529 / 841
chapter6:Be baptized
警告 その9
しおりを挟む
その姿は白地のローブに深い青の長めの袖無し上掛け、それはエステルから譲渡されたもの。
ベッドの上で眠っているディビッドに後ろ髪を引かれ、何度も振り向くバレンティナ。
その瞳には涙が溢れそうになる程に。
『別れが辛いなら、私が暫く変わろうか...』
頭の中で12番目の預言者の声が聞こえると、バレンティナが頷く。
「お願い...」
『分かった』
すると意識がバレンティナから12番目の預言者に切り替わり、そのまま前を向いて部屋を後にする。
キッチンの近くに少し前から用意していた大きめな鞄を出してそれを持ってそのまま外へ出る。
外は日が暮れて空はオレンジ色に染まっていた。
そこには遊び疲れて眠ってしまいマキシムの背中におぶされたシモンの姿が見える。
マキシムはバレンティナの姿を見て深々と頭を下げる、12番目の預言者が乗り移っていると判断したためだ。
『頭を上げよ、『赤の剣』よ、時が来たので私たちはここから去る事になった』
「はい」
『シモンをこちらへ、さぁシモン起きるんだ』
背負っていたシモンを12番目の預言者に渡すマキシム。
12番目の預言者の腕の中でシモンは目を覚ます。
「んーママの中のおねえちゃん???その格好って事はまたどこかにいくの?」
シモンはバレンティナが現在12番目の預言者に入れ替わっているのを自然と理解してか眠そうながらもそう答える。
『そうだよ?急でごめんね』
「大丈夫だよ、 ママといっしょだもん」
『シモンは良い子だねぇ、ちょっと回復してあげるね、歩いていけるかい?』
「うん」
12番目の預言者がシモンに回復をかけると、フワッと光が周るとシモンは元気を取り戻し、抱っこから降りて自分の足で立ち上がる。
「じゃあね、マキシムのおじちゃん、パパにもげんきでねって」
シモンは笑顔でマキシムに手を振る。
「あ...ああ」
『では、またいつか会う時があるだろう...あと『白の射手』に、バレンティナをどう探そうとも神が引き離されたものは戻らない、今回の様な時が来るのは『神の温情』だと伝えておくんだ...まぁそう言ってもあの子は諦める事は出来ないんだろうがな、さて...もう行くから後のことは頼む、『赤の剣』よ』
「...はい...進む旅路に祝福があります様に」
『ありがとう、では』
そう言って12番目の預言者はシモンの手を引いてその場を去っていくのをマキシムはただ黙って見送る。
この後大変だろうな、と思いながら。
ベッドの上で眠っているディビッドに後ろ髪を引かれ、何度も振り向くバレンティナ。
その瞳には涙が溢れそうになる程に。
『別れが辛いなら、私が暫く変わろうか...』
頭の中で12番目の預言者の声が聞こえると、バレンティナが頷く。
「お願い...」
『分かった』
すると意識がバレンティナから12番目の預言者に切り替わり、そのまま前を向いて部屋を後にする。
キッチンの近くに少し前から用意していた大きめな鞄を出してそれを持ってそのまま外へ出る。
外は日が暮れて空はオレンジ色に染まっていた。
そこには遊び疲れて眠ってしまいマキシムの背中におぶされたシモンの姿が見える。
マキシムはバレンティナの姿を見て深々と頭を下げる、12番目の預言者が乗り移っていると判断したためだ。
『頭を上げよ、『赤の剣』よ、時が来たので私たちはここから去る事になった』
「はい」
『シモンをこちらへ、さぁシモン起きるんだ』
背負っていたシモンを12番目の預言者に渡すマキシム。
12番目の預言者の腕の中でシモンは目を覚ます。
「んーママの中のおねえちゃん???その格好って事はまたどこかにいくの?」
シモンはバレンティナが現在12番目の預言者に入れ替わっているのを自然と理解してか眠そうながらもそう答える。
『そうだよ?急でごめんね』
「大丈夫だよ、 ママといっしょだもん」
『シモンは良い子だねぇ、ちょっと回復してあげるね、歩いていけるかい?』
「うん」
12番目の預言者がシモンに回復をかけると、フワッと光が周るとシモンは元気を取り戻し、抱っこから降りて自分の足で立ち上がる。
「じゃあね、マキシムのおじちゃん、パパにもげんきでねって」
シモンは笑顔でマキシムに手を振る。
「あ...ああ」
『では、またいつか会う時があるだろう...あと『白の射手』に、バレンティナをどう探そうとも神が引き離されたものは戻らない、今回の様な時が来るのは『神の温情』だと伝えておくんだ...まぁそう言ってもあの子は諦める事は出来ないんだろうがな、さて...もう行くから後のことは頼む、『赤の剣』よ』
「...はい...進む旅路に祝福があります様に」
『ありがとう、では』
そう言って12番目の預言者はシモンの手を引いてその場を去っていくのをマキシムはただ黙って見送る。
この後大変だろうな、と思いながら。
0
お気に入りに追加
346
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

【R18】仲のいいバイト仲間だと思ってたら、いきなり襲われちゃいました!
奏音 美都
恋愛
ファミレスのバイト仲間の豪。
ノリがよくて、いい友達だと思ってたんだけど……いきなり、襲われちゃった。
ダメだって思うのに、なんで拒否れないのー!!


淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる