銭ゲバ令嬢なまぐさ司祭に溺愛される【R18】

chapter7:become a teacher

天使降臨 その1

エステルは眠るディビッドの近くでずっと目覚めるのを待っていた。

マキシムとバレンティナが教師のレナートが何者かによってキメラ化させられ操られている可能性を聞き共に出ていってからそれなりな時間が経っていた。

日も登ってだいぶ明るくなった。

そんな中、外が騒がしくなっている事にエステルは気がつき窓に目を向けると遠い場所で炎と煙が立ち込んでいる姿が見える。

「火事？？？」

エステルは窓の外を見る、どうやら学校付近から火が上がっているようだ。

「もしかして...モレクが復活したのかも...ティナちゃん達は大丈夫かしら」

エステルは焦りの気持ちからバルコニーに繋がる扉を開けると後ろからがたん、と音が聞こえる。

振り向くとずっと眠っていたディビッドが起きて身を起こしていた。

「ディブ！」

『...行かなくては...』

いつもとは違う様子のディビッドにエステルは戸惑う。

ディビッドはベッドから出て近くのテーブルに置いてあった愛用の銃であるエクソダス1922を手に取りバルコニーへと出る。

「ディブ！行くって！！」

ディビッドのその身体は光り輝き、背には翼が...それこそ六枚の光る翼が生える。

瞳は燃える炎の様な赤いものに、髪も雪の様に真っ白くなり、肌も光輝き何よりも身につけているものすら変わってゆく。

それは頭には王冠のような光の輪が浮かび上がり、服も真っ白な亜麻布でできた長い衣と変わり、手に持つ銃もまた銃身の長いショットガン型へと変化する。

それこそその美しい姿は天使そのものだ。

そして聖ジョシュアが王笏を手渡した天使の姿と同じものだとエステルは気がつく、顔などは光のせいでよくわからなかったが間違いない。

「まさかディブ...貴方があの時の！聖ジョシュアにセプター オブ バーレを授けた天使...」

マーシャの次の世代、遠い昔であるジョシュアがモレクを砕いた時代に降臨した天使こそ、今目の前にいる弟だという事に...

『父は私の花嫁の祈りを聞き届けてくださった、預言者ジョシュアの身に起こった時の再来を...私の降臨を...』

そう言って翼を羽ばたかせ宙に舞い、火事が起こっている場所へと飛んでいく。

だんだんと空は曇り雨が降り注ぎ、雷鳴が聞こえて来ている中でだ。

ディビッドはそこへ向かうのは当然のと言うかの様に向かう。

「あ！待って！ディブ！！！」

エステルはそのままオカメインコの姿に戻ってディビッドを追いかける。

「ギャ！ディブ！待て！ギャアアアア！！！」

ピッピちゃんはそう叫びながらディビッドに追いつこうと雨に打たれながら必死に飛ぶのだった。

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