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chapter7:become a teacher

鋳物の牛 その4

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リビングに移動すると、バレンティナがやって来ているのに気を遣って黒子のような使用人達がお茶や菓子を準備していた。

家事仕事はこだわりがあるから基本ディビッドがすべての掃除や洗濯等を自分でやってしまう事が多いのだが、彼ら使用人達もプロフェッショナルでもある為家事やらお客様へのおもてなしなどは何でもできるには出来るのだ。

「ギャ!ディブが部屋から出ない様に見張るギャ!」

とピッピちゃんがそう言うと、その言葉に従って使用人達はディビッドの部屋の方へと向かう。

「茶の用意もしてくれてるし、一旦休もう」

とジョナサンは紅茶を出してバレンティナへ飲む様に勧める。

「ディビッド...大丈夫かしら...」

「先生...しばらくあいつには討伐の仕事は休ませるし、あと過去の天使の降臨があった件を更に調べてみようと思う...何か改善させる方法があるかもだから」

「...ジョナサン」

ディビッドの事はジョナサンも心配している、それこそ聖典の内容を一通り知っているジョナサンもアイザック王の時代の天使が降臨した際に何が起こったかを知っているからだ。

2人が話をしていると下の階からバタバタと音と共にドアがバン!と開く、マキシムが急いでやって来たようだ。

「ジョナサン、ディビッドが倒れたって!」

「ギャ!マキシム!今寝かしつけたから静かにするギャ!!」

マキシムの大きな声が部屋に響くのでピッピちゃんが怒る。

「...すみません...」

マキシムはピッピちゃんに怒られしょんぼりしてしまう。

「マキシムさん、今ジョナサンが薬を飲ませて眠ったからゆっくり休ませようと思うの...」

「バレンティナ嬢..」

マキシムはそのままジョナサンの横に座ってため息を吐く。

「使用人に聞いたんだが...」

「アイザック王みたいにはならないさ...だってあいつには尋常じゃない加護と祝福がついてるんだぞ...大丈夫だよ...」

表情の暗いマキシムに対してジョナサンはそう言う、できるだけ不安にならない為にそう言ってるだけではあるが、そうでもないと空気が重くなるし何よりもバレンティナが泣き出しかねない。

何気にジョナサンの周囲には立場の割に勝手気ままだったり自由人だったりする連中ばかりなのだがジョナサン自身は繊細で友人思いで気遣いのできる良い奴なのである。

「暫くはあいつを討伐に参加させない方向で今回の件を進めていこう...だから異端審問官の増員をエステル様にお願いしたいんです」

「勿論ギャ!」

ピッピちゃんは承諾する、現時点で中身はエステル本人であり、それらを束ねているのは幼い姿になったとしてもエステルが今も担っている。

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