銭ゲバ令嬢なまぐさ司祭に溺愛される【R18】

chapter7:become a teacher

古い夢5 その4

「まぁボクが来た理由はんなムダ話をする為じゃねぇっスけどねー」

とディビッドの額に人差し指で触れ、じっとその瞳を見つめる、サミュエルの深い青い色の瞳はまるで海の底のような色である。

「なんですか...気味が悪い...うっ！」

頭の何処かにピリッと電気が走る感覚に襲われるディビッド、しかしその後急に身体の痛みが消える。

「？？？」

「よし！これで痛みの感覚がなくなった筈っス！体質もあってあんまり痛み止めが効かなくて痛みのせいで寝る事が出来なかったっしょ？」

ズバリ当てられて頷くディビッド。

「痛みで眠れもしねぇと大概ロクな事考えねぇっすからねぇ、まぁ今のうちにぐっすり寝るっスよ...あ！痛みが感じられなくなっただけで坊ちゃん重症なんで動いちゃあダメっスよ～」

と言いながらポテトチップスの入った袋を片手に去って行こうとする。

「何でこんな事を？姉上から言われたんですか？？？」

「ん～まぁ坊ちゃんの無謀っつーかガッツに称して！って事っスかね！じゃあまた暗示が切れそうになった頃合いにやって来るっス！」

と部屋を去っていくサミュエル。

ディビッドとサミュエルはかなり仲が悪いと言うか、ディビッドよりも10歳も歳上でチャラついてるサミュエルに口ではまず敵わないし、ディビッドの甘ったれな所をサミュエルは本気で嫌っている。

しかしどこか達観している所があるのか、サミュエルは本当に困っている時にはこうやって手を差し伸べる所がある。

いまいち本心の分からないサミュエルに対してディビッドは怪訝な顔をするものの、だんだんと瞼が重くなる...何だか今ならぐっすりと眠れそうだな...と思いディビッドは目を閉じるのだった。

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