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chapter6:Be baptized
それぞれの帰路 その2
しおりを挟む「何か私にも支援のお手伝いできる事があればだけど...」
「ティナちゃんはニコニコして私たちにお茶を振る舞ってくれるだけで癒しになるから良いのよ~それに今ティナちゃんが表に出るのも私が姿を表すのと同じくらいまずいのもあるし...」
確かにエステルお姉様のふりをしてしまった件もあるから色々大混乱になりかねないのは確かなのよね。
「そうですよ~ティナが一緒にいれば仕事が捗りますから」
ディビッドはエステルお姉様と同じ速度で書類を捌いていくわ。
「それにウルムからの支援は約束して貰ったしもう数日でやって来るんじゃないかしらねぇ」
「え!いつのまに???」
「ふふふ」
エステルお姉様が不敵な笑みを浮かべるけれど、どんな手を使ったのかしら...
「まぁティナちゃんやディブ達はもう数日したらウルムに戻って貰うけれどね...」
「え???」
「ティナちゃんはまだウルムの高位貴族の一員だし、災害で騒然としているバーレにずっと置いておく訳にはいかないのもあるんだけど、それ以上に厄介なのがディブのせい」
「ええっ???」
「さっき届けられた新聞なんだけどこれ見なさい」
と新聞を渡され、一面の記事を見て目を丸くするディビッド。
「王都から送られてきた朝刊...ええっ!!!!」
新聞には地震の件以上に混乱の塔の崩壊の念写画が載せられているけど、そこで現れた天使の件が大々的に書かれていてその姿がどう見てもディビッドだとわかるんだけど!!!
基本念写画は見たものを正確に念じて厚手の紙に炎の術式で描かれるものだけれど、きっとあの状態ではっきり見る事なんて出来ないだろうから顔を思いつきで想像したものを念写したのね。
「そりゃあビックリするわよねぇ、それにしてもかなり手の込んだ念写画よねぇ...この顔見てディブを知ってる人ならこの天使がディブだって思われちゃうわよねぇ...」
エステルお姉様が念写されてる背に翼を生やしたディビッドの映っている新聞を見てため息を吐きながらそう話す。
「えええ...あの混乱の中だし暗かったし塔の高さもあるから私の顔なんてわからない筈なのに????」
ディビッドの顔が青ざめていくわ。
「きっとお前の顔がそれなりに有名だからかもなぁ、勝手にモデルにされたんだろ皮肉にも、ほらここに誰よりも美しい男性の顔立ちで~とか書かれてるし」
マキシムさんが新聞のその部分を指さしてそんな事を言ってる。
「まぁ教皇様や他の司祭達には口止めしてはいるけど、誰かがリークした可能性もあるのよね...貴方を新たな王...いいえ救世主にでも仕立て上げさせる為にかもね」
「そんな...バビロンは終末の日に滅ぶ為預言が与えられて奈落に縛られ落とされましたのでそれは絶対にありえません!私はあくまでも血を繋ぐ者の1人ですよ?なんで今...」
「それこそ預言者エステルの死にバーレの被災状況に乗じて貴方を担ぎあげて立場を上げたいような人がいるでしょう...ザイオン側の親族あたりが...」
エステルお姉様は眉間に皺を寄せてそう話すわ。
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