42 / 44
蛇足
蛇足 その1
しおりを挟む
いろいろな意味で喰われて以降、慶秋は確かに解放してくれた...もうなんかいろいろと...うう...
ちなみに朝帰って来た後に母に怒られるかと思ったが『早朝ランニングして来た』と言ったらあっさり信じてくれたが...母よ...それで良いのか?
確かに交わるってのはある意味マーキングなんだろうな...自分の精の匂いを染み付かせて他の化け物の雄が近寄らないため...
春信さん曰く『鬼に喰われながら交わるのは天にも昇る気分になれる』って言ってたが...その通りだった...どうとは言わんがな!
それにしても困った事が幾つか...
まず髪の色が黒から近衛と同じグレージュカラーになってしまった...色が戻る気配がない...仕方ないからしばらく髪を黒く染めなきゃならぬ...
あと近衛がとにかく一緒に居たがるのだ...夏休み中兎に角毎日家の前で朝から待ってて、遅くまでずっと一緒にいるのだ...
母はあらあらまぁまぁとか気軽に笑ってるが...普通の人間じゃ無いんだよ...しかも人前だといつもの近衛のままなもんだからタチが悪い...
で大体が図書館か近衛のマンションか私の家にという状態だ...そして二人きりだとずっと抱きしめられて離してはくれないし、場合によっては近衛が欲情して...うう...恥ずかしいから聞かないで欲しい...
春信さん曰く、伴侶が出来たばかりだから執着心が強いんだろうと言ってはいるが...伴侶というかこいつと結婚するとかまだ決めてすらいないのに...
で、今我が家にいるのだがお昼の時間になったし、お腹が空いたからごはんをと思うが抱っこ状態だ。
「昼ごはん作るから一旦解放してほしいんだけど...」
「そんな時間なんだ...じゃあ」
と解放されるも後ろにくっついて離れない...
「そんなにピッタリくっついてちゃ邪魔なんだが...」
と睨むも全く動じずニコニコしている...これ学校が始まったらどうする気なんだ?
台所で乾麺の蕎麦があったからざる蕎麦にでもとお湯を沸かそうとするが...近衛が邪魔で仕方ない。
「お前危ないからもう少し離れろ!」
「大丈夫だよ、いざとなったら舐めれば怪我は治るからね」
爽やかな笑顔でそう言うが...いや...そうじゃ無いだろ...と心の中で突っ込む。
「できれば怪我はしたくないんだが」
「ああ...そうか」
とちょっと離れるが...まだまだ邪魔だし徐々にまた近寄ってくるし...
ネギを刻み始めた時にはもう横にピッタリくっついてくるし!
「ちょっと!一度茶の間に戻れ!」
「ええっ」
イケメンだからって邪魔は邪魔だ...そう言うととても悲しそうな顔をする...ううう
「少しだけ待て!まずごはんを食べないと!」
「少しって...何分何秒待てばいい?」
「蕎麦が茹で上がるのが4分!盛り付けに4分の系8分!そのくらい待て!」
もう適当に時間を言う...このやりとり昼時に何度もやりあった...面倒くさい。
「8分も別にいなきゃならないのは嫌だ」
「駄々をこねるなよ...それにお腹がすいたままじゃ...ほら...いろいろ長くは出来ないから...」
...はっきり言うのはまだ恥ずかしいが...きっと今日は身体の触り方から近衛が欲情して迫ってきそうな気配がするから...
「あ!そうだね、じゃあ俺麺つゆとかお箸の準備するから!」
いい笑顔で食器の準備をし始める...近衛めもうこの家の食器棚に何があるかとか把握してるし...
用意して茶の間に持っていった後にため息を吐く。
「厄介なのに好かれてしまったなぁ」
しかも10年来とか本当に...まぁ確かにあの蜘蛛の化け物と比べれば近衛の方が...
いや私は近衛の事が好きなんだと思う...手作りのものを美味しいと食べてくれる事や、守ってくれた事など含めて...あといろいろ男女のあれこれされてもそこまで不快感が無い所からしても...うーん...
茹でたざる蕎麦を水で冷やしてから盛りつけて、茶の間に持っていくとテーブルには綺麗に箸やら麺つゆの器など置かれている...何故か横に並んでだが。
もう下手に言うと言いくるめられて面倒だから言わないが、少し離れると何かと言って近寄ってくるのだ。
場合によっては食事中に急に欲情して何度かやられたことも...恥ずかしい...
ざる蕎麦をテーブルに置いて近衛の隣に座る。
二人でいただきます、と言って蕎麦を啜る...
「史絵が作った蕎麦美味しいなぁ」
近衛は私が作った食べ物を口にすると恍惚とした表情になるのは、食べ物に触れた時についた私の匂いのせいだ。
その匂いを邪魔されたくないのか、薬味のネギやわさび入れる事を近衛はしない。
近衛達鬼は鼻がいい、微かな匂いでもわかるらしい。
そう、高島が亡くなった時口元を隠してにやっとしていたのも、私がカップケーキを作って持っていたその匂いのせいだ。
ちなみに朝帰って来た後に母に怒られるかと思ったが『早朝ランニングして来た』と言ったらあっさり信じてくれたが...母よ...それで良いのか?
確かに交わるってのはある意味マーキングなんだろうな...自分の精の匂いを染み付かせて他の化け物の雄が近寄らないため...
春信さん曰く『鬼に喰われながら交わるのは天にも昇る気分になれる』って言ってたが...その通りだった...どうとは言わんがな!
それにしても困った事が幾つか...
まず髪の色が黒から近衛と同じグレージュカラーになってしまった...色が戻る気配がない...仕方ないからしばらく髪を黒く染めなきゃならぬ...
あと近衛がとにかく一緒に居たがるのだ...夏休み中兎に角毎日家の前で朝から待ってて、遅くまでずっと一緒にいるのだ...
母はあらあらまぁまぁとか気軽に笑ってるが...普通の人間じゃ無いんだよ...しかも人前だといつもの近衛のままなもんだからタチが悪い...
で大体が図書館か近衛のマンションか私の家にという状態だ...そして二人きりだとずっと抱きしめられて離してはくれないし、場合によっては近衛が欲情して...うう...恥ずかしいから聞かないで欲しい...
春信さん曰く、伴侶が出来たばかりだから執着心が強いんだろうと言ってはいるが...伴侶というかこいつと結婚するとかまだ決めてすらいないのに...
で、今我が家にいるのだがお昼の時間になったし、お腹が空いたからごはんをと思うが抱っこ状態だ。
「昼ごはん作るから一旦解放してほしいんだけど...」
「そんな時間なんだ...じゃあ」
と解放されるも後ろにくっついて離れない...
「そんなにピッタリくっついてちゃ邪魔なんだが...」
と睨むも全く動じずニコニコしている...これ学校が始まったらどうする気なんだ?
台所で乾麺の蕎麦があったからざる蕎麦にでもとお湯を沸かそうとするが...近衛が邪魔で仕方ない。
「お前危ないからもう少し離れろ!」
「大丈夫だよ、いざとなったら舐めれば怪我は治るからね」
爽やかな笑顔でそう言うが...いや...そうじゃ無いだろ...と心の中で突っ込む。
「できれば怪我はしたくないんだが」
「ああ...そうか」
とちょっと離れるが...まだまだ邪魔だし徐々にまた近寄ってくるし...
ネギを刻み始めた時にはもう横にピッタリくっついてくるし!
「ちょっと!一度茶の間に戻れ!」
「ええっ」
イケメンだからって邪魔は邪魔だ...そう言うととても悲しそうな顔をする...ううう
「少しだけ待て!まずごはんを食べないと!」
「少しって...何分何秒待てばいい?」
「蕎麦が茹で上がるのが4分!盛り付けに4分の系8分!そのくらい待て!」
もう適当に時間を言う...このやりとり昼時に何度もやりあった...面倒くさい。
「8分も別にいなきゃならないのは嫌だ」
「駄々をこねるなよ...それにお腹がすいたままじゃ...ほら...いろいろ長くは出来ないから...」
...はっきり言うのはまだ恥ずかしいが...きっと今日は身体の触り方から近衛が欲情して迫ってきそうな気配がするから...
「あ!そうだね、じゃあ俺麺つゆとかお箸の準備するから!」
いい笑顔で食器の準備をし始める...近衛めもうこの家の食器棚に何があるかとか把握してるし...
用意して茶の間に持っていった後にため息を吐く。
「厄介なのに好かれてしまったなぁ」
しかも10年来とか本当に...まぁ確かにあの蜘蛛の化け物と比べれば近衛の方が...
いや私は近衛の事が好きなんだと思う...手作りのものを美味しいと食べてくれる事や、守ってくれた事など含めて...あといろいろ男女のあれこれされてもそこまで不快感が無い所からしても...うーん...
茹でたざる蕎麦を水で冷やしてから盛りつけて、茶の間に持っていくとテーブルには綺麗に箸やら麺つゆの器など置かれている...何故か横に並んでだが。
もう下手に言うと言いくるめられて面倒だから言わないが、少し離れると何かと言って近寄ってくるのだ。
場合によっては食事中に急に欲情して何度かやられたことも...恥ずかしい...
ざる蕎麦をテーブルに置いて近衛の隣に座る。
二人でいただきます、と言って蕎麦を啜る...
「史絵が作った蕎麦美味しいなぁ」
近衛は私が作った食べ物を口にすると恍惚とした表情になるのは、食べ物に触れた時についた私の匂いのせいだ。
その匂いを邪魔されたくないのか、薬味のネギやわさび入れる事を近衛はしない。
近衛達鬼は鼻がいい、微かな匂いでもわかるらしい。
そう、高島が亡くなった時口元を隠してにやっとしていたのも、私がカップケーキを作って持っていたその匂いのせいだ。
0
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説
僕が玩具になった理由
Me-ya
BL
🈲R指定🈯
「俺のペットにしてやるよ」
眞司は僕を見下ろしながらそう言った。
🈲R指定🔞
※この作品はフィクションです。
実在の人物、団体等とは一切関係ありません。
※この小説は他の場所で書いていましたが、携帯が壊れてスマホに替えた時、小説を書いていた場所が分からなくなってしまいました😨
ので、ここで新しく書き直します…。
(他の場所でも、1カ所書いていますが…)
お前の娘の本当の父親、ガチでお前だったよ。酷えだろ、お前のカミさん托卵してやがったんだ。
蓮實長治
ホラー
え?
タイトルが何かおかしいって……?
いや、気にしないで下さい。
「なろう」「カクヨム」「アルファポリス」「Novel Days」「ノベリズム」「GALLERIA」「ノベルアップ+」「note」に同じモノを投稿しています。
※R15指定は残酷描写の為です。性描写は期待しないで下さい。
女装とメス調教をさせられ、担任だった教師の亡くなった奥さんの代わりをさせられる元教え子の男
湊戸アサギリ
BL
また女装メス調教です。見ていただきありがとうございます。
何も知らない息子視点です。今回はエロ無しです。他の作品もよろしくお願いします。
【R18完結】エリートビジネスマンの裏の顔
白波瀬 綾音
恋愛
御社のエース、危険人物すぎます───。
私、高瀬緋莉(27)は、思いを寄せていた業界最大手の同業他社勤務のエリート営業マン檜垣瑤太(30)に執着され、軟禁されてしまう。
同じチームの後輩、石橋蓮(25)が異変に気付くが……
この生活に果たして救いはあるのか。
※サムネにAI生成画像を使用しています
【ヤンデレ鬼ごっこ実況中】
階段
恋愛
ヤンデレ彼氏の鬼ごっこしながら、
屋敷(監禁場所)から脱出しようとする話
_________________________________
【登場人物】
・アオイ
昨日初彼氏ができた。
初デートの後、そのまま監禁される。
面食い。
・ヒナタ
アオイの彼氏。
お金持ちでイケメン。
アオイを自身の屋敷に監禁する。
・カイト
泥棒。
ヒナタの屋敷に盗みに入るが脱出できなくなる。
アオイに協力する。
_________________________________
【あらすじ】
彼氏との初デートを楽しんだアオイ。
彼氏に家まで送ってもらっていると急に眠気に襲われる。
目覚めると知らないベッドに横たわっており、手足を縛られていた。
色々あってヒタナに監禁された事を知り、隙を見て拘束を解いて部屋の外へ出ることに成功する。
だがそこは人里離れた大きな屋敷の最上階だった。
ヒタナから逃げ切るためには、まずこの屋敷から脱出しなければならない。
果たしてアオイはヤンデレから逃げ切ることができるのか!?
_________________________________
7話くらいで終わらせます。
短いです。
途中でR15くらいになるかもしれませんがわからないです。
可愛い男の子が実はタチだった件について。
桜子あんこ
BL
イケメンで女にモテる男、裕也(ゆうや)と可愛くて男にモテる、凛(りん)が付き合い始め、裕也は自分が抱く側かと思っていた。
可愛いS攻め×快楽に弱い男前受け
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる