銭ゲバ令嬢なまぐさ司祭に溺愛される【R18】

chapter7:become a teacher

ジョナサン試験を受ける その1

学校の試験が始まり、ジョナサンは怪しまれないようにまぁまぁな手抜きをしながらペーパーテストを順調に終わらせ、最後術式学の実技テストの時間になる。

学校指定の鉄製で短めの杖を使い、火、氷、雷、風、土の5種類の属性から自分の属性とその相性の良い属性の3種の術式を選び、正しい方法を用いて基礎的な術式を構築して発生させるテストである。

ちなみにこのテストでは個々の術能力よりも構築する方法が正確である事が求められるものであり、偶に自己主張の為に授業で学んでもいない術式を扱ったりする生徒もいるが、どんなに強くて正確な術式を構築させようとも大体はマイナス点となる。

何故ならそう言った教員の言う事も従えない自分勝手な事をするなら国家や法にも従えない、と見られるからである。

ジョナサンは風属性を得意とする為、追加で氷と火を選ぶが、風と氷属性を選ぶ生徒が多い為まず空いている火の術式の試験を行っている場所へと向かう。

試験は屋外の広い練習場を五分割に仕切っており、それぞれの属性の攻撃型の術式を木製の人型の的に当てる様になっている。

火の属性の試験場所には以前ジョナサンに絡んできた下級貴族の生徒も数人試験を受ける為に並んでいたのを見て、どおりで火属性が不人気なのかを理解する。

「なんだ留学生じゃないか」

無駄に絡まれても面倒なのでジョナサンは無視をする。

そこそこ術士としての才能はあるかもだが、いかんせん頭も悪いし努力もしない上、他の生徒達に威張り散らしている為嫌われている。

「挨拶もないのかよ...」

と彼らの仲間がそんな事を言うが兎に角無視を決め込むジョナサン。

弱い連中の遠吠など聞かないに限るし、ディビッドの様に何倍にもして仕返しするのはジョナサンの趣味ではないのだ。

「まぁ良いや、俺たちの才能を見せてやろうぜ！」

とその中でもリーダー格と思われる赤みを帯びた茶髪に若草色の瞳でそばかすが目立つ少年が言い出すと、まだ呼ばれてもいないのにちゃんと並んでいる他の生徒に割り込んで試験場に入り込む。

「よーく見ておけよ！俺の実力を！」

と言って杖を構えて術式を構築させる...しかしその術式は初級のものとは違う複雑な複合術ものだとジョナサンは気がつく。

『大地よ！その燃える流れを解き放て！』

「あ！！術式の構築図のバランスが！！！」

ジョナサンは危険性にいち早く気がつく。