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chapter6:Be baptized
姉の罪 その14
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「私はどんな事にも耐えられるから、それにエマヌエーレ...いえ、サヴェリオ陛下は可哀想な人だったから」
「可哀想な方?確かに家族を悪魔に殺されたとは言えあの畏怖の念を覚える程の陛下に?」
サヴェリオ陛下のまるで心が鉄でできている程のあの恐ろしい圧を持つ陛下が可哀想ってとても思えないわ。
「ティナちゃんはこの先全てを知ることになるから話すけれど、サヴェリオ陛下は人として『壊れて』いるの...あの潔癖なまでの正義感はいつか大きな災いを呼び周辺地域も含めて争いを呼び起こすわ、それこそ海の向こうの大陸側の人達との戦争や帝国との確執が深くなっていくのよ」
真剣な顔でお姉様はそう話すから戸惑いを隠せない。
「え...」
「それもこれも全ては悪魔リュシフェルにより引き起こされる災厄の一つ、戦火が広がり大きく時代が変わる時がくるわ、そんな時に大人になったパーヴェルが『支配者』として現れると神託があったのよ、それ故に『バーレで人として愛情をもって育てる様に』というね」
「じゃあエステルお姉様はその神託の為に?」
「...違うのよ、私は事を早めようとしたの、今回連れて行かなければ2年後に命懸けで亡命してバーレで保護する事になるはずだったから」
エステルお姉様は首を横に振る。
「え」
「...それが神の意志だったのかもだけど、私には耐えられなかった...あの子が小さいディブと重なって見えたから」
目を伏せながらエステルお姉様はそう話す。
「あ...」
そう...エステルお姉様はディビッドの事を知らなかった事とは言え今もずっと悔やんでいるから
「でも私は大変な罪を犯してしまったわ...本来歩むべき道でない方向へパーヴェルが向かってしまう事が見えてしまったから」
「どう言う事です?」
「本来なら正しく導く者になる筈だったのに、悪魔を倒す過酷な道を歩む事がもう決まってしまったから」
「決まってしまったって...」
一体何が決まったのかしら?
「本来2年後の亡命時では起こることのない今回の事態、悪魔ヴィネを倒す事を見てしまった故にパーヴェルはその道を選ぶのよ、そしてその先に見えた将来は元の穏やかさのあるものとはかけ離れてしまう、そして新たな国が誕生するの、ウルムもエアヴァルドも周辺諸国を含め広い土地が一つになるのよ」
「エステルお姉様..それは...」
その意味は国の崩壊と編成、それは間違いなく恐ろしい自体も引き起こし得るわ。
「世界の縮図が変わるのよ、王や貴族が居なくなる時代...だけど騒乱の時代でもあるの」
「可哀想な方?確かに家族を悪魔に殺されたとは言えあの畏怖の念を覚える程の陛下に?」
サヴェリオ陛下のまるで心が鉄でできている程のあの恐ろしい圧を持つ陛下が可哀想ってとても思えないわ。
「ティナちゃんはこの先全てを知ることになるから話すけれど、サヴェリオ陛下は人として『壊れて』いるの...あの潔癖なまでの正義感はいつか大きな災いを呼び周辺地域も含めて争いを呼び起こすわ、それこそ海の向こうの大陸側の人達との戦争や帝国との確執が深くなっていくのよ」
真剣な顔でお姉様はそう話すから戸惑いを隠せない。
「え...」
「それもこれも全ては悪魔リュシフェルにより引き起こされる災厄の一つ、戦火が広がり大きく時代が変わる時がくるわ、そんな時に大人になったパーヴェルが『支配者』として現れると神託があったのよ、それ故に『バーレで人として愛情をもって育てる様に』というね」
「じゃあエステルお姉様はその神託の為に?」
「...違うのよ、私は事を早めようとしたの、今回連れて行かなければ2年後に命懸けで亡命してバーレで保護する事になるはずだったから」
エステルお姉様は首を横に振る。
「え」
「...それが神の意志だったのかもだけど、私には耐えられなかった...あの子が小さいディブと重なって見えたから」
目を伏せながらエステルお姉様はそう話す。
「あ...」
そう...エステルお姉様はディビッドの事を知らなかった事とは言え今もずっと悔やんでいるから
「でも私は大変な罪を犯してしまったわ...本来歩むべき道でない方向へパーヴェルが向かってしまう事が見えてしまったから」
「どう言う事です?」
「本来なら正しく導く者になる筈だったのに、悪魔を倒す過酷な道を歩む事がもう決まってしまったから」
「決まってしまったって...」
一体何が決まったのかしら?
「本来2年後の亡命時では起こることのない今回の事態、悪魔ヴィネを倒す事を見てしまった故にパーヴェルはその道を選ぶのよ、そしてその先に見えた将来は元の穏やかさのあるものとはかけ離れてしまう、そして新たな国が誕生するの、ウルムもエアヴァルドも周辺諸国を含め広い土地が一つになるのよ」
「エステルお姉様..それは...」
その意味は国の崩壊と編成、それは間違いなく恐ろしい自体も引き起こし得るわ。
「世界の縮図が変わるのよ、王や貴族が居なくなる時代...だけど騒乱の時代でもあるの」
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