銭ゲバ令嬢なまぐさ司祭に溺愛される【R18】

chapter7:become a teacher

古い夢3 その1

秋も深まる時期に差し掛かった頃のロストックの地、9歳のディビッド少年は6歳のまだまだ幼いジョナサンと一緒にフラウエン教会内の敷地の落ち葉を掃除していた。

大量の落ち葉の山を作る小さい2人の姿を見て、そこを通りかかる人々は微笑ましそうな顔をしながら「偉いわね」「手伝いを頑張って神は喜ばれますよ」などど言われる。

ただこの落ち葉...敷地内をただ綺麗にする為に集めている訳では無い事を大人達は知らないのだが。

「にゃぁ...ほんとぉにだいじょうぶにゃのか？」

当時のジョナサンはやや舌足らずで、同年代よりも小さくひょろっとした線の細い可愛らしい子供である。

現在の弱体化したジョナサンをより小さくした見た目で筋骨隆々で2m近い身長になるとは思えない程の姿だ。

ただ『赤宿し』に生まれてしまった為に家にある術式付与した家具や道にある街灯などを、その力のせいで構成した術の出力を変えてしまったり、壊してしまったりして一時期火事になりかけたりしたのである。

術士の家系ではないジョナサンの両親や家族達ではその辺を教える事ができず、全く手に負えなくなってしまったのだ。

なのでまだ幼いのだが、フラウエン教会併設されている学校で術式のコントロールを学び、安定して生活出来るまで教会内の宿舎での生活が余儀なくされてしまう。

ジョナサンの両親は舌足らずでとても幼いジョナサンを泣く泣く遠くから通うのが困難な子供の為の孤児院と併設している寄宿舎に入れるのだったが、ジョナサン本人は赤宿し故かその辺を理解する位には頭は良く、訓練しなくてはならない...と判断し、素直に応じるのだった。

ただ術式を学ぶ年齢にはかなり早いせいで学校の生徒達は全員自分よりも最低でも3歳は離れており、クラス内でオドオドしていた所をディビッドが声をかけて以降よく一緒にいる。

いや正確にはディビッドがジョナサンを巻・き・込・ん・で・い・る・と言った方が正しいのかもしれない。

ディビッドはフラウエン教会内の孤児院で生活している子なのだが、紫色の瞳の美しいすごい美少年でいつも笑顔はキラキラしておりまるで王子様の様な子供だ。

しかし表面上良い子ではあるがとんでもないイタズラ好きだし、何か自分に対して気に入らない事をされたら倍返しする厄介で面倒くさい性格をしている。

「大丈夫だよ～コレでジョナサンも目をつけられなくなるから～」

にっこり笑いながら大量の落ち葉をゴミ捨て用の麻袋にちりとりを使って詰め込むディビッドにジョナサンは何か嫌な予感しかしないのであった。

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