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chapter7:become a teacher
赤宿し その12
しおりを挟む「ジョナサンはエステルお姉様やマキシムさんと違ってディビッドが幼い時から知ってるんだものね」
「うん、教会と孤児院とレベルの高い教育を受けられる学校の施設が併設されてた場所でさ...で学力的に4、5才年上のクラスで勉強しなきゃならなかったんだけど、それこそ四つ五つ離れてれば体格も違ってくるしみんな大きくてめちゃくちゃ不安だったんだけど、そんな中あいつが最初に声をかけてくれたんだよ」
「そうなんだ...」
小さなジョナサンに声をかけてあげられるなんて、ディビッドはやっぱり優しいのね。
「ただ見た目がロストック系じゃない上あの顔...女の子にはモテてたけど、他の連中にはやっかみを受けたりもしてたんだよ...まぁあの性格だし結構負けず嫌いだしずる賢い所もあるから全員報復を受けたけど」
「なんだか想像できるわね」
「はは...だからあいつ自分の見た目にコンプレックス持ってたりするし、本当に心を開いた相手に対してどこか試す所があるから...大体それで人間関係拗れたりするんだよな...」
「ジョナサンはよくわかってるのね」
「うーん...ディビッドの育ての親である司祭ナサニエルがディビッドと喧嘩して口を聞かなくなった時期にそんな話をしててさ、良く言ってたんだよ『あの子はイタズラっ子だけど本当は寂しがりなんだよ』って」
「寂しがり屋?」
「うん、あいつ見た目もあって人に好かれやすいけど実際仲良くなるかどうか...って時に無茶苦茶な所を見せるんだよ...小さい時なんてとんでもないイタズラばっかやっててよくポッケに虫とかトカゲとか仕込まれたり、落とし穴作ってむかつく奴を落としたりしてさ」
「うわぁ」
虫とかトカゲがポケットにって想像するとでつい声が出る。
「でそれに付き合いきれない連中が離れていくんだよ、きっと思っていた人物とは違うって、僕にしてみればキラキラした優しい奴ってよりもイタズラ好きで無茶苦茶な目に合わされるイメージしかないんだけど、そこを理解しないんだよね」
見た目で判断されて、実際がっかりして離れるって実際されたら嫌な話だわ。
「それって見た目で判断してるだけでディビッドと向き合う事をしなかったって事じゃない?イタズラするディビッドにも非があるかもだけどそれは違うわ」
そう言うとジョナサンがニコッと笑う。
「...先生がディビッドの運命の相手で良かったよ」
「???」
ジョナサンの笑顔がなんだかホッとしたような、そんな印象を受ける。
そう言えば『無茶苦茶で人間関係が破綻してる』って良く言われてたけど、そう言う事なのかしら?
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