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chapter6:Be baptized
姉の罪 その15
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「王や貴族のいなくなる時代?そう言えば海を渡った先の大陸でそう言った国があるとは聞いているけどそう言う事なんですか?」
「詳しい事までは分からないけれども、ただ今はっきり解るのは『血と鉄の時代』そして『神聖バーレ帝国』と言う紛い物の神の国とその瓦解が生じる事...その中心がパーヴェルだと言う事、そう...私の浅はかさ故に世界が更なる混乱が生まれパーヴェルの将来を捻じ曲げたのよ...私の選択故に...それが私の罪であり、それ故に罰を受けねばならないの」
エステルお姉様の瞳から涙が溢れて落ちる。
「エステルお姉様」
「...12番目の預言者であるあの方からは私は許されるとは言われたけどっ...私には大きな罪を犯してしまった...将来多くの人に不幸を呼び起こす災厄を引き起こす結果になる事を」
「お姉様...でもそれは必ず起こることでは...」
と言って息を呑む...そう、エステルお姉様は全て見えるのだもの!
「ティナちゃん...いえ新たな預言者バレンティナ、いい?見えた将来は必ず起こる事...だからこそ神からの神託を自らの意思で捻じ曲げるような行為をしてはいけないわ...結果が変わらなくともその過程が変わってくるから...」
エステルお姉様が泣きながら語るその時、目の前が一瞬真っ白になっていろいろな情況が見える...それこそエステルお姉様が見たであろう世界を...戦争が起こり人々が騒然とする世界が...でも...その結果自体は...
「エステルお姉様...大丈夫...きっとお姉様が見たよりも『先』が私にも見えました」
エステルお姉様にその事を伝えようとお姉様の肩に手を起きゆっくりと出来るだけ優しく語りかける。
「!」
「...大丈夫、 パーヴェル君は苦難を乗り越えるし、マキシムさんやジョナサン達...それにディビッドだって何とかするもの...大丈夫」
そう、悲惨な出来事が起こるかもだけど、その先にあるのはそんなに悪い将来ではないわ、それこそお姉様が言う様に捻じ曲げる者が居ないならば。
エステルお姉様ははっと大きく目を見開いてこちらを見るわ。
「...ありがとう...ありがとうございます...創造者にして忠節なる神...そして新たな預言者であるバレンティナ」
エステルお姉様は私の手を掴みながら感謝の言葉を述べ続けるわ。
「私は見届ける事が出来ないけれど...ありがとうございます...」
「え...」
引っかかるその言葉の先を聞く事は出来なかったけれど、エステルお姉様は先を見届けられないって一体どう言う事なのかしら?
ただこの時だけは泣き続けるエステルお姉様を慰めることしか出来なかったけれど、その言葉がずっと心の中で引っかかったのよ...
まさかあの大きな事件が起こるなんて...
「詳しい事までは分からないけれども、ただ今はっきり解るのは『血と鉄の時代』そして『神聖バーレ帝国』と言う紛い物の神の国とその瓦解が生じる事...その中心がパーヴェルだと言う事、そう...私の浅はかさ故に世界が更なる混乱が生まれパーヴェルの将来を捻じ曲げたのよ...私の選択故に...それが私の罪であり、それ故に罰を受けねばならないの」
エステルお姉様の瞳から涙が溢れて落ちる。
「エステルお姉様」
「...12番目の預言者であるあの方からは私は許されるとは言われたけどっ...私には大きな罪を犯してしまった...将来多くの人に不幸を呼び起こす災厄を引き起こす結果になる事を」
「お姉様...でもそれは必ず起こることでは...」
と言って息を呑む...そう、エステルお姉様は全て見えるのだもの!
「ティナちゃん...いえ新たな預言者バレンティナ、いい?見えた将来は必ず起こる事...だからこそ神からの神託を自らの意思で捻じ曲げるような行為をしてはいけないわ...結果が変わらなくともその過程が変わってくるから...」
エステルお姉様が泣きながら語るその時、目の前が一瞬真っ白になっていろいろな情況が見える...それこそエステルお姉様が見たであろう世界を...戦争が起こり人々が騒然とする世界が...でも...その結果自体は...
「エステルお姉様...大丈夫...きっとお姉様が見たよりも『先』が私にも見えました」
エステルお姉様にその事を伝えようとお姉様の肩に手を起きゆっくりと出来るだけ優しく語りかける。
「!」
「...大丈夫、 パーヴェル君は苦難を乗り越えるし、マキシムさんやジョナサン達...それにディビッドだって何とかするもの...大丈夫」
そう、悲惨な出来事が起こるかもだけど、その先にあるのはそんなに悪い将来ではないわ、それこそお姉様が言う様に捻じ曲げる者が居ないならば。
エステルお姉様ははっと大きく目を見開いてこちらを見るわ。
「...ありがとう...ありがとうございます...創造者にして忠節なる神...そして新たな預言者であるバレンティナ」
エステルお姉様は私の手を掴みながら感謝の言葉を述べ続けるわ。
「私は見届ける事が出来ないけれど...ありがとうございます...」
「え...」
引っかかるその言葉の先を聞く事は出来なかったけれど、エステルお姉様は先を見届けられないって一体どう言う事なのかしら?
ただこの時だけは泣き続けるエステルお姉様を慰めることしか出来なかったけれど、その言葉がずっと心の中で引っかかったのよ...
まさかあの大きな事件が起こるなんて...
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