751 / 841
chapter7:become a teacher
古い夢4 その14
しおりを挟む
「ん???お!それは!」
手土産に気がついたのかディビッドからヒョイ、と籠を取り上げるとナッツ入りクッキーやドライフルーツがたっぷり入ったパウンドケーキなど美味しそうなお菓子がたくさん入っている。
「マキシムを巻き込んでしまったんで、せめてお詫びにって思いましてね」
「おお!列車に乗った時に食べたクッキーと同じのが入ってるな!これ旨いんだよな!」
とマキシムはそのまま手作りのクッキーを手に取り口に放り込む。
「俺が屋敷の方にいた時には食べた事無いけど、シェフが変わったのか?」
クッキーを咀嚼しながら尋ねるマキシム。
「いえ私が作ったんですよ、それもですがあの時のクッキーも」
「へ???お前が???」
マキシムは目を丸くする、なにせプロより味が良いのだ。
「孤児院にいた時にバザー用のお菓子としてクッキーやパウンドケーキにヌガーと作ってたんですよ、結構人気があったんで、もし司祭以外の職を選ぶならパティシエになるのも良いかなって思ってましたんでね」
ちょっと得意げな顔をするディビッド。
「へぇ、意外な特技があるんだなぁ~」
とマキシムはカットもしてないパウンドケーキをそのまま齧り付く。
「ああっ!なんて食べ方するんですか!!!」
「いいじゃないか...うん!旨い!」
「うわぁ...とても本物の王子様とは思えない」
ディビッドはパウンドケーキがまるまる一本マキシムの腹に収まっていく姿は気品のかけらもない。
いつもはマキシムに礼儀作法を叩き込まれているが、食事のマナーに関しては教わっていなかった為食べ方のガサツさに呆れ気味のディビッド。
「呆れた顔で見てるが、俺は場所を弁えて行動するから食事のマナーとか心配ないぞー」
あっという間にペロリと籠の中いっぱいのお菓子を全て食べ尽くすマキシムにディビッドはただただ目を丸くする。
「あー旨かった!」
「あんなにたくさん作ったのに一瞬で...」
それなりに時間をかけて作ったお菓子が短時間で食べ切ったマキシムに驚きを隠せないディビッド。
「どうしても身体を鍛えると腹が空くからなぁ!」
あははとマキシムは笑う。
「...だからマキシムは大きいのか...」
ディビッドはマキシムを見上げてながら妙に納得する。
「ん???まぁお前もたくさん食べてりゃあ大きくなるさ、まだ成長期なんだし」
「そうですかねぇ...」
「そうそう、きっとサミュエルよりはデカくなれる!」
と言いながらディビッドの頭をガシガシと撫でる。
「うわぁ洗ってない手じゃないですか!やめて下さいよぉ!」
「あはは!」
随分と親しくなれたな、とマキシムは思いながらディビッドの頭を散々ガシガシ撫でるのだった。
ちなみに余談ではあるがこの数年後に大きく成長したジョナサンと再会した時に、マキシムより大きいのにそこまで食べないジョナサンを見て、たくさん食べるのはただの体質でしかない事にその時のディビッドは騙された気持ちになったのだった。
ー
手土産に気がついたのかディビッドからヒョイ、と籠を取り上げるとナッツ入りクッキーやドライフルーツがたっぷり入ったパウンドケーキなど美味しそうなお菓子がたくさん入っている。
「マキシムを巻き込んでしまったんで、せめてお詫びにって思いましてね」
「おお!列車に乗った時に食べたクッキーと同じのが入ってるな!これ旨いんだよな!」
とマキシムはそのまま手作りのクッキーを手に取り口に放り込む。
「俺が屋敷の方にいた時には食べた事無いけど、シェフが変わったのか?」
クッキーを咀嚼しながら尋ねるマキシム。
「いえ私が作ったんですよ、それもですがあの時のクッキーも」
「へ???お前が???」
マキシムは目を丸くする、なにせプロより味が良いのだ。
「孤児院にいた時にバザー用のお菓子としてクッキーやパウンドケーキにヌガーと作ってたんですよ、結構人気があったんで、もし司祭以外の職を選ぶならパティシエになるのも良いかなって思ってましたんでね」
ちょっと得意げな顔をするディビッド。
「へぇ、意外な特技があるんだなぁ~」
とマキシムはカットもしてないパウンドケーキをそのまま齧り付く。
「ああっ!なんて食べ方するんですか!!!」
「いいじゃないか...うん!旨い!」
「うわぁ...とても本物の王子様とは思えない」
ディビッドはパウンドケーキがまるまる一本マキシムの腹に収まっていく姿は気品のかけらもない。
いつもはマキシムに礼儀作法を叩き込まれているが、食事のマナーに関しては教わっていなかった為食べ方のガサツさに呆れ気味のディビッド。
「呆れた顔で見てるが、俺は場所を弁えて行動するから食事のマナーとか心配ないぞー」
あっという間にペロリと籠の中いっぱいのお菓子を全て食べ尽くすマキシムにディビッドはただただ目を丸くする。
「あー旨かった!」
「あんなにたくさん作ったのに一瞬で...」
それなりに時間をかけて作ったお菓子が短時間で食べ切ったマキシムに驚きを隠せないディビッド。
「どうしても身体を鍛えると腹が空くからなぁ!」
あははとマキシムは笑う。
「...だからマキシムは大きいのか...」
ディビッドはマキシムを見上げてながら妙に納得する。
「ん???まぁお前もたくさん食べてりゃあ大きくなるさ、まだ成長期なんだし」
「そうですかねぇ...」
「そうそう、きっとサミュエルよりはデカくなれる!」
と言いながらディビッドの頭をガシガシと撫でる。
「うわぁ洗ってない手じゃないですか!やめて下さいよぉ!」
「あはは!」
随分と親しくなれたな、とマキシムは思いながらディビッドの頭を散々ガシガシ撫でるのだった。
ちなみに余談ではあるがこの数年後に大きく成長したジョナサンと再会した時に、マキシムより大きいのにそこまで食べないジョナサンを見て、たくさん食べるのはただの体質でしかない事にその時のディビッドは騙された気持ちになったのだった。
ー
0
お気に入りに追加
346
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。
それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。
14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。
皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。
この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。
※Hシーンは終盤しかありません。
※この話は4部作で予定しています。
【私が欲しいのはこの皇子】
【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】
【放浪の花嫁】
本編は99話迄です。
番外編1話アリ。
※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。

軽い気持ちで超絶美少年(ヤンデレ)に告白したら
夕立悠理
恋愛
容姿平凡、頭脳平凡、なリノアにはひとつだけ、普通とちがうところがある。
それは極度の面食いということ。
そんなリノアは冷徹と名高い公爵子息(イケメン)に嫁ぐことに。
「初夜放置? ぜーんぜん、問題ないわ!
だって旦那さまってば顔がいいもの!!!」
朝食をたまに一緒にとるだけで、満足だ。寝室別でも、他の女の香水の香りがしてもぜーんぜん平気。……なーんて、思っていたら、旦那さまの様子がおかしい?
「他の誰でもない君が! 僕がいいっていったんだ。……そうでしょ?」
あれ、旦那さまってば、どうして手錠をお持ちなのでしょうか?
それをわたしにつける??
じょ、冗談ですよね──!?!?


【R18】仲のいいバイト仲間だと思ってたら、いきなり襲われちゃいました!
奏音 美都
恋愛
ファミレスのバイト仲間の豪。
ノリがよくて、いい友達だと思ってたんだけど……いきなり、襲われちゃった。
ダメだって思うのに、なんで拒否れないのー!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる