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chapter6:Be baptized
全員守ってあげるから! その1
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屋敷を出てから避難の為にと使用人の人たちに誘導されながらパーヴェル君と一緒に歩き続けるわ。
私の髪は目立つから髪色だけ前にジョナサンから貰った色の変わる髪留め用の紐で縛って茶色くして、一般の巡礼者の人に紛れながら避難する。
「何故このバーレで地震が...」
「地震なんて過去起こらなかったのに...」
「それに地震の影響で遺跡みたいなのが見えるけど不気味だわ」
とあちこちで不安な声が聞こえる。
確かに地震の後にあの不気味な塔が出てくればそう思うわよね。
「あれは教会が不正を行った証拠なのでは無いのか!!!」
と大声で避難を誘導している修道士の女の子に詰め寄る中年の男の人がいるわ、大人げ無いけどこんな状況ではそう思われても仕方ないのかも...でもあんな若い子に詰め寄るのは違うわ...避難の邪魔になるだろうし。
「あの人のせいじゃ無いのに...」
パーヴェル君がその光景を不安げに見つめる。
「辞めさせないと」
ついその子を助けようとかと思ったら使用人の人に止められる。
「バレンティナ様いけません...今は安全な場所へ移動する事が最優先です...それに彼女らはそんなに弱い者達ではないので」
「...でも」
気がかりだけどそう言われ、そのまま先へと進んでいこうとした時背後から雷が落ちたかのような大きな音が響きわたる。
「え???」
後ろを振り向くと塔から勢いよくこっちへ真っ黒い霧の固まりのようなものがやってくる...あれは悪霊だわ!
悪霊の固まりがまるで巨人のように大きくてよく見ると苦悶したさまざまな顔が見えるもの!
「結界が破られた???」
使用人の人達は焦り出す。
「うわぁぁ!!!」
「きゃーっ!」
沢山の人達がその情景を見てあまりの恐ろしさに叫びながら一斉に走り出す。
確かにあの量がやってくるのはまずいわ!なんとかしなきゃ!
そうしていると手に持つセプター オブ バーレが布越しで光っているのが分かる。
きっと助けになるのかもとその巻いている布を取払う。
セプター オブ バーレに嵌め込まれている赤から青へと色が変わる石の中にある星が光っているわ。
『さぁ神により君に与えられた力を発揮する時が来た!私がやってきたようにすれば大丈夫だから!』
とあの子の声が聞こえる...いいえ、あの子だけじゃ無い沢山の声が頭に響く。
一番大きく聞こえる声は創世の時代に現人神と巨人達を滅ぼす姿を見てきたルーエンの声。
その声に従い、聖句を述べる。
『神は言う』
洗礼式の時に流れ込んだ記憶が蘇る、大地が火で覆われる状況、そこに滅ぶべき邪悪な者が焼かれる姿。
『人々を惑わす邪悪な者よ』
自分達の欲の故に世界を混沌とさせた邪悪な存在は目の前で人を襲い掛かろうとしている。
『その身を焼き尽くす火と硫黄の海に投げ込まれよ!』
火と硫黄の海の一節を読み上げると空から無数の炎に包まれた硫黄の球が悪霊達に降り注ぎ、悪霊達のいる一帯が火と硫黄の海となって焼き尽くされるわ!
悪霊達は身を焼かれて断末魔が響く。
私の髪は目立つから髪色だけ前にジョナサンから貰った色の変わる髪留め用の紐で縛って茶色くして、一般の巡礼者の人に紛れながら避難する。
「何故このバーレで地震が...」
「地震なんて過去起こらなかったのに...」
「それに地震の影響で遺跡みたいなのが見えるけど不気味だわ」
とあちこちで不安な声が聞こえる。
確かに地震の後にあの不気味な塔が出てくればそう思うわよね。
「あれは教会が不正を行った証拠なのでは無いのか!!!」
と大声で避難を誘導している修道士の女の子に詰め寄る中年の男の人がいるわ、大人げ無いけどこんな状況ではそう思われても仕方ないのかも...でもあんな若い子に詰め寄るのは違うわ...避難の邪魔になるだろうし。
「あの人のせいじゃ無いのに...」
パーヴェル君がその光景を不安げに見つめる。
「辞めさせないと」
ついその子を助けようとかと思ったら使用人の人に止められる。
「バレンティナ様いけません...今は安全な場所へ移動する事が最優先です...それに彼女らはそんなに弱い者達ではないので」
「...でも」
気がかりだけどそう言われ、そのまま先へと進んでいこうとした時背後から雷が落ちたかのような大きな音が響きわたる。
「え???」
後ろを振り向くと塔から勢いよくこっちへ真っ黒い霧の固まりのようなものがやってくる...あれは悪霊だわ!
悪霊の固まりがまるで巨人のように大きくてよく見ると苦悶したさまざまな顔が見えるもの!
「結界が破られた???」
使用人の人達は焦り出す。
「うわぁぁ!!!」
「きゃーっ!」
沢山の人達がその情景を見てあまりの恐ろしさに叫びながら一斉に走り出す。
確かにあの量がやってくるのはまずいわ!なんとかしなきゃ!
そうしていると手に持つセプター オブ バーレが布越しで光っているのが分かる。
きっと助けになるのかもとその巻いている布を取払う。
セプター オブ バーレに嵌め込まれている赤から青へと色が変わる石の中にある星が光っているわ。
『さぁ神により君に与えられた力を発揮する時が来た!私がやってきたようにすれば大丈夫だから!』
とあの子の声が聞こえる...いいえ、あの子だけじゃ無い沢山の声が頭に響く。
一番大きく聞こえる声は創世の時代に現人神と巨人達を滅ぼす姿を見てきたルーエンの声。
その声に従い、聖句を述べる。
『神は言う』
洗礼式の時に流れ込んだ記憶が蘇る、大地が火で覆われる状況、そこに滅ぶべき邪悪な者が焼かれる姿。
『人々を惑わす邪悪な者よ』
自分達の欲の故に世界を混沌とさせた邪悪な存在は目の前で人を襲い掛かろうとしている。
『その身を焼き尽くす火と硫黄の海に投げ込まれよ!』
火と硫黄の海の一節を読み上げると空から無数の炎に包まれた硫黄の球が悪霊達に降り注ぎ、悪霊達のいる一帯が火と硫黄の海となって焼き尽くされるわ!
悪霊達は身を焼かれて断末魔が響く。
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