銭ゲバ令嬢なまぐさ司祭に溺愛される【R18】

chapter6:Be baptized

悪女になりきるしかないわ！ その2

寺院内へ戻ると真っ青な顔をしたヘルムート様と教皇様が私に駆け寄ってきたわ。

「ご無事で何よりです！」

「まさか悪魔と対峙しその誘惑に惑わされない精神...流石次代の預...」

「ここでそれ言ったらダメですよ！」

「むぐぐ！！！」

ヘルムート様がうっかり言いかけた教皇様の口を塞ぐわ！

「それにしてもバレンティナ様に大変失礼な事をしでかした様で申し訳ございません...これも私の責任です...」

「そんな...私もこんな騒がせちゃって...」

「お怒りはごもっともです、こんなどうしようもない甥にすら優しい貴女様が見習いの言うような事をしでかすなんてあり得ないですし」

とディビッドを指差すヘルムート様。

「良かれと思って特別に準備させたものだったのですが、こんな大事になるなんて」

なんだかしょぼしょぼ気味な教皇様。

「教皇様も何勝手に私のお古を使わせようとしてるのか意味わからないし、おじ様は領主なのに大きな事も小さな事もなんでも自分の仕事にしちゃうから仕事し過ぎて手が回らないからよ、もっと他の人に仕事を任せるべきだわ」

と話に割り込んでくるエステルお姉様。

「確かに...面目ない限りですね...貴族の子女ならそれなりに貴人の扱いも大丈夫かと思ったのですが...あ！それはそうとディビッド！」

「はい？」

「お前に姦淫の罪の容疑がかかっているのだ！」

「は？？？？」

ヘルムート様の言葉に目を丸くするディビッド。

「姦淫？？？もしかしてベルさんと？？？」

「そんな訳無いですよ！」

眉を顰める私の顔を見ながら真っ青な顔をするディビッド。

「修道士ベルとは関係ない...まぁベル自体は可哀想な事になっているのだが...とにかくディビッドはその罪の潔白の証明をせねばならない」

「証明ですか...」

「まぁ簡単よねぇ」

ディビッドの左薬指へ指差すエステルお姉様。

「でも目の前で有効かどうかを表明する必要がありますが...」

と何だか私の事を可哀想なものを見る目で見るヘルムート様。

「表明って何をするんですか？」

「いや...言うべきかどうか...うーん...」

非常に困った顔するヘルムート様。

「そりゃあ勿論私達の親密さをアピールする事ですよぉ」

とディビッドが腰に手を回してきたわ！きゃあ！

「...それが簡単に出来る訳無いでしょ馬鹿！」

「痛たたっ！」

ディビッドの耳を引っ張るエステルお姉様、顔が真っ赤だわ。

「ううっ...まさか...人前で恥ずかしい目に遭わなきゃいけないとか...」

「ただ私に何か食べ物を直接食べさせてくれれば大丈夫なだけですよ～」

「え？それだけ？？？」

「おい！ディビッド！」

顔を赤くしながらそう話すヘルムート様。

「...うーん、まぁティナちゃんが知・ら・な・い・ならそれで何とかできそうだけど」

エステルお姉様が腕を組みながら眉を顰めてそう言うけど...もしかして私が分からないだけでとんでもない意味があったりするのかしら？？？