銭ゲバ令嬢なまぐさ司祭に溺愛される【R18】

chapter6:Be baptized

洗礼式 その2

「修道士見習いの子達に聞いた噂とかくらいなら...親族なんですよね？」

「そう、お父様が亡くなった直後にザイオンの家を乗っ取るつもりだった男...その男を受け入れたなら碌な事にならない事が見・え・た・から即ヘルムートのおじ様に保護してもらう様に頼ったのよ」

「え？」

「当主も居なくなり、年若い少女一人ならそこにつけ込もうとする親族の大人なんて沢山出てくるものよ、しかも気持ち悪い事にその時点で私と結婚しようと画策してたのよ？その当時10才の私に対して15も年上の男がよ？？？」

「うわぁ...」

すごく嫌な顔をしながら話すエステルお姉様の話しに幼児趣味ロリコンという言葉が頭を過る...気持ち悪いわね...

「まぁバーレ領主のおじ様と直近の親族関係にあったし、何よりおじ様は善良の塊で子供好きでしょ？だからその事を言ったら直ぐに動いてくれたわ...まぁおじ様の敵も増えてしまったけど」

「敵って...」

「まぁぶっちゃけザイオン側の親族です...バーレの『真の王』たるザイオンの家は表向きはバーレ領主のマハナイムの家の分家みたいな位置付けですが、ザイオン側の親族には叔父上を含むマハナイム側を退けてバーレ領主の地位に...と思ってる輩がいるんですよ...愚かにも」

「そのあたりが複雑だけど何故？」

「そうですねぇ...それこそ最初マハナイム...正式には聖マーシャがこのバーレを治め事になるんですが、叔父上であるヘルムート マハナイム バーレはそのマーシャの直系なのは前に叔父上が話したのを覚えてますよね」

「ええ」

前に礼拝堂でヘルムート様が話した事を思い出す。

「そして『生贄の娘』である旧バーレ王国の姫の子孫と血が交わり誕生したのが12番目の預言者...『バーレの真の王』という意味の一つにはそう言う意味があるんですが、それ以上に大切な事...最初の悪魔である『明けの明星 リュシフェル』の頭を打ち砕く者たる『ハイラント救世主』が誕生する為の家系としてザイオンの家を300年前の新たに作ったんですよ、ただ王と言っても正確には『悪魔を滅ぼし絶やす』力を持つ者としてです...ただそれを政治的な意味合いで本当の『バーレの王』にしようとする連中が存在するんですよ」

「そしてその筆頭が司祭長ノルベルト アシュドッド、4世代前にザイオンの家から分家した家の当主でもあるけど実際はその座を狙っているの...正式な意味合いも理解しないでね」

ディビッドの説明にエステルお姉様も追加で話す。

「きっと修道士見習いの娘達もアレが仕向けたんでしょうね、上手くいけばその娘を養子にでも入れてザイオンの家に入り込む隙を作るつもりだったんでしょう、まぁこれのおかげで無事でしたけどね～」

と左手の薬指に施されている婚姻の契り印を見せるディビッド。