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chapter7:become a teacher
私が教師だなんて! その1
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バーレから戻って数日したある日の事。
パパは式典以降私のバーレ行きの件もあってベルガモに戻らず王都のタウンハウスで生活しているのよね。
それにリンダウとの戦争もあるから暫くはこっちに居るようにってシルヴィオお兄様にも言われているみたい。
数日の間貯まっていたウルムの新聞を目にすると、バーレにいた間に逆賊として側妃グラフィーナの処刑が執行された件、リンダウに対する宣戦布告といったニュースばかりが載せられているのよね。
それにリンダウはイオーゼ海の海域にある国だから、必ずシルヴィオお兄様がその指揮を取る筈...そう、シルヴィオお兄様がパーヴェル君のお母様の国でもあるリンダウに手をかける事になる。
私を先生って呼んで慕ってくれるのに、パーヴェル君の親族やそのルーツとなる国に手をかけるのが私のお兄様なんてなんて皮肉なのかしら。
早い間にパーヴェル君をバーレへ連れて行ってエステルお姉様達の保護を受けれて良かったのかもしれない...でなければパーヴェル君が可哀想だもの。
そんな憂鬱な気持ちで抱えながら新聞を閉じる。
そうしているとドアからノック音、どうぞと声をかけるとピエトロが入ってくる。
「お嬢様、夕食の時間ですよ」
「もうそんな時間?」
ふと壁かけ時計を見ると確かに夕食の時間だわ。
「旦那様もお待ちですよ」
「わかったわ」
そう言ってピエトロと食堂へと向かう。
パパは先に待っており、いつもの様にニコニコとしているわ、いつも変わらず若い姿のパパ。
呪いが解けたからって一気に歳を取ったりしないのね。
「そうそうティナに話があるんだよ~」
とパパと一緒に食事をしている時に急に思い出したように話かけてくるわ。
「どうしたの?」
「僕の友人のレナート君...いやトリヤーニ子爵って知ってるよね、中等科の教師をやってる」
頭を過らせる、ああ、確かに居たわねぇ...パパを心配してよく顔を出してて特にシルヴィオお兄様の進学の件とかでいろいろお世話になったわね。
「そうね、その方がどうしたの?」
「うん、最近結婚して奥さんも先生をやっているんだけど、おめでたい事に奥さんが妊娠してね...」
「へぇ」
「その関係で先生をそのまま続けられなくなって、別な教師を国の機関に依頼してるんだけど赴任に時間がかかるそうなんだよ、でその間の臨時の教師を探しているんだって言うんだよね~」
「おめでたい事だけども教師を探すなんてそれはそれで大変ね」
「で、ティナ、ティナは確か6ヶ国語ペラペラに話せるし、術式系やら司法系とかの資格も沢山持ってるじゃない」
そうそう、いくら貴族でも簡単に貧乏になるんだからいざって時の為に資格は持ってて損は無いと思って学生時代に勉強して大量に資格を取ったわね。
「うん...」
「レナート君にその話をしたら是非ティナを臨時の教師としてお願いしたいって!」
「え!」
パパが無茶な事を言い出したわ!!!!
「お願い聞いてくれないかなぁ?二、三ヶ月の間だし」
「でも私教員の資格までは無いわよ???」
「短期だし、中等科あたりならティナが取得してる資格があれば大丈夫そうだよ~」
「えええ...」
「本当にレナート君困ってるし人助けだと思って...お願いだから...ね!」
うーんパパのお人好し全く治らないんだから...。
パパは式典以降私のバーレ行きの件もあってベルガモに戻らず王都のタウンハウスで生活しているのよね。
それにリンダウとの戦争もあるから暫くはこっちに居るようにってシルヴィオお兄様にも言われているみたい。
数日の間貯まっていたウルムの新聞を目にすると、バーレにいた間に逆賊として側妃グラフィーナの処刑が執行された件、リンダウに対する宣戦布告といったニュースばかりが載せられているのよね。
それにリンダウはイオーゼ海の海域にある国だから、必ずシルヴィオお兄様がその指揮を取る筈...そう、シルヴィオお兄様がパーヴェル君のお母様の国でもあるリンダウに手をかける事になる。
私を先生って呼んで慕ってくれるのに、パーヴェル君の親族やそのルーツとなる国に手をかけるのが私のお兄様なんてなんて皮肉なのかしら。
早い間にパーヴェル君をバーレへ連れて行ってエステルお姉様達の保護を受けれて良かったのかもしれない...でなければパーヴェル君が可哀想だもの。
そんな憂鬱な気持ちで抱えながら新聞を閉じる。
そうしているとドアからノック音、どうぞと声をかけるとピエトロが入ってくる。
「お嬢様、夕食の時間ですよ」
「もうそんな時間?」
ふと壁かけ時計を見ると確かに夕食の時間だわ。
「旦那様もお待ちですよ」
「わかったわ」
そう言ってピエトロと食堂へと向かう。
パパは先に待っており、いつもの様にニコニコとしているわ、いつも変わらず若い姿のパパ。
呪いが解けたからって一気に歳を取ったりしないのね。
「そうそうティナに話があるんだよ~」
とパパと一緒に食事をしている時に急に思い出したように話かけてくるわ。
「どうしたの?」
「僕の友人のレナート君...いやトリヤーニ子爵って知ってるよね、中等科の教師をやってる」
頭を過らせる、ああ、確かに居たわねぇ...パパを心配してよく顔を出してて特にシルヴィオお兄様の進学の件とかでいろいろお世話になったわね。
「そうね、その方がどうしたの?」
「うん、最近結婚して奥さんも先生をやっているんだけど、おめでたい事に奥さんが妊娠してね...」
「へぇ」
「その関係で先生をそのまま続けられなくなって、別な教師を国の機関に依頼してるんだけど赴任に時間がかかるそうなんだよ、でその間の臨時の教師を探しているんだって言うんだよね~」
「おめでたい事だけども教師を探すなんてそれはそれで大変ね」
「で、ティナ、ティナは確か6ヶ国語ペラペラに話せるし、術式系やら司法系とかの資格も沢山持ってるじゃない」
そうそう、いくら貴族でも簡単に貧乏になるんだからいざって時の為に資格は持ってて損は無いと思って学生時代に勉強して大量に資格を取ったわね。
「うん...」
「レナート君にその話をしたら是非ティナを臨時の教師としてお願いしたいって!」
「え!」
パパが無茶な事を言い出したわ!!!!
「お願い聞いてくれないかなぁ?二、三ヶ月の間だし」
「でも私教員の資格までは無いわよ???」
「短期だし、中等科あたりならティナが取得してる資格があれば大丈夫そうだよ~」
「えええ...」
「本当にレナート君困ってるし人助けだと思って...お願いだから...ね!」
うーんパパのお人好し全く治らないんだから...。
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