上 下
669 / 841
chapter7:become a teacher

赤宿し その8

しおりを挟む

「そう遠くはない未来...それこそサヴェリオ陛下が退位してから大変な事が起こるんだろう」

マキシムはエステルが見た未来を聞いている、大国ウルムが消える事やパーヴェルが王となるのではないが『支配者』となる預言、それは決して覆らない。

そしてその話は僅か一部の人々にしか知らされていない。

それこそ当事者ともなるサヴェリオどころかパーヴェルにすら話はしてはおらず、エステルとエアヴァルド王アーヴァインにヘルムート、マキシムやディビッド、ジョナサンといった上級異端審問官3人に同じエステルと同じ未来を見たバレンティナだけである。

「まぁそれもまた創造者にして忠節なるトラウゴッド神の意志でもあるのかもしれません...何せこの件ではパーヴェル君を保護する事許されているので」

「だな」

「まぁその話は兎も角、女の子達の噂の調査はしておくべきかもですね、何か悪魔絡みじゃないまずい話が出てきたらそれこそ憲兵どころかサヴェリオ陛下に直通でも良いかもなんで~」

ディビッドが軽くそう話す。

「お前さらっと怖い事言うなよ...直だとマジで首吹っ飛ぶだろ...サヴェリオ陛下ってガチでそう言うの許さないタイプだし、裁判すっ飛ばしてそのまま先生バレンティナのところのおっかない兄さんシルヴィオの手でイオーゼ海の魚の餌になる奴じゃん」

ジョナサンは青ざめながら話す、バレンティナが攫われた闇オークションの一件で捕まった実行犯グループの貴族連中の最後を幾つかを知っている為、それを思い出しながら背筋を凍らせる。


それこそ暴力装置シルヴィオの手によって文字通り実行犯達は全員恐ろしい拷問の末イオーゼ海の魚の餌と化したからだ。

しかも上位貴族の特権でもある臣民を守る為の行為となるから私刑であってもお咎めなしどころかサヴェリオ自身もその刑に関しては手を貸したらしい。

そんな暴力装置を国の中でも王家の次に偉い立場を渡しているくらいだ、まぁそんな彼に首輪を付けたサヴェリオも更に恐ろしい人物でもあるが。

「まぁティナに狼藉を働いた連中に対して当然の報いだと思いますけどねぇ、何せ預言者かつ私の花嫁なんですから」

「まぁそうかもだけど...うーん...」

何だかもやっとするものの、ジョナサンは頷くのだった。
───────────────────────
※ぶっちゃけSRPG系ゲームに例えるとサヴェリオ陛下やパーヴェル君は周囲一体敵味方関係無く攻撃するマップ兵器ユニット(しかもマップの属性を氷属性に変えて毎ターンがっつり攻撃するえげつなさ)人間兵器と呼ばれる所以はここ。
それに対してシルヴィオは術無効のバーサーカーで防御も高い打撃特化ユニット(しかも打撃系武器で人属性クリティカルヒット率100%)
戦争ではウルムの王族自体が勝つ事ができるが、1対1のタイマンで戦わせればウルムの王族よりも術無効でバールのようなものをもって一撃で人の頭をかち割る事が出来るシルヴィオに軍配が上がる(まぁそんな状態になってれば周囲の被害は甚大じゃないが)
ちなみにディビッド達はラスボス系ユニット悪魔にデカいダメージ与える用に育った特化型。
範囲攻撃が出来ない訳ではないけど、人同士の戦争にははっきり言って向かない。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。

すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。 そこで私は一人の男の人と出会う。 「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」 そんな言葉をかけてきた彼。 でも私には秘密があった。 「キミ・・・目が・・?」 「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」 ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。 「お願いだから俺を好きになって・・・。」 その言葉を聞いてお付き合いが始まる。 「やぁぁっ・・!」 「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」 激しくなっていく夜の生活。 私の身はもつの!? ※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 では、お楽しみください。

冷徹義兄の密やかな熱愛

橋本彩里(Ayari)
恋愛
十六歳の時に母が再婚しフローラは侯爵家の一員となったが、ある日、義兄のクリフォードと彼の親友の話を偶然聞いてしまう。 普段から冷徹な義兄に「いい加減我慢の限界だ」と視界に入れるのも疲れるほど嫌われていると知り、これ以上嫌われたくないと家を出ることを決意するのだが、それを知ったクリフォードの態度が急変し……。 ※王道ヒーローではありません

隠れドS上司をうっかり襲ったら、独占愛で縛られました

加地アヤメ
恋愛
商品企画部で働く三十歳の春陽は、周囲の怒涛の結婚ラッシュに財布と心を痛める日々。結婚相手どころか何年も恋人すらいない自分は、このまま一生独り身かも――と盛大に凹んでいたある日、酔った勢いでクールな上司・千木良を押し倒してしまった!? 幸か不幸か何も覚えていない春陽に、全てなかったことにしてくれた千木良。だけど、不意打ちのように甘やかしてくる彼の思わせぶりな言動に、どうしようもなく心と体が疼いてしまい……。「どうやら私は、かなり独占欲が強い、嫉妬深い男のようだよ」クールな隠れドS上司をうっかりその気にさせてしまったアラサー女子の、甘すぎる受難!

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

年上幼馴染の一途な執着愛

青花美来
恋愛
二股をかけられた挙句フラれた夕姫は、ある年の大晦日に兄の親友であり幼馴染の日向と再会した。 一途すぎるほどに一途な日向との、身体の関係から始まる溺愛ラブストーリー。

×一夜の過ち→◎毎晩大正解!

名乃坂
恋愛
一夜の過ちを犯した相手が不幸にもたまたまヤンデレストーカー男だったヒロインのお話です。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

王子妃教育に疲れたので幼馴染の王子との婚約解消をしました

さこの
恋愛
新年のパーティーで婚約破棄?の話が出る。 王子妃教育にも疲れてきていたので、婚約の解消を望むミレイユ 頑張っていても落第令嬢と呼ばれるのにも疲れた。 ゆるい設定です

処理中です...