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chapter6:Be baptized

神託 その7

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「じゃあ毎日練習して美味しいお菓子を作れる様になるからね、実はここに来る前はバザーで出すお菓子僕が作ってたんだよ、ここに来てからはさせて貰えなかったけど絶対できるようになるからね」

とてもキラキラしたかわいい笑顔...ある意味みんなこの顔にやられて甘くなっちゃうのかもだわ...

それにしても私このままなのかしら?夢の割には何だかあまりにも現実的でへんな感じなのよね。

『ねぇ』

聞き覚えのある女の子の声が聞こえるから振り向くと、あの子が...みんなに12番目の預言者と呼ばれた女の子が立っているわ!

しかも女の子って言うよりも大人な年齢みたいね?20代後半なのかしら???本当にエステルお姉様によく似ているわね。

『そろそろ戻る時間だから迎えに来たよ?』

その子が微笑みながら私に近づく。

「元に戻るの?」

『そうだよ、じゃないといろいろと不都合が生じちゃうからね』

「そっかぁ...」

そう言ってディビッドの方を向くと何だか泣きそうな顔になっているわ。

「もう帰っちゃうの?」

「そうみたい、お迎えが来ちゃったから」

「ねぇティナ...僕の妹になってずっと一緒に暮らそうよ?ここのお屋敷部屋がいっぱいあるし、毎日美味しいお菓子も用意するし僕ずっと良いお兄ちゃんでいるから...ねぇ」

そう言って私の手を掴んで懇願してくるわ、もう...小さい時から仕方ない子なんだから。

ディビッドに近づいてほっぺにちゅっとキスをすると真っ赤な顔をするわ。

「私ディビッドお兄ちゃんと兄妹じゃなくてお嫁さんになってあげるんだからダメよ!」

「ええっ!お嫁さんに???良いの???」

「うん!でも大きくなってからじゃないと無理だから大人になったらディビッドお兄ちゃん、ウルムまで迎えに来てね!」

「...迎えに行くよティナ」

ぎゅうっと抱きしめられる、本当は別れたくないんだろうけども仕方ないし、その約束は果たされるから。

「私も大好きよ、じゃあね」

抱き返したと思ったら小さなディビッドがふわっと消えてしまうわ!

「消えちゃった...」

『この世界は因果によって縛られているけど...そうか...』

預言者の女の子はそう言いながら私に近づく。

「ねぇ...これって」

『どうしても神は君と『白の射手』に強い結びつきを作っているね、私が『他の世界』から引き寄せられたと同じみたいにね』

「?」

神に愛されし者ディビッドの名前自体からもね...名付け親の願いを神は聞き入れてくれたが故に彼には様々な力と役割を与えられているからね』

「どう言う事なんですか?」

『説明するには時間が無いからその内ね...ただ今あった出来事自体は因果に沿ったもの、『白の射手』にとって与えられた神託となっているんだよ、なんだかタイムトラベル的でSFチックな話だけどね』

「???」

SFとかタイムトラベルとか何だかわからない単語とか出て来たわ???

『さて、戻ろうか...うるさいお迎えも来ちゃったから』

そう言うと女の子の後ろから鎧姿のいつもの騎士が現れるわ。

『君は私...いや創造者にして忠節なる神トラウゴットが何があっても必ず守るからね、たとえ『白の射手』が相手であっても...じゃあねまた近いうちに!』

そう笑顔で言われたと同時にパッと目覚める。
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