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chapter6:Be baptized
惑わす者の甘言 その10
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ディビッドがバレンティナを探している途中で、空には特に雨雲もないのに近くでドォン!と空が裂ける程の大きな落雷音が響く。
「雷???いや...これは」
雷が落ちたと思われる位置へ顔を向けるディビッド。
肌で感じる神聖さからそれ自体は通常の雷ではない事はよく知っている...それは神罰の一つ『神罰の雷』だと。
今神罰を扱える人物は自身を除き思い当たる人物は二人、姉エステルと12番目の預言者を身に宿したバレンティナだ。
ただエステルは今かなり弱っている事や12番目の預言者の言葉からそれを現時点で行えるのは12番目の預言者が乗り移ったバレンティナしかいないはず。
場所は孤児院付近と判断したディビッドはそちらへ向かう為に走る。
「ティナっ!どうか無事でいてください!」
例え12番目の預言者の力が強くとも、その身体はか弱いバレンティナ自身である、不安が胸の中を支配する。
フェネクスの呪い故に身体が弱かったが徐々に体力もついてきている様であるが、それでも戦いに向いてるとはディビッドとしては思えないのだ。
ただバレンティナ自身は実は学生時代に術士としての訓練自体はしているので、ディビッドが思う程弱い訳ではないのだが。
走っていると多くの子供達がディビッドの向かう先とは逆方向に逃げるように走ってくる、その先頭には昨日見かけた12歳くらいの修道士見習いのミンミが促しているようだ。
「ディビッド様!」
ミンミはディビッドの姿を見て声をかける。
「一体何が???」
「お姉さんは今悪魔と戦っているんです!燕尾服で長い金髪の姿のです!お姉さんは私達に逃げるようにって促してくれて...お姉さんは私達が逃げて少ししたら結界を張ってしまってて入れなくなってしまって...」
ディビッドはミンミに尋ねるとミンミは息を切らせながら真っ青な顔で答える。
「わかりました...みんなは遠くに逃げて下さい!そして異端審問官には悪魔が出たと報告を!」
「は...はい!」
いつもははふわふわとして柔和な笑顔で、何かしでかしてはよくヘルムートやエステルに怒られてばかりなディビッドが真剣な面持ちでそう話す姿にミンミは内心驚く。
ふとディビッドが走り去る姿が気になって振り向くと、ディビッドの姿が一瞬全身が真っ白に輝いて見える...しかも背には白い双翼が生えている!
「え???」
目を擦って再度見ると元の姿のままだが、その一瞬の姿が脳裏に焼き付いて離れない。
それは聖典で書かれている全身が白く輝き背に翼を持つとされる神の使いの姿と重なるからだ。
「ミンミお姉ちゃん!逃げなきゃ」
孤児院の子供の一人に促されて、我に帰るミンミ。
「あ...ありがとう」
さっき見えたのは一体何だったのだろう?とミンミは思いながら子供達と共にその場を離れるのだった。
「雷???いや...これは」
雷が落ちたと思われる位置へ顔を向けるディビッド。
肌で感じる神聖さからそれ自体は通常の雷ではない事はよく知っている...それは神罰の一つ『神罰の雷』だと。
今神罰を扱える人物は自身を除き思い当たる人物は二人、姉エステルと12番目の預言者を身に宿したバレンティナだ。
ただエステルは今かなり弱っている事や12番目の預言者の言葉からそれを現時点で行えるのは12番目の預言者が乗り移ったバレンティナしかいないはず。
場所は孤児院付近と判断したディビッドはそちらへ向かう為に走る。
「ティナっ!どうか無事でいてください!」
例え12番目の預言者の力が強くとも、その身体はか弱いバレンティナ自身である、不安が胸の中を支配する。
フェネクスの呪い故に身体が弱かったが徐々に体力もついてきている様であるが、それでも戦いに向いてるとはディビッドとしては思えないのだ。
ただバレンティナ自身は実は学生時代に術士としての訓練自体はしているので、ディビッドが思う程弱い訳ではないのだが。
走っていると多くの子供達がディビッドの向かう先とは逆方向に逃げるように走ってくる、その先頭には昨日見かけた12歳くらいの修道士見習いのミンミが促しているようだ。
「ディビッド様!」
ミンミはディビッドの姿を見て声をかける。
「一体何が???」
「お姉さんは今悪魔と戦っているんです!燕尾服で長い金髪の姿のです!お姉さんは私達に逃げるようにって促してくれて...お姉さんは私達が逃げて少ししたら結界を張ってしまってて入れなくなってしまって...」
ディビッドはミンミに尋ねるとミンミは息を切らせながら真っ青な顔で答える。
「わかりました...みんなは遠くに逃げて下さい!そして異端審問官には悪魔が出たと報告を!」
「は...はい!」
いつもははふわふわとして柔和な笑顔で、何かしでかしてはよくヘルムートやエステルに怒られてばかりなディビッドが真剣な面持ちでそう話す姿にミンミは内心驚く。
ふとディビッドが走り去る姿が気になって振り向くと、ディビッドの姿が一瞬全身が真っ白に輝いて見える...しかも背には白い双翼が生えている!
「え???」
目を擦って再度見ると元の姿のままだが、その一瞬の姿が脳裏に焼き付いて離れない。
それは聖典で書かれている全身が白く輝き背に翼を持つとされる神の使いの姿と重なるからだ。
「ミンミお姉ちゃん!逃げなきゃ」
孤児院の子供の一人に促されて、我に帰るミンミ。
「あ...ありがとう」
さっき見えたのは一体何だったのだろう?とミンミは思いながら子供達と共にその場を離れるのだった。
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