銭ゲバ令嬢なまぐさ司祭に溺愛される【R18】

chapter6:Be baptized

神託 その5

夜も更けて就寝時間も過ぎたからベッドで一人で横になる。

結局こってりと絞られたのかディビッドは私の部屋にはやってこれないみたいね...まぁ仕方ないわよね、結婚式もしないのに爛れた関係になったのはヘルムート様もあの調子だと寝耳に水だったんだろうし。

それにしても以外とヘルムート様は良識のある方よね、口調とか動作がディビッドと似ているのもきっと親族だしヘルムート様の影響も大きいのかも。

それにしてもヘルムート様ってご結婚されてないのかしらね？あんなに子供好きなのに。

何だか疲れてるみたい...むにゃ...

ー

ここ何処かしら...ああ、ここはヘルムート様のお屋敷の廊下だわ、でも何だか見えてる世界が違うみたい？？？

キョロキョロとあたりを見回すけど、なんというか何でも大きく感じるのよ？？？

まぁこのまま立っていてもしょうがないから廊下を歩いて用意されている部屋に戻ろうと思った時に何処からか泣き声が聞こえて来るわ？

男の子の声みたいだけど、パーヴェル君とは違う...何処からかしら？

その泣き声の元へと足を運ぶと部屋のドアが少し開いていてそこから聞こえてくるわ。

そこから少し覗くとちょっと細めな11、2歳くらいの男の子が部屋の隅でうずくまって泣いている...茶色の髪でそれなりに上等な服を着させてもらっているけど、一体だれかしら？？？

男の子は私の存在に気づいちゃったのかこっちをみてきたわ...あれ？あの顔というか瞳が紫色...まさか...

「あっ...」

男の子は涙を拭ってからこっちに駆け寄って来るわ、あれ？？？小さい子なのに私が見上げるなんておかしいわね？

「君は何処の子なの？叔父様のお客様の子？みっともないところを見せちゃったね」

さっきまで泣いていた顔から笑顔に変わるけど、目元がちょっと赤くなってる。

「ねぇ何で泣いてたの？」

「...僕数日前にロストックからここに連れて来たんだけど...司祭ナサニエルや友達に会いたくて...」

何処かで聞いた話...それって...

「でもこんなに小さい君に見られるなんて情けないね、僕君よりお兄ちゃんなのに」

「？？？」

小さい？あれもしかして私も幼い姿になってる？

近くに姿見があったからそこで鏡を見る、あれ？？？私も子供になってる！きっと7、8歳くらいかしら？？？

「どうしたの？」

「私小さい？？？」

「？？？」

私の言った言葉に不思議そうに首を傾げるわ...きっとこの子...ディビッドだわ。