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sequence:26『左腕』

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「ファントムフェザーを使ってる隙を狙うつもりなら!」

 枝里はそういってファントムフェザーを戻す。

 そして、手持ちのライフル銃でどうにか涼を撃とうとする。

「ビームランチャーで!」

「っ!?」

 涼は放たれる光線銃をかわす。

「プレスコットの武器がファントムフェザーだけだと思わないでよ!」

「そうは思ってませんが、ファントムフェザーを捨ててでも撃ってくるんですね」

 涼は自分が冷静になるためにそういった。

 実際、プレスコットは銃撃戦特化なので遠隔兵器だけで戦うわけでない。

 とはいえ、ファントムフェザーを使っている間にそれを使うことはできないのが痛い。

「でも、撃ってくる方向は分かります!」

「機動性に任せて突っ込んできた!?」

 枝里は涼が突っ込んでくるのに驚いた。

 一見考えることをやめたような行為だが、スピードが速い相手を狙うのは難しい。

 相手の動きを予測しながら撃たないといけないため、射撃の腕がそれなりにないといけないのだ。

 そして枝里はどちらかといえばファントムフェザーによる遠隔兵器での攻撃を得意とする。

 なのであまり射撃の腕には自信がないのである。

「切り裂いてみせます!」

 涼はウィラメットの右腕にストレイトソードを展開させているため、
そのまま枝里のスカイアーツ……プレスコットを切り裂こうとする。

「近づいてくることが分かっているなら!」

 しかし、枝里は近づいてくる涼にライフルを撃つ。

「そうしてくると思いましたよ!」

 涼はウィラメットの左腕でそれを受け、そのままストレイトソードの刀身をプレスコットにぶつける。

「左腕を盾に!?」

 枝里はその行為に対し驚きを隠せなかった。

「これで一本取りましたよ」

「気に食わないけど、ここは負けを認めるしかないわね」

 枝里はとりあえず素直に負けを認め、格納庫へと向かう。

 涼もそれを見て、格納庫へと向かうことにした。

 そしてウィラメットから降りた涼を見て、愛はこういった。

「枝里に勝つなんて、凄いわね」

「彼女のスカイアーツ……プレスコットの性質が分かったからですよ」

「ファントムフェザー撃ってる間は無防備だってことですか?」

 そんな愛に、涼はこう問いただす。

「有名なんですか?」

「まあ、それが彼女の機体の特性だからね。でも、それで勝てる気はあまりしなかったのよね」

 そういう愛に、涼はこういった。

「他の生徒はともかく、愛なら勝てる気がするんだけどね」

「あなたのスカイアーツの武器……エレクトロタガーを彼女はかわせないからね」

 そんな愛に、涼は頷きながらこういった。

「ガトリング砲相手ならどうにかなるってことですね」

「まあ、私を含めてそういう相手ならライフル撃てばいいからね」
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