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chapter6:Be baptized
それは秘密よ その1
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「お前こそがディビッド様の決められし花嫁なんだ」
お父様は毎日のようにそう言っていた、どうやらエステル様がディビッド様の運命の相手はエステル様と同じ緑の髪と薄桃色の瞳の女性って言ってたから、そう...私もそうだから。
ずっと憧れていたあのディビッド様の運命の相手、本当に嬉しくていつディビッド様からそう言われるかずっと待ち続け、近くにいるべきと思ってわざわざアルトマイヤー寺院で修道士として使える道だって歩んできたわ。
そう、たまにすれ違ったりした時に優しく微笑み返してくださると胸が高鳴る。
とても整った顔立ちで何よりも紫水晶のような瞳が美しい方、人当たりも良くて優しげな方。
そう、私が運命の相手なの!早く私に気づいて!そうずっと願ったの。
ただ最近は隣国のウルムで活動しなくてはならなくなって寂しかったけれど久々に戻って来てくれてとても嬉しかった。
でも一緒に目の前に現れたバレンティナと言う女性は、すごく綺麗でまるで絵本に出てくるお姫様みたいな人だった。
それにエステル様と同じ緑色の髪と薄桃色の瞳で色白でとても華奢で同じ人間なのかしら、と思うくらい...そしてディビッド様はとても愛おしそうにその女性を見つめているのがわかる。
違う!ディビッド様の運命はその人じゃない!ディビッド様貴女の運命は私なのよ!
そんな気持ちを抱きながら、掃除の為に他の修道士の子達と礼拝堂へと向かう。
「それにしてもさっきのバレンティナ様って貴族って言うよりお姫様って感じよね~」
「そうそう、しかもディビッド様さっき『大切な人』って言ってたし、あの方とご結婚されるのかしらね」
「あー残念...ディビッド様憧れてたのに~」
「あはは、流石にあのくらいのお姫様じゃなきゃ釣り合う相手にならないわよね」
他の修道士の子達がそんな話をするのが聞こえる。
「大切って...ただ隣国ウルムのお貴族だからって事でしょ?あんな苦労もした事無さそうな娘じゃない、しかもちょっと性格がキツそうじゃない?こんな目つきだったし」
つい目を吊り上げてそう口にしてしまう。
「あーそうよね、確かに性格はキツいんじゃない?豊かなウルムの贅沢な生活を続けてるかもだし」
「そうだとしたらディビッド様が可哀想じゃない?それに...」
「それに?」
「もしかしたらそれこそあのお貴族様がディビッド様に言いよって無理にここに来たんじゃない?ただ立場が立場だからディビッド様下手な事が言えないだけだとおもうわ、だってウルムの高位貴族なんて他国を軽視してる所もあるもの」
「それあり得そうね」
「えーなら最低じゃない!」
「でもそれはあるかもしれないわよね、だってディビッド様素敵だものね」
そうよ、きっと無理矢理立場を振りかざして着いてきたのよ。
だから私のディビッド様を守る為に動いていかなきゃだわ。
そうやって皆で話をしていると何処からか視線を感じる...周囲を見回すけど特に何もない。
「どうしたの?」
「...何でもないわ...あ、あそこの窓枠に埃が溜まってるからちゃんと掃除しないとタビダ様の説教が始まるわよ」
「あー本当だ!」
適当に窓を指差してそう言って誤魔化すと、一人の修道士の子がはたきを持ってその場所を掃除し始める。
そう...こんな地味な仕事ばかりやる為にここに来た訳じゃないんだから...私はディビッド様の花嫁として見出される為にここに居るんだから。
お父様は毎日のようにそう言っていた、どうやらエステル様がディビッド様の運命の相手はエステル様と同じ緑の髪と薄桃色の瞳の女性って言ってたから、そう...私もそうだから。
ずっと憧れていたあのディビッド様の運命の相手、本当に嬉しくていつディビッド様からそう言われるかずっと待ち続け、近くにいるべきと思ってわざわざアルトマイヤー寺院で修道士として使える道だって歩んできたわ。
そう、たまにすれ違ったりした時に優しく微笑み返してくださると胸が高鳴る。
とても整った顔立ちで何よりも紫水晶のような瞳が美しい方、人当たりも良くて優しげな方。
そう、私が運命の相手なの!早く私に気づいて!そうずっと願ったの。
ただ最近は隣国のウルムで活動しなくてはならなくなって寂しかったけれど久々に戻って来てくれてとても嬉しかった。
でも一緒に目の前に現れたバレンティナと言う女性は、すごく綺麗でまるで絵本に出てくるお姫様みたいな人だった。
それにエステル様と同じ緑色の髪と薄桃色の瞳で色白でとても華奢で同じ人間なのかしら、と思うくらい...そしてディビッド様はとても愛おしそうにその女性を見つめているのがわかる。
違う!ディビッド様の運命はその人じゃない!ディビッド様貴女の運命は私なのよ!
そんな気持ちを抱きながら、掃除の為に他の修道士の子達と礼拝堂へと向かう。
「それにしてもさっきのバレンティナ様って貴族って言うよりお姫様って感じよね~」
「そうそう、しかもディビッド様さっき『大切な人』って言ってたし、あの方とご結婚されるのかしらね」
「あー残念...ディビッド様憧れてたのに~」
「あはは、流石にあのくらいのお姫様じゃなきゃ釣り合う相手にならないわよね」
他の修道士の子達がそんな話をするのが聞こえる。
「大切って...ただ隣国ウルムのお貴族だからって事でしょ?あんな苦労もした事無さそうな娘じゃない、しかもちょっと性格がキツそうじゃない?こんな目つきだったし」
つい目を吊り上げてそう口にしてしまう。
「あーそうよね、確かに性格はキツいんじゃない?豊かなウルムの贅沢な生活を続けてるかもだし」
「そうだとしたらディビッド様が可哀想じゃない?それに...」
「それに?」
「もしかしたらそれこそあのお貴族様がディビッド様に言いよって無理にここに来たんじゃない?ただ立場が立場だからディビッド様下手な事が言えないだけだとおもうわ、だってウルムの高位貴族なんて他国を軽視してる所もあるもの」
「それあり得そうね」
「えーなら最低じゃない!」
「でもそれはあるかもしれないわよね、だってディビッド様素敵だものね」
そうよ、きっと無理矢理立場を振りかざして着いてきたのよ。
だから私のディビッド様を守る為に動いていかなきゃだわ。
そうやって皆で話をしていると何処からか視線を感じる...周囲を見回すけど特に何もない。
「どうしたの?」
「...何でもないわ...あ、あそこの窓枠に埃が溜まってるからちゃんと掃除しないとタビダ様の説教が始まるわよ」
「あー本当だ!」
適当に窓を指差してそう言って誤魔化すと、一人の修道士の子がはたきを持ってその場所を掃除し始める。
そう...こんな地味な仕事ばかりやる為にここに来た訳じゃないんだから...私はディビッド様の花嫁として見出される為にここに居るんだから。
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