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chapter6:Be baptized
VS 悪魔ヴィネ その1
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場所は戻ってエアヴァルドへ向かう列車内。
日が暮れる中、先頭車両の窓から外を見ると驚くべき事に同じ速度で並行して黒い馬の様なモノに乗った存在が見える。
姿は甲冑を身に纏った騎士なのにその頭はまるでライオンのようで立て髪を靡かせながら走り続ける禍々しい存在...悪魔ヴィネだ。
「...まさかあんなにはっきり分かる存在になって姿を表すなんてね...」
エステルが眉を顰めながらその姿を見る。
「これはだいぶ力をつけてますねぇ...しかしあんな姿になるまで今までどこに潜んでいたのやら」
ディビッドはいつもの白と黒の司祭服に着替えて準備万端の姿である。
「...随分と知恵が回るのかもね、下手をすると300年前のアンドラスレベルかもしれないわ、だけど」
エステルは持っているセプター・オブ・バーレに自身の力を注ぎ込むと赤と青のグラデーションの石の中に閉じ込められた15の星が輝き出す。
「さて、皆さんは私達が出たら直ぐに列車に危害が及ばない様に結界を張る準備を!特に後列には絶対に手を出させない様に!」
何人もの異端審問官達にディビッドは指示を出すと、各自其々の持ち場へと向かう。
ディビッドは愛用の銀色に輝く銃を、エクソダス1922を取り出す。
列車の窓を少し空けてディビッドはエクソダス1922を並行して走るヴィネを狙うとその姿が自動的にスナイパーライフルへと形状を変化させていく。
「...こっちの方がって事ですか...」
ディビッドはそう呟くと構え直してスナイパーライフルのスコープからヴィネが乗っている馬の様なモノに対し、じっと狙いを定める。
「あえて一定の速度で走っているのなら...」
そう言って頭の中で計算した上でディビッドは引き金を引き敵へと撃ち込む。
銃口から静かな音を立てて放たれた光の線がそのまま馬の様なモノの頭を貫通するとそれは暴れ出し、そのまま乗っていたヴィネが落馬するのを確認する。
「命中しましたよ」
振り向き様にエステルに向かってそういうディビッド。
「なかなか便利ねぇ」
エステルは銃の姿が元の姿へと変わっていく様を見る。
「ただそこまで自由が聞く訳じゃないんですけどねぇ」
それと共に列車はブレーキをかけたのか徐々に速度が落ちていく。
「じゃあ悪魔狩りでも始めましょうかね...姉上」
「貴方に言われなくともよ...まぁ私はサポートに徹するから」
「姉上が本気を出したらうっかりそのまま倒しかねませんからねぇ」
「減らず口は辞めなさい...さぁ!行くわよ!」
そんな会話をしながら列車が止まると列車の出入り口へ向かい外へ出る。
二人が出た直ぐに列車の車両毎に結界が張られていく。
「姉上は線路を傷つけない様にして下さいね、まだ旅路は長いんですから...」
「分かってるわよ...貴方じゃあるまいし...」
ディビッドとエステルは悪魔ヴィネが足を止めたであろう所へと足を向ける。
「神に遣わされし『白の射手』ディビッド・ザイオン・バーレ...今より悪魔ヴィネの討伐する!」
その顔はいつものヘラヘラとしたものではなく、悪魔を打ち砕く者である『白の射手』そのものの表情へ変わるディビッドだった。
日が暮れる中、先頭車両の窓から外を見ると驚くべき事に同じ速度で並行して黒い馬の様なモノに乗った存在が見える。
姿は甲冑を身に纏った騎士なのにその頭はまるでライオンのようで立て髪を靡かせながら走り続ける禍々しい存在...悪魔ヴィネだ。
「...まさかあんなにはっきり分かる存在になって姿を表すなんてね...」
エステルが眉を顰めながらその姿を見る。
「これはだいぶ力をつけてますねぇ...しかしあんな姿になるまで今までどこに潜んでいたのやら」
ディビッドはいつもの白と黒の司祭服に着替えて準備万端の姿である。
「...随分と知恵が回るのかもね、下手をすると300年前のアンドラスレベルかもしれないわ、だけど」
エステルは持っているセプター・オブ・バーレに自身の力を注ぎ込むと赤と青のグラデーションの石の中に閉じ込められた15の星が輝き出す。
「さて、皆さんは私達が出たら直ぐに列車に危害が及ばない様に結界を張る準備を!特に後列には絶対に手を出させない様に!」
何人もの異端審問官達にディビッドは指示を出すと、各自其々の持ち場へと向かう。
ディビッドは愛用の銀色に輝く銃を、エクソダス1922を取り出す。
列車の窓を少し空けてディビッドはエクソダス1922を並行して走るヴィネを狙うとその姿が自動的にスナイパーライフルへと形状を変化させていく。
「...こっちの方がって事ですか...」
ディビッドはそう呟くと構え直してスナイパーライフルのスコープからヴィネが乗っている馬の様なモノに対し、じっと狙いを定める。
「あえて一定の速度で走っているのなら...」
そう言って頭の中で計算した上でディビッドは引き金を引き敵へと撃ち込む。
銃口から静かな音を立てて放たれた光の線がそのまま馬の様なモノの頭を貫通するとそれは暴れ出し、そのまま乗っていたヴィネが落馬するのを確認する。
「命中しましたよ」
振り向き様にエステルに向かってそういうディビッド。
「なかなか便利ねぇ」
エステルは銃の姿が元の姿へと変わっていく様を見る。
「ただそこまで自由が聞く訳じゃないんですけどねぇ」
それと共に列車はブレーキをかけたのか徐々に速度が落ちていく。
「じゃあ悪魔狩りでも始めましょうかね...姉上」
「貴方に言われなくともよ...まぁ私はサポートに徹するから」
「姉上が本気を出したらうっかりそのまま倒しかねませんからねぇ」
「減らず口は辞めなさい...さぁ!行くわよ!」
そんな会話をしながら列車が止まると列車の出入り口へ向かい外へ出る。
二人が出た直ぐに列車の車両毎に結界が張られていく。
「姉上は線路を傷つけない様にして下さいね、まだ旅路は長いんですから...」
「分かってるわよ...貴方じゃあるまいし...」
ディビッドとエステルは悪魔ヴィネが足を止めたであろう所へと足を向ける。
「神に遣わされし『白の射手』ディビッド・ザイオン・バーレ...今より悪魔ヴィネの討伐する!」
その顔はいつものヘラヘラとしたものではなく、悪魔を打ち砕く者である『白の射手』そのものの表情へ変わるディビッドだった。
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