翔莉と悠莉【上】

ハル

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一年後

契約更新

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翔莉しょうりは昨年、充分な成績を残し、今シーズンも大いに期待されているとスポーツ紙が報じていた。

成績は、72打席で48の安打を打ち、ホームランも18本と、驚異的な数字を叩き出している。

サッカーの方でも、10試合に出場して、13点を取っている。

他球団、他クラブチームも、翔莉の獲得に名乗りを出しているが、今のところ自宅から通える在阪のチームという事で、今年も継続して同じ所属で活動する予定になっている。

圭介も、スポーツトレーナーの勉強に学校に行っていて、今度球場にも連れて行けとうるさいくらいに言ってくる。

「お願い!、プロのトレーナーの手技を見てみたいんや。」

「学校卒業したら、俺はお前の専属トレーナーになるんやから、少しでも腕が良い方がお前も嬉しいやろ?」

と、半ば強制的に要求してくる圭介に、

「圭介、お前、そういうグイグイ押してくるの強いよね?…」

わかったと、ばかりに携帯で電話を掛けた。
相手は、翔莉を担当している山田隼人だ。

「どうしたの?、翔莉からめずらしい」

「すいません、次の出番の時に、も同行してもいいですか?」

電話の向こうで、隼人がポカンとなっているのが見て撮れる。

「球団にも契約してる人がいるけど…、個人でトレーナー付けてるの?」

「……。」

隼人も上司から、翔莉の機嫌を損なわない様に指示されているので、面倒な手続きも渋々引き受けてくれたのだった。

「名前をフルネームで、教えて?」と、球場に入る手続きをひと通り話して、電話を切ると。

「頼んだから、次の出番の日が決まっら教えるから、他の予定入れるなよ!…」

圭介は、"オーケー"とばかりに頭の上で両手で丸を作った。

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