翔莉と悠莉【上】

ハル

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新生活

再び転校?

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夏休みに入ると父の転勤の話が出てきた。

「え~?」

三ヶ月程前に引っ越して来たばかりなのに
そらそういう声も出るわ。

「今度は何処?」

「海外なんだよ、タイだ!」

「向こうの事も解らないから、最初は父さん一人で行くから、翔莉も悠莉もそのままだ」

数日後。
父の海外赴任の準備の為、母も一緒に住まいなど生活に必要なものを揃えるためにまだ小さい悠莉と高校生の僕を置いて父と一緒にバンコクへ行く為、今、関西国際空港に来ている。

「翔莉、悠莉の事頼んだわよ」

「わかってるよ、お土産忘れんといてやぁ」

と少し関西弁に染まってきてる。
「うふ、」と母が笑い
はいはいと言うと、左手の時計に目をやると、父がそろそろ入ろうかと言った。
父の言葉に促され母も手荷物を腕に抱えて
僕と悠莉に背中を向け右手を挙げて、出発ゲートへ入って行った。

父と母の姿が見えなくなると僕は、
悠莉の手を引いて、尼崎行きの高速バスの乗り場へ向かった。

ー翌日ー
朝、携帯のアラームで目を覚ますと
顔を洗って食卓へ

あ、そっか、父も母も居ないんだと思い出し
悠莉を起こし、テレビのスイッチを入れた。

朝の情報番組からは消息不明の飛行機のニュースが流れている。
パンを頬張りながら耳から入ってくるアナウンサーの言葉に耳を疑った。
消息がわからなくなってるのはタイへ向かっていた飛行機なのだ。
「?」
他のチャンネルを変えても、何処の局も同じように消息不明の飛行機のニュースが取り上げられていた。
飛行機なんか沢山飛んでるんだから、
まさか、父さん達の飛行機じゃ無いよな?
何かあったら電話来るはずだし、
大丈夫だと自身に言い聞かせた。

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