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chapter6:Be baptized

VS悪魔ヴィネ その3

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それもそうだ、人の肉を引きちぎり内蔵を貪り、
頭を噛み砕き脳みそも何も血肉と呼ばれる場所を全て食らい尽くすのを目の前で見ることになるのだから。

そうやって女や子供を攫っては父親に生贄として捧げる日々が続き、流石に周囲から怪しまれるようになった頃合いには二人で屋敷を離れて各地を転々としては狙いを定めた女や子供を攫っては生贄として捧げて行ったのだ。

そうやっていく内にだんだん父親だった存在は若々しくなっていく姿に恐怖と同じくらいに不満を持つようになる。

何故自分が選ばれなかったのか...と。

数年ほどそんな生活をし続け、不満を燻らせていた時に指示を受けていない日の事だった。

酒場で飲んだ暮れていた時に別で飲んでいた客と揉め事が生じ、そのまま喧嘩に発展し殴られて地面に頭を打ち付けるがその時当たりどころが悪かったのか、その男はそのまま死んでしまったのだ。

それは男にとって救いだったのか、その死に顔は安らかなものだった。

それとは別に悪魔ヴィネと化した男の父親は表立って動ける息子を失った為に各地を彷徨い、生贄を求めて身を潜めながら生きていた。

更に強い力を得る為に生贄を更に求めていたのだ。

それは『赤宿しの子供』...そして『生贄の娘』の血肉だ。

そうすれば1000年前の時よりも強力な力を持って人間を支配出来る...と思ってだ、そうそれこそウルム国を乗っ取る程に。

そんな時だ、王都から好ましい『気』を三つも確認できたのだ...しかも近くにやって来るではないか、このようなチャンスは無いと思い、ならばと愛馬に乗ってやって来たのだ。

まさか神のしもべ達が共にいるとは知らないままに。

ーーー

エステルは周囲を見回す、木々が生い茂る森を突き抜けるように作られた線路からやや離れたあたりに倒れたであろうヴィネを見る。

ジュウジュウと黒い霧を見に纏わせながら立ち上がるヴィネの瞳は怒りに燃えている。

「だいぶ怒ってるみたいね」

エステルはそう言いながらセプター オブ バーレを掲げると周囲一帯に結界を張り始める、周囲というよりも線路に被害を及ぼさない為だ。
『小癪な!彼の神の僕共めが!』

「小癪ってまぁ残虐非道な悪魔に言われるのも何ですがねぇ」

ディビッドはやれやれという顔をしながらヴィネに近づく。

「そうよね、一体何人のか弱い女性や子供を犠牲にしたのやらね」

エステルは結界を張った後、ディビッドの後に続く。

『生贄の分際で神の僕とは笑わせるな!』

悪魔ヴィネはエステル目掛けて駆け込むがその前にディビッドがホルスターからシルバービートを取り出し、頭目掛けて数発撃ち込む。

『ぐぁぁ!』

シルバービートの弾丸は聖化させた純銀製、悪魔にとっては痺れ引き起こす毒のような物だ。
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