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chapter7:become a teacher
鋳物の牛 その1
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長期滞在している高級ホテルの一室で、マキシムはシャツにスラックスとラフな格好で難しい顔をしながら新聞の号外を手にしていた。
「全くこんな事をしなくても...」
はぁ、とため息を吐いてテーブルに新聞を置く。
それこそサヴェリオ国王の後継の誕生とエステルの子ミルトスの発表の件が同時に載っているかなり異例の号外だ。
本来なら婚外子と正統な後継の同時発表など普通では決してあり得ないだろうに...と。
でもこれはある意味サヴェリオが狙ってそうしたのやも、と邪推もするマキシム。
マキシムはディビッド達よりも先にその件は耳にしており、エステルがミルトスという名前のエステルとサヴェリオ国王の婚外子と言う事にする話は知っていた。
その話はエステル本人がディビッド達に説明する、と言っていたのとタイミング的に悪魔の捜索の件と被りその件を話すことがなかっただけである。
あの冷徹なサヴェリオ国王だがエステルに対し異様な執着心を抱いていた事を、マキシムはエステルと共にいた時にかなり強く感じていた。
なんとも勝ち誇った様な目でマキシムを見るサヴェリオのあの顔がこびりつく。
そして子供になってしまったエステルの件もサヴェリオ国王は知っていて、自らの子供として認知する理由はあくまでも両国の同盟関係...特にトラウゴッド教の国教化の絡みを続ける為の筈だった。
「まさか、サヴェリオ国王は無理矢理にでもエステル様を立太子にする気なんじゃ...いや、まさかな...」
マキシムは頭を振って頭に浮かんだ疑惑を誤魔化そうとする。
マキシム自身ウルム王家の血を引いてもいない子供のエステルことミルトスに流石にその権利は無い筈...と思い込んでいるからだ。
だが実際はエステルとサヴェリオ国王の間に誕生するであろう子供とエステルが混ざって復活したのが子供姿のエステルことミルトス...実質サヴェリオの子供でもあるのだ。
そしてそれはウルムで高名な賢者を何人もバーレに寄越して検査し確定した結果は真実でもある。
ただマキシムを含めディビッドは親子検査の結果はでっち上げだと思わされている。
気を読む事ができる故に真実を知っているジョナサンは2人を心配してあえて黙っているが、エステルに近い人物ほど親子鑑定はでっち上げだと思っているのだ。
それにまだまだバーレの復興に時間もかかるだろうし、エステル本人はバーレに残って静かに暮らす事を望んでおり、ウルムの王位継承権で戦う様な真似はしたくない本心があるため今回の公表自体はあまりよく思っていないのはエステルのあの慌てていた状況からよくわかる。
悪魔の件もあるが、バーレ復興、エステルの件も含めてマキシムは頭を悩ませる。
「全くこんな事をしなくても...」
はぁ、とため息を吐いてテーブルに新聞を置く。
それこそサヴェリオ国王の後継の誕生とエステルの子ミルトスの発表の件が同時に載っているかなり異例の号外だ。
本来なら婚外子と正統な後継の同時発表など普通では決してあり得ないだろうに...と。
でもこれはある意味サヴェリオが狙ってそうしたのやも、と邪推もするマキシム。
マキシムはディビッド達よりも先にその件は耳にしており、エステルがミルトスという名前のエステルとサヴェリオ国王の婚外子と言う事にする話は知っていた。
その話はエステル本人がディビッド達に説明する、と言っていたのとタイミング的に悪魔の捜索の件と被りその件を話すことがなかっただけである。
あの冷徹なサヴェリオ国王だがエステルに対し異様な執着心を抱いていた事を、マキシムはエステルと共にいた時にかなり強く感じていた。
なんとも勝ち誇った様な目でマキシムを見るサヴェリオのあの顔がこびりつく。
そして子供になってしまったエステルの件もサヴェリオ国王は知っていて、自らの子供として認知する理由はあくまでも両国の同盟関係...特にトラウゴッド教の国教化の絡みを続ける為の筈だった。
「まさか、サヴェリオ国王は無理矢理にでもエステル様を立太子にする気なんじゃ...いや、まさかな...」
マキシムは頭を振って頭に浮かんだ疑惑を誤魔化そうとする。
マキシム自身ウルム王家の血を引いてもいない子供のエステルことミルトスに流石にその権利は無い筈...と思い込んでいるからだ。
だが実際はエステルとサヴェリオ国王の間に誕生するであろう子供とエステルが混ざって復活したのが子供姿のエステルことミルトス...実質サヴェリオの子供でもあるのだ。
そしてそれはウルムで高名な賢者を何人もバーレに寄越して検査し確定した結果は真実でもある。
ただマキシムを含めディビッドは親子検査の結果はでっち上げだと思わされている。
気を読む事ができる故に真実を知っているジョナサンは2人を心配してあえて黙っているが、エステルに近い人物ほど親子鑑定はでっち上げだと思っているのだ。
それにまだまだバーレの復興に時間もかかるだろうし、エステル本人はバーレに残って静かに暮らす事を望んでおり、ウルムの王位継承権で戦う様な真似はしたくない本心があるため今回の公表自体はあまりよく思っていないのはエステルのあの慌てていた状況からよくわかる。
悪魔の件もあるが、バーレ復興、エステルの件も含めてマキシムは頭を悩ませる。
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