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chapter7:become a teacher
悪魔モレク その6
しおりを挟む「じゃあティナに何かあるかもじゃないですか???」
「先生には先に伝えておいたよ...絶対にレナート先生には気を許さないようにって、そして警戒されないように普段通りにって事もさ...それに先生はお前が思っているよりも強いし攫われるような事は決して無い」
「何でそんな事言い切れるんですか、ジョナサン」
ディビッドはジョナサンに詰め寄るが、ジョナサンは動じずにじっとディビッドの目を見て話す。
「ディビッド、お前が倒れていた時に聖ジョシュアが先生の憑依した話を詳しくはしてなかったな、その時聖ジョシュアが話してくれたんだよ...先生は『セプター オブ バーレ』の現時点の所有者であり、悪魔モレクを神から授かりし王笏を持って粉々に砕く者だから、聖ジョシュアがモレクを砕いた様に、そしてこれから届く『ゲヘナの火』をもってモレクは再度焼かれる...それは先生の手によって成し遂げられるからだよ、ディビッド」
ジョナサンは以前バレンティナに憑依した預言者ジョシュアが何を伝えたかったかをディビッドに話す。
そしてモレクの件で現時点でディビッド以外の『天使』2人が関わっている事でそれはさらに現実味を帯びる...そしてディビッドに対しての懸念もだ。
「一体何の話を???アネリ先生が強いって???」
聞きなれない聖典の単語ばかり飛び交う為に首を傾げるグラート。
そんな話をしている内にドアがバン!と開くとマキシムが肩にピッピちゃんを乗せてやって来た。
「ディビッド、無事か!」
「ギャ!ギャ!!!また倒れたって聞いたギャ!!!」
「おい!お客様がいるんだぞ!」
ジョナサンがマキシムに注意する、どうにもディビッドがウルムで生活するようになったら人の目をそこまで気にしないのか行動が粗雑であるな、とジョナサンは思う。
「おおっと...すまん!」
「ピィピィ...」
マキシムがグラートの姿を見て足を止め、ピッピちゃんは急にただの鳥のフリをし始める。
「それにしても珍しいなぁ...ジョナサンの友達か?」
「学校の生徒会長なんだよ」
「初めましてですね、グラート ザナージと申します...エアヴァルドの王弟マキシマム殿下」
「!?!?!?」
自身の素性を言い当てられて驚き声も出ないマキシム。
「マキシム、彼はザナージ大佐の息子さんでもう大体の所は知ってるので...ピッピちゃんも今更可愛い小鳥のフリなんて辞めて下さいね」
「ええっ!」
「ギャ!ピッピちゃんはいつも可愛い小鳥ギャ!!!!」
マキシムはのけぞり、ピッピちゃんは怒る。
「君の仲間はバラエティに富んでてなかなか愉快だね、ジョナサン」
「はは...」
グラートの言葉に唯一まとも(?)な存在のジョナサンは苦笑いをするしかなかった。
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