銭ゲバ令嬢なまぐさ司祭に溺愛される【R18】

只野ぱんだ

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chapter6:Be baptized

地下墓地 その2

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確かに王族として家庭教師と学んでいた下地があったとしてもエアヴァルド語も日常会話なら全然問題ないし、むしろこの年齢でここまでできるなんて流石ウルム王家の血筋と言うべきなのかしら。

だから最近はベルさんから学んだ聖典の部分でパーヴェル君が理解しづらそうな内容を織り交ぜた勉強をしているのよね。

それにしてもパーヴェル君は勤勉よね。

「パーヴェル君は偉いわねぇ」

とつい感心して口に出てしまう。

「そうですか?」

「とても勤勉意欲が高いし、何でも吸収していくもの」

「僕は異端審問官になる為の目標がありますし、何よりもエステル様ともっとエアヴァルド語でお話がしたいんです」

と照れながらパーヴェル君がそう話すわ。

「パーヴェル君はエステルお姉様が本当に好きなのね」

「はい、優しいですし...それに僕にとってはお母様なので」

パーヴェル君とエステルお姉様はまだ会ってそんなに日も経ってもいないのに、そこまでの気持ちになれるなんて、やっぱりお姉様はそれこそ慈愛に満ちた聖女よね。

そう思いながらパーヴェル君の顔を見ると一瞬何かが

「え...」

周囲が黒いモヤの中、パーヴェル君が泣いている。

パーヴェル君の前には金や宝石に彩られた紫色の薄布で胸元が大きく広げられた娼婦のような衣装を纏っており悍ましい姿の女は立ち、今にも手をかけそうな程だわ。

パーヴェル君はその女の顔を見ながら叫んでいるけど、何を言っているのかわからない...でも必死になって声を上げてる姿に胸が締め付けられる。

女の顔を見ようと思っても何か黒いモヤのようなもので隠されていてよく見えない...ただ恐ろしい存在である事だけはわかる。

「これって...」

「先生?」

パーヴェル君の言葉にハッと我にかえる...身体中冷や汗をかいてとても気持ち悪い...

「...ごめんなさい、ちょっと体調が優れないみたい...」

さっき見えた光景をパーヴェル君には話せない...でも何かあるのかもしれない。

エステルお姉様に相談した方がいいかもしれない、でもこれから地下墓地へ向かうと言う前なのに、とても胸騒ぎがしてならないわ...

「ごめんね、今日はこれで終わりにしても良いかしら...」

「はい...先生、ゆっくり休んでください...」

とても心配そうな顔をしてくれるパーヴェル君。

お姉様に連絡をした方がいいかもだわ。

部屋の端っこにいつもいる使用人の1人に声をかけて、エステルお姉様に少し時間を空けてもらえるように声をかけると、「承知しました」と言って消えていったわ...

それにしてもディビッドの所の使用人の人たちって普通じゃないけど一体何者なのかしら...謎だわ。

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