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chapter6:Be baptized
今日はおめでたい日だからね! その4
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「私ももっと貴女と話をしたいわ、貴女の家族の話とかそれこそ貴女の旦那さんの話とか」
その辺色々聞きたい事もいっぱいだもの、確か子供が5人産んでる話らしいしきっと仲良しなのよね。
『ええっ...その辺???』
何だか珍しく顔を赤くして狼狽えてるわねぇ。
「私の事情はよく分かってるのにずるいもの」
『うーん...自分の恋バナなんて悩ましいなぁ、まぁその内のマキシの居ないところでね、じゃあね!あとちゃんと素直に『白の射手』と話をするようにね!』
「え???何???」
と言って手を振る姿を見た瞬間目が覚める。
ー
「...肝心の所ききそびれたわ...」
もう朝なのか部屋の中が明るくなってる...誰かがベッドまで運んでくれたみたいね、それにしてもこの部屋はエステルお姉様の部屋でもなさそうだけど。
身を起こして周囲を見回す、何だか雰囲気がフィオーレビアンコのディビッドの部屋に似てる気が...ってよく見たら私のお腹に抱きつく様にしながらディビッドが眠ってるわ!
でも普通に服を着てる状態だし何もしてないみたいね...
「...ティナ...起きたんですか?」
眠そうに目を擦りながらディビッドが起き上がるわ。
「一体これって」
「別の客室のベッドに...と思って運んでた最中にティナが抱きついて離れなくなったので仕方なくですよ~」
と笑顔でそんな事を言い出したわ!
『話す時間取れる様にしておいたからね』
と頭の片隅から女の子の声が、あの子の仕業ね、もう!
何だかベッドの上で2人で向かい合う。
「夢であの子と話をしたわ、それに抱きついて離れなかったのはあの子のせいみたい」
「...ああ、あの方ですか、叔父上の話の最中だったし全く起きる気配が無いからきっとそうだと思ったんですよね」
「分かるの?」
「そうで無い時は真夜中に大概気がついてくれるじゃないですか」
「う...確かに...」
あの夢を見る時ってまず目が覚めないし、何かあれば寝ていても気がつくもの。
「まぁまだ時間があるんで...」
「だーめ!」
「痛っ!そんなぁ~」
伸ばされるディビッドの手をペチン!と叩くと何だか残念ともいう顔をするわ。
「時間が無いもの、それに今は貴方とじっくり話をしたいわ」
「話?」
「洗礼を受けたからって...そしてあの子が私に旅をすれば良いって話をしてたのよ」
「え...」
ディビッドの表情を変えるわ。
「それこそ帝国からテルニを含めてって」
「そんな距離を???一体何年かけてするつもりなんですか!」
ディビッドは驚いた顔をして私の両手を握るわ。
「そうよねぇ、何年かかるか分からないけど、各地を見回る事って憧れなのよね...私身体が弱かったしお金もなかったから1番遠くてお祖母様に連れられて行ったフラウエン教会のあるロストックまでだったもの」
「旅をしたいって...そうなんですか?」
「そうよ、だって異文化に触れる事って楽しいわよそれに勿論貴方も一緒よ?」
「!」
「何驚いた顔をしてるのよ...それに1人でって言っても勝手に付いてくるでしょ?」
「そう...ですね」
「それこそ『見えた』のよ、貴方と一緒に各地を旅する姿が」
「そう...ですか...」
「どうしたのよ?」
「いえ...もしかして本当にティナが1人でって思ったら居ても立っても居られなくて...」
さっきから悲しそうな顔をずっと見せるディビッド。
「そんな訳ないわ、もしかしてあの時の大嫌いって言ったこと気にしてる?」
「...気にしてないです...って言ったら嘘になりますが、でもあんな目に合わせてしまったしティナを傷つけた事には間違いなかったですし、私に落ち度があったのには間違い無いので」
「ううん...私もカッとしちゃったのもあるもの」
「ティナは優しいですね」
「まだそんな顔して...まだ何かあるの?」
何か引っ掛かる事でもあるのかしら?
その辺色々聞きたい事もいっぱいだもの、確か子供が5人産んでる話らしいしきっと仲良しなのよね。
『ええっ...その辺???』
何だか珍しく顔を赤くして狼狽えてるわねぇ。
「私の事情はよく分かってるのにずるいもの」
『うーん...自分の恋バナなんて悩ましいなぁ、まぁその内のマキシの居ないところでね、じゃあね!あとちゃんと素直に『白の射手』と話をするようにね!』
「え???何???」
と言って手を振る姿を見た瞬間目が覚める。
ー
「...肝心の所ききそびれたわ...」
もう朝なのか部屋の中が明るくなってる...誰かがベッドまで運んでくれたみたいね、それにしてもこの部屋はエステルお姉様の部屋でもなさそうだけど。
身を起こして周囲を見回す、何だか雰囲気がフィオーレビアンコのディビッドの部屋に似てる気が...ってよく見たら私のお腹に抱きつく様にしながらディビッドが眠ってるわ!
でも普通に服を着てる状態だし何もしてないみたいね...
「...ティナ...起きたんですか?」
眠そうに目を擦りながらディビッドが起き上がるわ。
「一体これって」
「別の客室のベッドに...と思って運んでた最中にティナが抱きついて離れなくなったので仕方なくですよ~」
と笑顔でそんな事を言い出したわ!
『話す時間取れる様にしておいたからね』
と頭の片隅から女の子の声が、あの子の仕業ね、もう!
何だかベッドの上で2人で向かい合う。
「夢であの子と話をしたわ、それに抱きついて離れなかったのはあの子のせいみたい」
「...ああ、あの方ですか、叔父上の話の最中だったし全く起きる気配が無いからきっとそうだと思ったんですよね」
「分かるの?」
「そうで無い時は真夜中に大概気がついてくれるじゃないですか」
「う...確かに...」
あの夢を見る時ってまず目が覚めないし、何かあれば寝ていても気がつくもの。
「まぁまだ時間があるんで...」
「だーめ!」
「痛っ!そんなぁ~」
伸ばされるディビッドの手をペチン!と叩くと何だか残念ともいう顔をするわ。
「時間が無いもの、それに今は貴方とじっくり話をしたいわ」
「話?」
「洗礼を受けたからって...そしてあの子が私に旅をすれば良いって話をしてたのよ」
「え...」
ディビッドの表情を変えるわ。
「それこそ帝国からテルニを含めてって」
「そんな距離を???一体何年かけてするつもりなんですか!」
ディビッドは驚いた顔をして私の両手を握るわ。
「そうよねぇ、何年かかるか分からないけど、各地を見回る事って憧れなのよね...私身体が弱かったしお金もなかったから1番遠くてお祖母様に連れられて行ったフラウエン教会のあるロストックまでだったもの」
「旅をしたいって...そうなんですか?」
「そうよ、だって異文化に触れる事って楽しいわよそれに勿論貴方も一緒よ?」
「!」
「何驚いた顔をしてるのよ...それに1人でって言っても勝手に付いてくるでしょ?」
「そう...ですね」
「それこそ『見えた』のよ、貴方と一緒に各地を旅する姿が」
「そう...ですか...」
「どうしたのよ?」
「いえ...もしかして本当にティナが1人でって思ったら居ても立っても居られなくて...」
さっきから悲しそうな顔をずっと見せるディビッド。
「そんな訳ないわ、もしかしてあの時の大嫌いって言ったこと気にしてる?」
「...気にしてないです...って言ったら嘘になりますが、でもあんな目に合わせてしまったしティナを傷つけた事には間違いなかったですし、私に落ち度があったのには間違い無いので」
「ううん...私もカッとしちゃったのもあるもの」
「ティナは優しいですね」
「まだそんな顔して...まだ何かあるの?」
何か引っ掛かる事でもあるのかしら?
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