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chapter6:Be baptized
混乱の塔 その10
しおりを挟むそれにマキシムもまた幼いうちから母である正妃と離れるのが嫌がっていた...エステルと出会うまでは。
当時第二王子としてのマキシムの立場もあってヘルムートの屋敷で生活する事になった時に、初めてエステルと出会った。
初恋だった、一目見た時から幼いながらも心を奪われた年上の少女エステルに。
当時15歳で輝くような美少女であったのもだが、マキシムが寂しくならない様にと気にかけて寄り添い続けてくれる優しい娘でもあったエステル。
その頃にはエステルは預言者としての立場を確立しており、後々ザイオンの家の当主として立たねばならない為、いつまでも共に暮らす事は出来なかった。
それでもマキシムはエステルと共に居たい、と思うが自身には信仰心が欠けている事を自覚しており、司祭になる事は難しいと思っていた...そう、忠誠を保つ対象が神では無くてエステル本人という時点でだ。
そんな時にサミュエルがアドバイスをくれた。
『王子サマの能力じゃあ司祭になるより神殿騎士になってそこで一番強くなれば異端審問官への道が開かれるっすよ...異端審問官はある意味預言者エステル様の為のものだし神殿騎士は信仰をそこまで見られる事は無いっすからね』
エステルにずっと寄り添っているザイオンの家の使用人の1人だが、変装や隠密行動を取れる特殊能力を買われてハイラントに続く1人としてエステルを守る立場として異端審問官の座にすでに得ていたサミュエル。
エステルとサミュエルは長い付き合いもあってか割り込めない関係で、表面上はそれなりにやってはきたが常に羨ましくもあり嫉妬の対象でもあった。
そんな気持ちをサミュエルに見透かされて、敵に塩でも送るようなアドバイスを受け、悔しい気持ちもあったが的確だと判断しマキシムは剣を取る。
神殿騎士への道に進みその中でメキメキと頭角を表して15歳になった頃に転機が訪れる。
エステルの弟であるディビッドが見つかって、何の便りもないままエステルがロストックから連れ帰ってきたのだ。
髪や瞳の色は違えど、あまりによく似た顔立ちの12歳の少年で教会併設の孤児院にいた為か体つきが細くて小さいしなんだか女の子みたいだな、という印象をマキシムは最初に見た時そう思った。
『この子はずっと孤児院での生活をしてきたから色々知らない事も多いの...だから頼りになる友人が必要なの、マキシム...ディブ...ディビッドの事を頼めるかしら?』
比較的年齢が近く、王族として教養やマナーなどをしっかり身につけてもいたのもあってエステルはマキシムに白羽の矢を立て、ディビッドの友人件教育係を任せたのだ。
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