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10章 簒奪王をぶっ飛ばせ!
教皇様のお悩み相談室2
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王都奪還の為に神殿所に皆が集まって話をする。
「無血開城?無茶な事を言いますね...」
ディビドが難しい顔でそう言う。
「犠牲者何ていないに限るしね、無茶な話はわかるけど、王都の状況やジル殿下に付いている騎士団や貴族が想像より少ないからできるんじゃ無いかと思うの?」
「でもどうやって?」
マックス氏が首を傾げる。
「私がそのまま王都に入る、直接」
「な!何て無茶な!」
テオドール様が声を上げる。
「まぁまぁ...これは聖典の預言者ジョシュアが実際に行った方法でね...簡単に言うとだねぇ」
皆んなにジョシュアがアーロンを断罪しアーヴェルが王位を奪還した際の方法を話す。
「...確かに...エルマ様にしか出来ないですね」
ヘルムートのおじさまがそう言う。
「でしょ?」
「でもたった1人でと言うのはいけませんね、私も一緒についていきます」
「もちろん僕もだ!僕はエルマ様の盾だから!」
「俺たちも一緒についていくぞ!」
みんながそう言ってくれる、心強いねぇ。
「ありがとう、心強いよ!でも少人数でやらなきゃ意味がないからね...マックス氏...ディビド、お願いしてもいい?」
2人は頷く。
「まぁ今回は...」
そう言って作戦の詳細を話はじめた。
ーーーーーーーー
準備は抜かりなく行わなきゃなと思って自室で久々にエクソダスロッドを磨き上げる。
白金色の花や実の細工の施されたアーモンドの枝を模したロッド...
「12の時にこれをゲットした時にゃここまで大きな話になるとは思わなかったなぁ...」
ピカピカに磨きあげてびゅんと振るとシャラシャラと音がする...うむ!いい感じだ!
ふと鏡に目を向ける...髪長いなぁ...ずっと肩にかかるかどうかくらいだったし...
引き出しからハサミを取り出して長い髪を切ってしまおうと鏡の前に立って刃を入れようとした時にノックの音が聞こえる。
ハサミをテーブルに置いてドアを開けると教皇様がいた。
「教皇様!」
「エルマ様、準備中すみませんねぇ」
「いいえ、ちょっと最後に髪を切るつもりだったので!」
「そうですか...ならお手伝いしましょうか?」
部屋の中へどうぞ、と迎える。
それこそ初めて髪の毛を切ってもらったのは教皇様だったなぁ...5歳で令嬢らしく長い髪だったけど、寺院に入り聖職者になるから相応しく肩まで切りそろえたんだよねぇ
再度椅子を動かして鏡の前に置いて座ると教皇様はその髪を取り綺麗に肩にかかるかどうかくらいに切りそろえる。
「懐かしいですねぇ...今でもエルマ様が5歳でアルトマイヤー寺院に来た時を思い出します、あの時は日記帳に預言をびっちり書いた物を持って必死になって、本当に起こる事だから何とかしなきゃって大騒ぎしてましたけど、本当にご立派になられましたね」
「立派じゃないですよ、やらなきゃならない事をやって来ただけですから」
「そんな謙遜な...でも私はエルマ様にはもっと子供らしく自由に生きて欲しかったです」
「?」
「元来預言者は自由に行動する事で神の意思を行う存在、このような寺院に縛られて生きていくような存在では無いのは知ってますよね」
「そうですね」
「確かにハイラントの誕生は我々の悲願でもありますが、全てはエルマ様...いえ神が導きで命を繋ぐ為の伴侶を選ぶべきでは無いかなぁと思うんですよ、正直な所まだ結婚とか考えたくないでしょう?」
「う...ばれてましたか...」
「まぁエルマ様は私の孫の1人だとも思ってますからねぇ」
「私も教皇様はお爺さまだと思ってますよ!...結婚の件はおじさまの気持ちも分からなくも無いんですよ...おじさまは父親というより母親でもありましたからね、私の年齢の事やハイラントにとって相応しい血筋を残さなければって気持ちはとても分かるので...」
「母親、はは確かにヘルムートは父親って言うより母親役でしたねぇ」
「でもまだ答えを出すべきかどうか...そもそも『運命の相手』に出会って居ないだけなのか、愛を育む過程が足りないだけなのか...マックス氏もディビドも大好きだけどきっと彼らが望んでいる『好き』とは違うんだろうし...まぁお見合いとかなんてそんなモノだし、貴族のままならそんな事考える間もなく婚約して結婚だったでしょうしねぇ...そう思うとあのジル殿下と結婚とかもあったのか!恐っ!」
「ははは、まぁそう言う事はそんなに深く考える必要は無いですよ、恋なんてものは『落ちる』ものですからねぇ」
「はぁ」
「なにせ私も妻と出会った時に恋に『落ちた』んですから」
「おお!教皇様の恋バナw」
「私達は恋愛結婚でしたからねぇ懐かしい...」
確か子供も大勢いるし孫が10人居るもんねぇ...その中の何人かは顔見知りだしね。
「王都奪還が終わったら一度ゆっくりしてみてもいいんじゃないですか、エルマ様」
「ゆっくりかぁ...それなら一度エアヴァルド中を旅したいですね」
「旅ですか」
ミスタクの世界に実際にいるんだもの!ある意味聖地巡礼じゃんwあちこち行ってみたい!それに...
「それこそ自分探しの旅?今まで生きて来てずーっと戦争が起こらない為に奔走してたから...それとロストックに行った時思ったんです、もっと世界を見たいなぁって」
「それはいいですね」
「まぁきっとヘルムートのおじさまが許さないとは思うけどねぇ」
怒ってお仕置きするおじさまを思い浮かべる。
「いいんじゃないですか」
「え!いいの!」
「ちゃんと戻って来るならですがね」
教皇様はニッコリと笑顔を浮かべている。
「そりゃあ勿論!だってバーレや寺院は私の家だもの!」
「さぁ、切り揃えましたよ」
うん!いつもの髪型だ!やっぱりこうじゃなきゃww
「ありがとうございます!」
旅かぁ...窓から空を見ると世界は広くてとても自由に見えた...
「無血開城?無茶な事を言いますね...」
ディビドが難しい顔でそう言う。
「犠牲者何ていないに限るしね、無茶な話はわかるけど、王都の状況やジル殿下に付いている騎士団や貴族が想像より少ないからできるんじゃ無いかと思うの?」
「でもどうやって?」
マックス氏が首を傾げる。
「私がそのまま王都に入る、直接」
「な!何て無茶な!」
テオドール様が声を上げる。
「まぁまぁ...これは聖典の預言者ジョシュアが実際に行った方法でね...簡単に言うとだねぇ」
皆んなにジョシュアがアーロンを断罪しアーヴェルが王位を奪還した際の方法を話す。
「...確かに...エルマ様にしか出来ないですね」
ヘルムートのおじさまがそう言う。
「でしょ?」
「でもたった1人でと言うのはいけませんね、私も一緒についていきます」
「もちろん僕もだ!僕はエルマ様の盾だから!」
「俺たちも一緒についていくぞ!」
みんながそう言ってくれる、心強いねぇ。
「ありがとう、心強いよ!でも少人数でやらなきゃ意味がないからね...マックス氏...ディビド、お願いしてもいい?」
2人は頷く。
「まぁ今回は...」
そう言って作戦の詳細を話はじめた。
ーーーーーーーー
準備は抜かりなく行わなきゃなと思って自室で久々にエクソダスロッドを磨き上げる。
白金色の花や実の細工の施されたアーモンドの枝を模したロッド...
「12の時にこれをゲットした時にゃここまで大きな話になるとは思わなかったなぁ...」
ピカピカに磨きあげてびゅんと振るとシャラシャラと音がする...うむ!いい感じだ!
ふと鏡に目を向ける...髪長いなぁ...ずっと肩にかかるかどうかくらいだったし...
引き出しからハサミを取り出して長い髪を切ってしまおうと鏡の前に立って刃を入れようとした時にノックの音が聞こえる。
ハサミをテーブルに置いてドアを開けると教皇様がいた。
「教皇様!」
「エルマ様、準備中すみませんねぇ」
「いいえ、ちょっと最後に髪を切るつもりだったので!」
「そうですか...ならお手伝いしましょうか?」
部屋の中へどうぞ、と迎える。
それこそ初めて髪の毛を切ってもらったのは教皇様だったなぁ...5歳で令嬢らしく長い髪だったけど、寺院に入り聖職者になるから相応しく肩まで切りそろえたんだよねぇ
再度椅子を動かして鏡の前に置いて座ると教皇様はその髪を取り綺麗に肩にかかるかどうかくらいに切りそろえる。
「懐かしいですねぇ...今でもエルマ様が5歳でアルトマイヤー寺院に来た時を思い出します、あの時は日記帳に預言をびっちり書いた物を持って必死になって、本当に起こる事だから何とかしなきゃって大騒ぎしてましたけど、本当にご立派になられましたね」
「立派じゃないですよ、やらなきゃならない事をやって来ただけですから」
「そんな謙遜な...でも私はエルマ様にはもっと子供らしく自由に生きて欲しかったです」
「?」
「元来預言者は自由に行動する事で神の意思を行う存在、このような寺院に縛られて生きていくような存在では無いのは知ってますよね」
「そうですね」
「確かにハイラントの誕生は我々の悲願でもありますが、全てはエルマ様...いえ神が導きで命を繋ぐ為の伴侶を選ぶべきでは無いかなぁと思うんですよ、正直な所まだ結婚とか考えたくないでしょう?」
「う...ばれてましたか...」
「まぁエルマ様は私の孫の1人だとも思ってますからねぇ」
「私も教皇様はお爺さまだと思ってますよ!...結婚の件はおじさまの気持ちも分からなくも無いんですよ...おじさまは父親というより母親でもありましたからね、私の年齢の事やハイラントにとって相応しい血筋を残さなければって気持ちはとても分かるので...」
「母親、はは確かにヘルムートは父親って言うより母親役でしたねぇ」
「でもまだ答えを出すべきかどうか...そもそも『運命の相手』に出会って居ないだけなのか、愛を育む過程が足りないだけなのか...マックス氏もディビドも大好きだけどきっと彼らが望んでいる『好き』とは違うんだろうし...まぁお見合いとかなんてそんなモノだし、貴族のままならそんな事考える間もなく婚約して結婚だったでしょうしねぇ...そう思うとあのジル殿下と結婚とかもあったのか!恐っ!」
「ははは、まぁそう言う事はそんなに深く考える必要は無いですよ、恋なんてものは『落ちる』ものですからねぇ」
「はぁ」
「なにせ私も妻と出会った時に恋に『落ちた』んですから」
「おお!教皇様の恋バナw」
「私達は恋愛結婚でしたからねぇ懐かしい...」
確か子供も大勢いるし孫が10人居るもんねぇ...その中の何人かは顔見知りだしね。
「王都奪還が終わったら一度ゆっくりしてみてもいいんじゃないですか、エルマ様」
「ゆっくりかぁ...それなら一度エアヴァルド中を旅したいですね」
「旅ですか」
ミスタクの世界に実際にいるんだもの!ある意味聖地巡礼じゃんwあちこち行ってみたい!それに...
「それこそ自分探しの旅?今まで生きて来てずーっと戦争が起こらない為に奔走してたから...それとロストックに行った時思ったんです、もっと世界を見たいなぁって」
「それはいいですね」
「まぁきっとヘルムートのおじさまが許さないとは思うけどねぇ」
怒ってお仕置きするおじさまを思い浮かべる。
「いいんじゃないですか」
「え!いいの!」
「ちゃんと戻って来るならですがね」
教皇様はニッコリと笑顔を浮かべている。
「そりゃあ勿論!だってバーレや寺院は私の家だもの!」
「さぁ、切り揃えましたよ」
うん!いつもの髪型だ!やっぱりこうじゃなきゃww
「ありがとうございます!」
旅かぁ...窓から空を見ると世界は広くてとても自由に見えた...
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