銭ゲバ令嬢なまぐさ司祭に溺愛される【R18】

chapter7:become a teacher

ジョナサン試験を受ける その16

『ハハ...私ガ素直に聴き入れルと思っテいたノですカ？？？』

リュシフェルがそう言うと天使が手に持つ天秤から更にデナリオン硬貨がジャラジャラと増えて大量に零れ落ちる。

『更に罪が積み上げられた...お前は偉大なる神に挑戦する際に決められし誓・約・を破ったのだから...』

と天使は言うと溢れ出るデナリオン硬貨が宙に浮き勢いよくリュシフェルに襲いかかる。

『ギャアアアア！！！！』

そのデナリオン硬貨は聖化された物である故か、触れるだけでリュシフェルは苦しみもがく。

『これは先程ここにいる神の僕たる者を傷つけた罪の分の重み...時が来たらこれ以上の重みを背負って苦しむのだ...』

『ぐ...人が創造さレた後デ産まレた若造ガァ...熾天使ノなリ損なイの分際デェェ...』

リュシフェルはそう断末魔を叫びながら消えて行く...その場に残ったのは見た記憶も無い浮浪者のような男が1人ぐったりうつ伏せに倒れていた。

きっとリュシフェルがその辺にいた男に乗り移って姿を現したのだろう。

『創造主にとっては全ての命に対する愛はこの秤の様に公平であるのに...階級に囚われるか...愚かな...』

天使は釣り合いのとれた状態の天秤を手にそう呟く。

「ジョナサン様！」

ジョナサンの元に異端審問官が駆けよりすぐに治療を始める。

司祭もいる為ヒールをかけて傷を回復させるが、腹から大量に出血した為に貧血まではすぐに対処出来ず直ぐには起き上がれない。

だがそれでもなんとか身を起こして天使に向かって身を屈めるジョナサン。

「ゴホッ...い...偉大なる神の使徒たる方、助けて頂き感謝致します...」

咳き込みながらジョナサンは感謝の言葉を述べる。

目の前にいるのは間違いなく天使であり、直接遣わされた神の代行者なのだから。

『深い傷を負ったのだ...楽にするが良い...忠実なる神の僕たる者、サンソンの子の1人よ...』

天使はそう言ってわざわざ屈んで目線に合わせる、ジョナサンはその顔に驚きを隠せない、周囲にいた異端審問官の顔も驚く。

その顔はそれこそジョナサンに顔がよく似たロストック系の青年であり、双眸もまたジョナサンと同じ様に夕日のようなオレンジ色をしていたからだ。

『驚くのも無理はない...我は人として生きていた時の名はエイモス、裁く者であったサンソンの父の1人でもあり、ジョナサン、お主の父の1人でもあるのだから...』