598 / 841
chapter6:Be baptized
混乱の塔 その3
しおりを挟む
ー
※説明会、創世神話の一部
ー
その昔、創造者にして忠節なる神の下にいた天使のいくばくかは人に対して邪な目を持ち、それを叶える為に堕天した。
堕天した者達は人と同じ肉を身につける為、先に受肉し地に降りたカ・ディミラが人の男を交わり、カ・ディミラの胎を使って肉を得る。
堕天した者達は現人神として人々に崇め讃えられ栄華を極めた。
現人神達は美しい人の娘や少年達を次々と娶って子を成すが、子供らは恐ろしい力を持つ巨人となり、地に満ちて人と数が変わらない程となり暴力と淫行が支配する様になる。
その事に創造者にして忠節なる神は憤りを抱き、地を一度拭い去ろうと決意する。
『邪悪な者よ!その身を焼き尽くす火と硫黄の海に投げ込まれよ!』
神に忠節を誓ったルーエンとその家族とつがいの動物達を創造者にして忠節なる神は高い山へ逃して、全ての大地を火と硫黄の海をもって焼き払うと、現人神を崇拝していた人やその子供である巨人は滅ぶ。
現人神であった堕天は肉体を捨て天に戻ろうとするが、神は彼らに呪いの言葉を投げかける。
『私に反逆する者には呪いを!私の名を呼び求める事...いや発音する事も出来ず、天へ帰る事も許しはしない!滅びの時が来るまで地で慄くが良い!』
そうやって堕天した者達は姿を変え、翡翠の書き板に心臓を宿して地に眠る事を選ぶ。
その時、神はルーエンに宣言する。
『ルーエンのその家族よ、私は宣言する。全地を燃やし尽くす滅びを後世には行う事はない』
天からの声で空から雨が降り注がれて、炎が徐々に消えてゆく。
『燃え尽きた地に雨を降らせ、大地に息吹を吹き込み回復し、草が生え木々は生い茂る豊かな大地となるであろう、そして人々もまた増え広がる』
雨が止むと、焼けこげた大地から草木が生じ始め、天には虹がかかる。
『しかし堕落した邪悪なる者が目覚める時は必ず訪れる、その邪悪なる者に従う者もまた現れるがその時私に信仰を働かせる者は守られよう』
そしてルーエンとその家族には祝福が渡される、子孫の繁栄を。
そうやってルーエンとその家族はその数を増やし、人々が地に増え広がり世代が変わり、大地が火と硫黄の海で焼き尽くされた記憶が薄れつつある時だった。
時が来たと言わんばかりに現人神と呼ばれる者達が復活し、再度力を持って現れたのだ。
『さぁここに塔と街を建てよう、民よ妾と妾の子らの名を知らしめる為に、天に届く程の高き塔を建てよ!』
その中でも力を持ったカ・ディミラは復活したと同時にそう宣言し、自らとその子らを神として崇拝される為に天高く届きそうな程の塔を建てる事にする。
カ・ディミラの為に人々は煉瓦を焼き、アスファルトを用いて巨大な塔と大きな街を建てさせると、人々はカ・ディミラとその子供達を崇拝し始める。
塔が完成しようとしていた時、創造者にして忠節なる神は挑戦する悪魔に対して怒りを沸き起こす。
『私に挑戦する愚かな淫婦よ!お前に私自ら裁きを与える!奈落の底で縛られるが良い』
創造者にして忠節なる神は塔に裁きの雷を落とし、壮大な塔に直撃するとあっという間に粉々に砕き地面を割ってカ・ディミラごと埋め立てる。
『私は人が地に増え広がる事を望むが、一つの言語故にこの様に私以外を崇拝する為に集まるのであれば言葉を乱そう、人が互いに言葉が理解出来なくなるように』
そうして神の裁きによって人々の言葉は乱され、人々は全地に散らされる事になる。
そうして崩壊した塔を『混乱の塔』と呼ぶようになった、人々の言葉を乱した原因である為に。
そしてカ・デミィラは長きに渡り地下でずっと力を取り戻す為に息を潜め、再度栄光をこの手につかむ為に聖なるものの血と肉がやって来る事を狙い続けた。
...そう、カ・デミィラ自身は封印されていた訳ではなく、力の削ぎ落とされ深い場所へ投げ入れられそこで留め置かれたただけなのだ。
そして今回は最高の贄を得た、カ・デミィラのいる場所まで難なく来れる程の神聖力を持った神の愛し子とも言える預言者エステルの血と肉を得て復活を果たせたのだ。
そして今、そのエステルの姿を模したカ・デミィラは笑う、再び地上での栄華を夢見て。
※説明会、創世神話の一部
ー
その昔、創造者にして忠節なる神の下にいた天使のいくばくかは人に対して邪な目を持ち、それを叶える為に堕天した。
堕天した者達は人と同じ肉を身につける為、先に受肉し地に降りたカ・ディミラが人の男を交わり、カ・ディミラの胎を使って肉を得る。
堕天した者達は現人神として人々に崇め讃えられ栄華を極めた。
現人神達は美しい人の娘や少年達を次々と娶って子を成すが、子供らは恐ろしい力を持つ巨人となり、地に満ちて人と数が変わらない程となり暴力と淫行が支配する様になる。
その事に創造者にして忠節なる神は憤りを抱き、地を一度拭い去ろうと決意する。
『邪悪な者よ!その身を焼き尽くす火と硫黄の海に投げ込まれよ!』
神に忠節を誓ったルーエンとその家族とつがいの動物達を創造者にして忠節なる神は高い山へ逃して、全ての大地を火と硫黄の海をもって焼き払うと、現人神を崇拝していた人やその子供である巨人は滅ぶ。
現人神であった堕天は肉体を捨て天に戻ろうとするが、神は彼らに呪いの言葉を投げかける。
『私に反逆する者には呪いを!私の名を呼び求める事...いや発音する事も出来ず、天へ帰る事も許しはしない!滅びの時が来るまで地で慄くが良い!』
そうやって堕天した者達は姿を変え、翡翠の書き板に心臓を宿して地に眠る事を選ぶ。
その時、神はルーエンに宣言する。
『ルーエンのその家族よ、私は宣言する。全地を燃やし尽くす滅びを後世には行う事はない』
天からの声で空から雨が降り注がれて、炎が徐々に消えてゆく。
『燃え尽きた地に雨を降らせ、大地に息吹を吹き込み回復し、草が生え木々は生い茂る豊かな大地となるであろう、そして人々もまた増え広がる』
雨が止むと、焼けこげた大地から草木が生じ始め、天には虹がかかる。
『しかし堕落した邪悪なる者が目覚める時は必ず訪れる、その邪悪なる者に従う者もまた現れるがその時私に信仰を働かせる者は守られよう』
そしてルーエンとその家族には祝福が渡される、子孫の繁栄を。
そうやってルーエンとその家族はその数を増やし、人々が地に増え広がり世代が変わり、大地が火と硫黄の海で焼き尽くされた記憶が薄れつつある時だった。
時が来たと言わんばかりに現人神と呼ばれる者達が復活し、再度力を持って現れたのだ。
『さぁここに塔と街を建てよう、民よ妾と妾の子らの名を知らしめる為に、天に届く程の高き塔を建てよ!』
その中でも力を持ったカ・ディミラは復活したと同時にそう宣言し、自らとその子らを神として崇拝される為に天高く届きそうな程の塔を建てる事にする。
カ・ディミラの為に人々は煉瓦を焼き、アスファルトを用いて巨大な塔と大きな街を建てさせると、人々はカ・ディミラとその子供達を崇拝し始める。
塔が完成しようとしていた時、創造者にして忠節なる神は挑戦する悪魔に対して怒りを沸き起こす。
『私に挑戦する愚かな淫婦よ!お前に私自ら裁きを与える!奈落の底で縛られるが良い』
創造者にして忠節なる神は塔に裁きの雷を落とし、壮大な塔に直撃するとあっという間に粉々に砕き地面を割ってカ・ディミラごと埋め立てる。
『私は人が地に増え広がる事を望むが、一つの言語故にこの様に私以外を崇拝する為に集まるのであれば言葉を乱そう、人が互いに言葉が理解出来なくなるように』
そうして神の裁きによって人々の言葉は乱され、人々は全地に散らされる事になる。
そうして崩壊した塔を『混乱の塔』と呼ぶようになった、人々の言葉を乱した原因である為に。
そしてカ・デミィラは長きに渡り地下でずっと力を取り戻す為に息を潜め、再度栄光をこの手につかむ為に聖なるものの血と肉がやって来る事を狙い続けた。
...そう、カ・デミィラ自身は封印されていた訳ではなく、力の削ぎ落とされ深い場所へ投げ入れられそこで留め置かれたただけなのだ。
そして今回は最高の贄を得た、カ・デミィラのいる場所まで難なく来れる程の神聖力を持った神の愛し子とも言える預言者エステルの血と肉を得て復活を果たせたのだ。
そして今、そのエステルの姿を模したカ・デミィラは笑う、再び地上での栄華を夢見て。
0
お気に入りに追加
346
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


【R18】仲のいいバイト仲間だと思ってたら、いきなり襲われちゃいました!
奏音 美都
恋愛
ファミレスのバイト仲間の豪。
ノリがよくて、いい友達だと思ってたんだけど……いきなり、襲われちゃった。
ダメだって思うのに、なんで拒否れないのー!!

淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。

ヤンデレ義父に執着されている娘の話
アオ
恋愛
美少女に転生した主人公が義父に執着、溺愛されつつ執着させていることに気が付かない話。
色々拗らせてます。
前世の2人という話はメリバ。
バッドエンド苦手な方は閲覧注意です。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

軽い気持ちで超絶美少年(ヤンデレ)に告白したら
夕立悠理
恋愛
容姿平凡、頭脳平凡、なリノアにはひとつだけ、普通とちがうところがある。
それは極度の面食いということ。
そんなリノアは冷徹と名高い公爵子息(イケメン)に嫁ぐことに。
「初夜放置? ぜーんぜん、問題ないわ!
だって旦那さまってば顔がいいもの!!!」
朝食をたまに一緒にとるだけで、満足だ。寝室別でも、他の女の香水の香りがしてもぜーんぜん平気。……なーんて、思っていたら、旦那さまの様子がおかしい?
「他の誰でもない君が! 僕がいいっていったんだ。……そうでしょ?」
あれ、旦那さまってば、どうして手錠をお持ちなのでしょうか?
それをわたしにつける??
じょ、冗談ですよね──!?!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる