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一年後
母の声
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中学生になって悠莉の一週間は忙しい。
月水はピアノ、土曜のダンスは今までと変わらず、火金はボイスレッスンが新たに加わり毎日フル稼働だった。
そんな悠莉も、日曜日は何も無く休息の日なのだが、日曜日の悠莉は何処か寂しそうな顔を見せていた。翔莉もその事に最初は疲れてるのかなと思っていたが、どうも違う様に思えてきた。
梅雨で雨の日が続くある日曜日、ソファーで携帯ゲームをしている悠莉の横に腰掛ける翔莉。
「休みの日は、何処か元気ないように見えるけど、何かあったのか?」
「知らない番号から携帯に何度か電話があって…、調べてみたら海外からの電話のようなの…」
「高額電話料金を請求する詐欺じゃないのか?」
「うん…最初はそう思ったんだけど、いつも同じ番号なの…」
見せてみろという風に、翔莉が手を伸ばして悠莉の携帯を受け取った。
「+886……?」
番号をメモして、調べてみるから気にするなと悠莉を励ます翔莉。
悠莉も翔莉も同じ事を考えていた。
母さん達からの電話じゃないのか?…と
一人の時に電話してみようと思った翔莉だったが、悠莉の顔を見て、同じ事を思っていると確信し、自分携帯からメモした番号へ掛けてみようと思う。
悠莉にも聞こえるように、スピーカーONで。
「ツゥルー、ツゥルー…」
海外へ掛けているというメッセージが流れ、電話が繋がった。
「もしもし…」
「……」
「もしもし、翔莉です…」
翔莉が日本語で話しかけたが、相手の声は聞こえない。
電話を切ろうとした時、微かに声が聞こえた。
「謝謝」
短い一言だったので解りづらいが女性の声だった。
「お母さん…?」
二人は同時に顔を見合わせ、涙が流れてくるのもわからなかった。
母親は生きている、父さんと一緒に見知らぬ土地で生きている。
そう思うと、二人のこれからに光りが差したような気になった。
月水はピアノ、土曜のダンスは今までと変わらず、火金はボイスレッスンが新たに加わり毎日フル稼働だった。
そんな悠莉も、日曜日は何も無く休息の日なのだが、日曜日の悠莉は何処か寂しそうな顔を見せていた。翔莉もその事に最初は疲れてるのかなと思っていたが、どうも違う様に思えてきた。
梅雨で雨の日が続くある日曜日、ソファーで携帯ゲームをしている悠莉の横に腰掛ける翔莉。
「休みの日は、何処か元気ないように見えるけど、何かあったのか?」
「知らない番号から携帯に何度か電話があって…、調べてみたら海外からの電話のようなの…」
「高額電話料金を請求する詐欺じゃないのか?」
「うん…最初はそう思ったんだけど、いつも同じ番号なの…」
見せてみろという風に、翔莉が手を伸ばして悠莉の携帯を受け取った。
「+886……?」
番号をメモして、調べてみるから気にするなと悠莉を励ます翔莉。
悠莉も翔莉も同じ事を考えていた。
母さん達からの電話じゃないのか?…と
一人の時に電話してみようと思った翔莉だったが、悠莉の顔を見て、同じ事を思っていると確信し、自分携帯からメモした番号へ掛けてみようと思う。
悠莉にも聞こえるように、スピーカーONで。
「ツゥルー、ツゥルー…」
海外へ掛けているというメッセージが流れ、電話が繋がった。
「もしもし…」
「……」
「もしもし、翔莉です…」
翔莉が日本語で話しかけたが、相手の声は聞こえない。
電話を切ろうとした時、微かに声が聞こえた。
「謝謝」
短い一言だったので解りづらいが女性の声だった。
「お母さん…?」
二人は同時に顔を見合わせ、涙が流れてくるのもわからなかった。
母親は生きている、父さんと一緒に見知らぬ土地で生きている。
そう思うと、二人のこれからに光りが差したような気になった。
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