銭ゲバ令嬢なまぐさ司祭に溺愛される【R18】

chapter7:become a teacher

古い夢5 その1

身体中が痛む、痛くて辛い、痛み止めを処方されても体質らしいのか全く効かずに痛みが続いて眠れない。

悪魔オロバスとの戦いで肉を引き裂かれ身体中が酷い傷だらけとなった15歳のディビッドは病室と変わらない状況の自室で身体中包帯に巻かれた姿で痛みに苦しんでいた。

オロバスは馬頭の悪魔であり、地方の領主の貴族の男に受肉し多くの少年を攫い、生贄としていたのだ。

ディビッドは無茶をし1人でその屋敷に生贄のフリをして潜入し返り討ちにあってしまったのだ。

エステルがディビッドが殺されそうになるギリギリの所で神罰の雷からの裁きの鉄槌のコンボで助けが無ければまず命が無かった。

そんなオロバスが滅びる前に厄介な呪いを受けたせいで神の奇跡が届かなくなってしまい回復の奇跡ヒールが効かなくなってしまった為、バーレでは数少ない医者の手によって何十もの傷口を縫い、骨が折れている箇所は固定され傷を消毒しながら僅かしか効かない薬を与えられ自然治癒で治すしか無かった。

しかも表面上の傷だけではなく、身体のあちこちの骨も折られておりかなり重篤な状況だったのだ。

ジョナサンレベルの錬金術を扱える術士がいれば強力な薬を調合して怪我も早く癒えたのだが、その頃の異端審問官にはそこまでの術士が在籍していなかった。

何故なら回復の奇跡ヒールを扱える司祭達が多いのもあり怪我や病気は司祭を頼っていた為に医師や回復薬を作成できる高度な錬金術師が必要が無かったせいだ、それが裏目に出てしまったのだ。

今隣国であるウルムから強力な回復薬ポーションを作成を出来る錬金術師をエステルの私財から呼び寄せているが、やって来るのに一ヶ月はかかる為今はただ痛みに耐える生活を送っているのだ。