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chapter6:Be baptized
黒い獣 その2
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時間は前日の夜まで遡る。
深夜ジョナサンはいくつか纏めた資料を店の2階の自室に持ち込み、煮豆を挟んだパンを食べながらメモをとっていた。
遺体の状態をさらに調べて、悪魔の詳細を探し出し、言い伝えなどでの共通点を探す。
そうやって綿密な下調べを行う事によって、弱点などを見つけ出し悪魔が出現した時にどれだけ被害を出さずに戦う事が出来るかを計画しているのだ。
「ギャ!ギャ!ジョニー!」
ピッピちゃんが急に騒がしくなったので目をやる、エステルの意志がピッピちゃんに入ったのだろう。
「エステル様ですか?どうしたんですか?」
「ギャ!ギャ!そうだ!悪魔の情報が入ってないか」
「最近見つかったヴィネの件なら今確認中、ある程度の情報は伝えられるけど」
「ギャ!教えるギャ!」
「じゃあ悪魔ヴィネは想定するにたてがみのあるライオンの顔を持つ姿で人の肉...特に内蔵や脳みそを好む事が封印式の記載と遺体の状態から推測できる、特に女子供。ウルムの英雄譚の記載から飛行はしないが使役している黒い馬らしき魔物がいてそれが足が速いらしい。
そこから人型を取れると言える。英雄譚では剣で肉を引き裂き貪る記述ばかりだからどちらかというと物理攻撃派。術を使うなら動きの速さから雷属性が望ましい。鎖で縛って倒した言い伝えから地属性で動きを止める事なども検証にいれるのも手である、それこそ...」
ジョナサンはペラペラとピッピちゃんに説明する。
「ギャ!もっと簡潔にギャ!」
「んー頭がライオン身体が人型な奴で、乗ってる馬の足が早いからなんとか動き止めて素早く攻撃を打ち込める雷を使えって事、剣や槍といった物理メイン攻撃を行う奴だから盾役がいた方が好ましい...って感じ」
「ギャ!なるほど!」
「ただ推測するに四、五年前に失踪した元の家主の弟とその遺体の死亡時期が一致していて封印式を破る生贄の数より多いから受肉してフェネクスみたいに何処かで人のフリして彷徨っている可能性があるんだよ...だから今マキシムとサミュエルが失踪した元家主の弟の足取りを追ってる」
「ギャ!そっちは何か分かったギャ???」
「流石に1日だし、そこはまだ分からないってさ..」
「ギャ!ギャ!」
「あ、あとディビッドに伝えておいて欲しいんだけど」
「なんだギャ?」
「変装したサミュエルがいろいろやらかしてるから、戻って来たら覚悟した方が良いぞって...」
「ギャ?何したギャ???」
「まぁ詳細は戻って来た時に...」
ジョナサンはやれやれと言う顔でそう伝える。
まぁ本来ならエステルと戻るのならサミュエルかマキシムと一緒だっただろうに、バレンティナがバーレへ向かう事になった為仕方なくディビッドを連れて戻る事になったのだ。
その為にジョナサンはヒヤヒヤしながら毎日を送っている。
「ギャ、まぁ伝えておくギャ!」
ピッピちゃんはジョナサンの肩に乗ってそう話すのだった。
深夜ジョナサンはいくつか纏めた資料を店の2階の自室に持ち込み、煮豆を挟んだパンを食べながらメモをとっていた。
遺体の状態をさらに調べて、悪魔の詳細を探し出し、言い伝えなどでの共通点を探す。
そうやって綿密な下調べを行う事によって、弱点などを見つけ出し悪魔が出現した時にどれだけ被害を出さずに戦う事が出来るかを計画しているのだ。
「ギャ!ギャ!ジョニー!」
ピッピちゃんが急に騒がしくなったので目をやる、エステルの意志がピッピちゃんに入ったのだろう。
「エステル様ですか?どうしたんですか?」
「ギャ!ギャ!そうだ!悪魔の情報が入ってないか」
「最近見つかったヴィネの件なら今確認中、ある程度の情報は伝えられるけど」
「ギャ!教えるギャ!」
「じゃあ悪魔ヴィネは想定するにたてがみのあるライオンの顔を持つ姿で人の肉...特に内蔵や脳みそを好む事が封印式の記載と遺体の状態から推測できる、特に女子供。ウルムの英雄譚の記載から飛行はしないが使役している黒い馬らしき魔物がいてそれが足が速いらしい。
そこから人型を取れると言える。英雄譚では剣で肉を引き裂き貪る記述ばかりだからどちらかというと物理攻撃派。術を使うなら動きの速さから雷属性が望ましい。鎖で縛って倒した言い伝えから地属性で動きを止める事なども検証にいれるのも手である、それこそ...」
ジョナサンはペラペラとピッピちゃんに説明する。
「ギャ!もっと簡潔にギャ!」
「んー頭がライオン身体が人型な奴で、乗ってる馬の足が早いからなんとか動き止めて素早く攻撃を打ち込める雷を使えって事、剣や槍といった物理メイン攻撃を行う奴だから盾役がいた方が好ましい...って感じ」
「ギャ!なるほど!」
「ただ推測するに四、五年前に失踪した元の家主の弟とその遺体の死亡時期が一致していて封印式を破る生贄の数より多いから受肉してフェネクスみたいに何処かで人のフリして彷徨っている可能性があるんだよ...だから今マキシムとサミュエルが失踪した元家主の弟の足取りを追ってる」
「ギャ!そっちは何か分かったギャ???」
「流石に1日だし、そこはまだ分からないってさ..」
「ギャ!ギャ!」
「あ、あとディビッドに伝えておいて欲しいんだけど」
「なんだギャ?」
「変装したサミュエルがいろいろやらかしてるから、戻って来たら覚悟した方が良いぞって...」
「ギャ?何したギャ???」
「まぁ詳細は戻って来た時に...」
ジョナサンはやれやれと言う顔でそう伝える。
まぁ本来ならエステルと戻るのならサミュエルかマキシムと一緒だっただろうに、バレンティナがバーレへ向かう事になった為仕方なくディビッドを連れて戻る事になったのだ。
その為にジョナサンはヒヤヒヤしながら毎日を送っている。
「ギャ、まぁ伝えておくギャ!」
ピッピちゃんはジョナサンの肩に乗ってそう話すのだった。
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