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chapter6:Be baptized
お酒はこりごりだわ! その1
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ヘルムートの屋敷内、不貞腐れ気味なディビッドにその理由を何となく察するマキシム、呆れ顔なちびっ子バージョンのジョナサンと眠そうにあくびをかくサミュエルの4人がテーブルに着いていた。
テーブルの上に置いてある封印式の記載した紙や地図などの資料を一枚手に取り、眉を顰めるマキシム。
「地下墓地に結構深い位置で、他の封印式と被らない場所と言ってもなぁ...」
数百年の間に悪魔の封印式を地下墓地と呼ばれる場所に幾つも封印している為、場所の検討が必要なのだ。
地下墓地はその昔、旧バーレが神罰により滅びた際に死んでいった王族やその国の民が眠っているとされる場所で、現時点で地下70階あるとされる巨大ダンジョンである。
深く潜る程強力なアンデッドが闊歩しており、時折地上に影響を及ぼす事もある為に浄化と言う名のアンデッド討伐を行なっているのだ。
そして上位の司祭や神殿騎士、異端審問官の修行の場として用いられる場所でもある。
因みにディビッド達上級異端審問官は全員この地下墓地でエステル直々に修行を受けており、尋常では無い力を身につけたと言っても過言では無い。
そして現時点での悩み所が『どの場所に封印式を安置させるか』である。
そうそう簡単に攻略できる場所では、禁呪の書き板を狙っての盗掘に狙われる為、大概の悪魔を封じる封印式は地下50階より下に安置しているのだが、一部屋に付き1体づつ封印し現時点で16体安置している為にもう部屋が少なくなっている為だ。
それに安置させる為にも労力が必要であり、一旦安置を前提とする階層を浄化させ一定時間アンデッドが生じない様にした上で丸一日かけて封印式を構築させるのだが、浄化が甘いと途中で高レベルのアンデッドが湧き出て再度戦わなければならないし、そうなれば最初から構築のやり直しをする羽目になる。
そして今後、もし同じ階層内で2体以上封印した悪魔達が解放された時に同時にそれらと戦わなければならなくなった場合のリスクを考えると出来れば階層ごとに1体のみ安置しておきたい所である。
「今回は70階のカ・ディミラの封印も確認しておきたいのでいっそ69階に封印しません?潜った先の階層をきっちり浄化しておけば休憩にも使えるでしょうし、戻る時も楽でしょ?」
「確かになぁ、オセの封印をした後戻るにも少し休みたいしなぁ」
とジョナサンが口にする、それこそ封印式の構築の助手をするからだ。
一応毎回地下へ続く道を毎回歩きながらだときつい為に60階までは10階毎に止まる昇降機を探索に当たった昔の司祭や錬金術師が設置しているので、登り降り自体はそんなに苦では無い、しかし60階以降の出没するアンデッド達がやたらと強力なのだ。
その為にこの4人だけでなく何人かの異端審問官クラスの司祭や神殿騎士も共に地下へ潜る事になる。
「じゃあそうするか、あとは一緒に向かうメンバーを決めて準備をしないとなぁ」
「そうっすね」
「俺とサミュエルはその辺を担うからお前らは封印式の件の打ち合わせしておけよ」
とマキシムとサミュエルは席から立ち、部屋を出る。
テーブルの上に置いてある封印式の記載した紙や地図などの資料を一枚手に取り、眉を顰めるマキシム。
「地下墓地に結構深い位置で、他の封印式と被らない場所と言ってもなぁ...」
数百年の間に悪魔の封印式を地下墓地と呼ばれる場所に幾つも封印している為、場所の検討が必要なのだ。
地下墓地はその昔、旧バーレが神罰により滅びた際に死んでいった王族やその国の民が眠っているとされる場所で、現時点で地下70階あるとされる巨大ダンジョンである。
深く潜る程強力なアンデッドが闊歩しており、時折地上に影響を及ぼす事もある為に浄化と言う名のアンデッド討伐を行なっているのだ。
そして上位の司祭や神殿騎士、異端審問官の修行の場として用いられる場所でもある。
因みにディビッド達上級異端審問官は全員この地下墓地でエステル直々に修行を受けており、尋常では無い力を身につけたと言っても過言では無い。
そして現時点での悩み所が『どの場所に封印式を安置させるか』である。
そうそう簡単に攻略できる場所では、禁呪の書き板を狙っての盗掘に狙われる為、大概の悪魔を封じる封印式は地下50階より下に安置しているのだが、一部屋に付き1体づつ封印し現時点で16体安置している為にもう部屋が少なくなっている為だ。
それに安置させる為にも労力が必要であり、一旦安置を前提とする階層を浄化させ一定時間アンデッドが生じない様にした上で丸一日かけて封印式を構築させるのだが、浄化が甘いと途中で高レベルのアンデッドが湧き出て再度戦わなければならないし、そうなれば最初から構築のやり直しをする羽目になる。
そして今後、もし同じ階層内で2体以上封印した悪魔達が解放された時に同時にそれらと戦わなければならなくなった場合のリスクを考えると出来れば階層ごとに1体のみ安置しておきたい所である。
「今回は70階のカ・ディミラの封印も確認しておきたいのでいっそ69階に封印しません?潜った先の階層をきっちり浄化しておけば休憩にも使えるでしょうし、戻る時も楽でしょ?」
「確かになぁ、オセの封印をした後戻るにも少し休みたいしなぁ」
とジョナサンが口にする、それこそ封印式の構築の助手をするからだ。
一応毎回地下へ続く道を毎回歩きながらだときつい為に60階までは10階毎に止まる昇降機を探索に当たった昔の司祭や錬金術師が設置しているので、登り降り自体はそんなに苦では無い、しかし60階以降の出没するアンデッド達がやたらと強力なのだ。
その為にこの4人だけでなく何人かの異端審問官クラスの司祭や神殿騎士も共に地下へ潜る事になる。
「じゃあそうするか、あとは一緒に向かうメンバーを決めて準備をしないとなぁ」
「そうっすね」
「俺とサミュエルはその辺を担うからお前らは封印式の件の打ち合わせしておけよ」
とマキシムとサミュエルは席から立ち、部屋を出る。
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