銭ゲバ令嬢なまぐさ司祭に溺愛される【R18】

chapter6:Be baptized

アルトマイヤー寺院 その5

「貴方は私以上に特別...ディビッド神に愛されし者の名前通りにね、私自身の目には分からないけれど貴方は私よりも神への信仰...いえ神がいると確信して生きているからね」

「何を当たり前の事を言ってるんです？」

不思議そうな顔をディビッドはする。

ディビッド自身は疑いもなく当たり前の様に信じているのだ、それは生まれの為でも育ちのためだけでは無く、預言者として声も聞こえる訳でも無いのに実際に『近くに居て存在している』と感じているからだ。

「羨ましいわね」

例えその奇跡や神の言葉を聞こえたとしても、その信仰の強さはディビッド程では無い、エステルはディビッドに会って初めて思ったのがそれだった。

そう、ディビッドは全く疑う事が無いのだ...例え聖典の教えからやや離れた行動を取ったとしても、神の真意を理解し疑う事無く行動出来るのだ。

その為に強い加護が生じ、何が起ころうが死に至る事も病気で苦しむ事も無く悠々自適にやっていけるのだ、生まれて捨てられた事も悪魔によって散々痛ぶられ傷だらけになって回復が出来なくなったとしてもだ。

「私にとってはそれが普通ですから、それはそうとどう言う事なんですか？一体何でティナとの関係が希薄になるんです？こんなに愛しているのに」

「貴方に愛想が尽きちゃうんじゃ無いの？貴方ティナちゃんと出会って半年くらいなのにべったりじゃない？普通そんなに一緒じゃあ息が詰まるんじゃない？」

「？？？」

「お目付役で毎日片時も離れないマキシムやサミュエルにウンザリしてたじゃない、貴方...ティナちゃんだってそんな気持ちが生まれても仕方ないんじゃないかって」

「ええ！」

「母上なんて父上の事よくぼやいてたもの...嫌いではないけど友人や家族との交友まで正言されて束縛されると息が詰まるって」

「うっ...」

その指摘に思い当たる節がありすぎるディビッド。

「それに最終この地で生活するんだし、友人を作ることも大切だろうしね」

「確かに...」

そう言えばバレンティナがとても仲良くしていたスザンナの事を思い浮かべる、ああいう子なら仲良くしていても問題ないな、とディビッドは思う。

「思い当たる人物ならいるので声をかけてみます」

「声をかけるって貴方...」

ディビッドのいいことを思いついたいい笑顔に対してエステルは何だか不安を覚える。

そう、いかんせんディビッドは性格云々は兎も角その見た目と物腰の柔らかさ？故にモテるのだ...

そして本人が知らない所で醜い争いがあった事もだが、どうにも本人その自覚があるのかないのかわからないが...