」

「わかった、今から救助に向かうので、なるべくその辺りに居てくれ。」

今度は、子供達の首は縦に振った。

「わかった。」

ドローンが地上に向かって、階段を昇って行った。

地上に出た所で一機が監視用に残されて、他は、無人機のいる方向へと向かい、無事無人機に格納された。

救対本部では、直ちに官邸に報告し、生存者の救助に近くの潜水艦から、人も乗れる輸送型ドローンを飛ばした。

救助された二人は、医療施設で健康状態の検査を受けたのち救対本部へ連行され、女性の係官から質問を受ける。

「名前…聞かせてくれるかな?」

「……、赤嶺晃司あかみねこうじ、こいつは妹の桜」

「赤嶺晃司さんと桜さんね…」

「他に誰か見なかった?」

首を横に振る二人。

「二人は何故あそこに居たのですか?」

「父さん、母さんがあの場所の工事で働いていて、僕たちはいつも仕事が終わるのをあの場所で待ってたんだけど…3日前から帰って来なくなって…でも帰って来た時いないと母さんが心配するから…うぇーん」

「ありがとう、よくわかったわ」

「お父さん、お母さんが見つかるまで、ここの施設で待っててね」と言って職員に二人を預けた。
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