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chapter7:become a teacher
ジョナサン試験を受ける その15
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悪魔は聖化したものに触れると強い痺れのような苦しみを受けるようで、一時的に動けなくなる。
要は聖化の原液みたいな聖水自体をリュシフェルにかけたのだ。
効能が長く持つとは思えないが、逃げる時間を得るくらいはできる、と咄嗟の判断だ。
「それにしても犯人は確定かもな...」
その場から移動し中庭へと出ると同時に緊急を要する時の合図として光を放つ術式を宙に向かって打つ。
パッパッ...と2回明るく光るのを確認したのか全員が次々と外へと出ていくのをジョナサンは気を読んで確認する。
「...一旦教会に戻って再度作戦を練らないと、きっと他の教室でも何か発見したかもだから」
と話をしていると急に後ろから邪悪な気を感じ、振り向くとこそには聖水によって顔の半分が爛れたリュシフェルが自身の二倍もの大きさの黒い槍を持ち、そのままジョナサンの腹を貫く。
「ぐはっ!!!!」
ジョナサンは血を吐き、その場に崩れる。
「ジョナサン様!」
異端審問官達がジョナサンを助けようとするが、さっき襲ってきた飛翔生物達がまたやってきて襲いかかる為にそこへ辿り着けない。
『下等ナ人の分際デ!!!!』
更にリュシフェルは黒い槍を召喚し、ジョナサンを刺し殺そうとする。
「もうダメか...」
死を覚悟して目を閉じるジョナサン、 しかし何もやってこない...目を開けると光る人物の背が見える。
それはとても大柄な男であり、頭をすっぽり隠す真っ黒なローブを身にまとい、片手に真鍮で作られたような吊り皿型の天秤を持っており背中には六枚の羽根が生えた存在...天使である。
その天使は召喚された槍を自らの念力で止めており、手を下げると槍は全て消え去る。
同じようにジョナサンの腹を貫いた槍も消え去り、血が溢れ出るその傷口を塞ぐ為にジョナサンは出血故に震えが出る手で懐のポーションを掴み、そのまま瓶ごと割って傷口に注ぐと徐々に傷口が塞がって行く。
「一体何が起こっているんだ...」
天使とリュシフェルの動向をジョナサンはまだ霞む目でじっと見つめる。
『貴様...天使カ!』
『我は秤を持ち積み上げた罪と不公平を計り取る者...お前に積み上げた罪を見せよと命じられてここに来た...』
天使はボソボソとそう言って片手に持った天秤をリュシフェルに向けると、その昔に使われた銀で出来たデナリオン硬貨をじゃらじゃらと天秤の左の皿から溢れ出て大きく左に傾く。
『創造主にして忠誠なるに挑戦する者...贖いきれない罪を頭に積み上げる者...その先には滅びしか無い者よ...今お前がその力を許されている謂れを忘れたか?』
要は聖化の原液みたいな聖水自体をリュシフェルにかけたのだ。
効能が長く持つとは思えないが、逃げる時間を得るくらいはできる、と咄嗟の判断だ。
「それにしても犯人は確定かもな...」
その場から移動し中庭へと出ると同時に緊急を要する時の合図として光を放つ術式を宙に向かって打つ。
パッパッ...と2回明るく光るのを確認したのか全員が次々と外へと出ていくのをジョナサンは気を読んで確認する。
「...一旦教会に戻って再度作戦を練らないと、きっと他の教室でも何か発見したかもだから」
と話をしていると急に後ろから邪悪な気を感じ、振り向くとこそには聖水によって顔の半分が爛れたリュシフェルが自身の二倍もの大きさの黒い槍を持ち、そのままジョナサンの腹を貫く。
「ぐはっ!!!!」
ジョナサンは血を吐き、その場に崩れる。
「ジョナサン様!」
異端審問官達がジョナサンを助けようとするが、さっき襲ってきた飛翔生物達がまたやってきて襲いかかる為にそこへ辿り着けない。
『下等ナ人の分際デ!!!!』
更にリュシフェルは黒い槍を召喚し、ジョナサンを刺し殺そうとする。
「もうダメか...」
死を覚悟して目を閉じるジョナサン、 しかし何もやってこない...目を開けると光る人物の背が見える。
それはとても大柄な男であり、頭をすっぽり隠す真っ黒なローブを身にまとい、片手に真鍮で作られたような吊り皿型の天秤を持っており背中には六枚の羽根が生えた存在...天使である。
その天使は召喚された槍を自らの念力で止めており、手を下げると槍は全て消え去る。
同じようにジョナサンの腹を貫いた槍も消え去り、血が溢れ出るその傷口を塞ぐ為にジョナサンは出血故に震えが出る手で懐のポーションを掴み、そのまま瓶ごと割って傷口に注ぐと徐々に傷口が塞がって行く。
「一体何が起こっているんだ...」
天使とリュシフェルの動向をジョナサンはまだ霞む目でじっと見つめる。
『貴様...天使カ!』
『我は秤を持ち積み上げた罪と不公平を計り取る者...お前に積み上げた罪を見せよと命じられてここに来た...』
天使はボソボソとそう言って片手に持った天秤をリュシフェルに向けると、その昔に使われた銀で出来たデナリオン硬貨をじゃらじゃらと天秤の左の皿から溢れ出て大きく左に傾く。
『創造主にして忠誠なるに挑戦する者...贖いきれない罪を頭に積み上げる者...その先には滅びしか無い者よ...今お前がその力を許されている謂れを忘れたか?』
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