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chapter6:Be baptized
人間兵器 その5
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幽閉...確かにそんな風に生活するくらいなら、王子という立場を捨ててエステルお姉様の庇護の元慎しく生活した方が幸せよね。
「パーヴェル君...健やかに生活できると良いわね」
「...それは難しいでしょうけどね」
「どうして」
「静かで平穏な生活を望んでも、彼がウルムの元王子なのは変わらないです...しかも公にはしてませんがパーヴェル君は『赤宿し』でしょうね、サヴェリオ陛下くらいの」
「陛下もパーヴェル君も???特に赤が混じった瞳じゃないけど」
「怒ったり悲しんだりと感情が昂る時に変わるんですよ...」
そう言えばディビッドも怒ると瞳の色の赤みが濃くなるからそれみたいなモノなのかしら。
「ウルム王家の一族が何故4000年近くも大国を率いている理由の一つが膨大な氷属性の術力持ちが産まれる為です...天候すら左右し小さな国一つ1人の意志で滅亡させる程のね?」
「それは昔から聞かされているウルムの建国の歴史の一部の話よね、半分は神話みたいな扱いだけど」
小さな頃から建国史を学ぶ際にその辺の話も勉強するけど、あまりに非現実的なものが多いから、歴史学者にはその話を懐疑的に思う方もいるわ。
確かに術士として有能でもそんな大掛かりな術なんてディビッドが見せるような奇跡くらいしか存在しないものね。
「でもあれ全部本当の事ですからね、ちなみに現時点だとサヴェリオ陛下がまさにそれです」
「え?」
「悪魔ダンダリオンを封じるレベルの強さもですが、最も恐ろしいのはサヴェリオ陛下自身の意志で大寒波を呼び起こして人々を凍死させたり、寒波による不作から飢餓を引き起こす事が出来る点です...それこそ温暖なリンダウを滅ぼすくらいは平気で出来るほどにね、そうなれば戦争での死者よりも多大な犠牲が生じますから」
「そんな事が?」
「出来るんですよ...その昔何度も温暖な地帯に関わらず大規模な寒波による飢餓が生じた歴史が周辺国やウルムの領にあると思いますが、言い伝え通り大概はウルム国王の怒りに触れた為です」
確かに歴史書にもそう言う記述はあるけど、流石に偶然と思ってたのに。
「...リンダウの件で義兄様が制圧に向かうという事で血は流れるかもですが、実はサヴェリオ陛下の温情なんですよ、本気でリンダウを滅亡させようと思えばサヴェリオ陛下自身がそう下すでしょうからね、そして嫌でも義兄様はサヴェリオ陛下に従う理由の根本はそれですし」
ディビッドはそう話す...一体どこまで解ってるのかしら...
「パーヴェル君...健やかに生活できると良いわね」
「...それは難しいでしょうけどね」
「どうして」
「静かで平穏な生活を望んでも、彼がウルムの元王子なのは変わらないです...しかも公にはしてませんがパーヴェル君は『赤宿し』でしょうね、サヴェリオ陛下くらいの」
「陛下もパーヴェル君も???特に赤が混じった瞳じゃないけど」
「怒ったり悲しんだりと感情が昂る時に変わるんですよ...」
そう言えばディビッドも怒ると瞳の色の赤みが濃くなるからそれみたいなモノなのかしら。
「ウルム王家の一族が何故4000年近くも大国を率いている理由の一つが膨大な氷属性の術力持ちが産まれる為です...天候すら左右し小さな国一つ1人の意志で滅亡させる程のね?」
「それは昔から聞かされているウルムの建国の歴史の一部の話よね、半分は神話みたいな扱いだけど」
小さな頃から建国史を学ぶ際にその辺の話も勉強するけど、あまりに非現実的なものが多いから、歴史学者にはその話を懐疑的に思う方もいるわ。
確かに術士として有能でもそんな大掛かりな術なんてディビッドが見せるような奇跡くらいしか存在しないものね。
「でもあれ全部本当の事ですからね、ちなみに現時点だとサヴェリオ陛下がまさにそれです」
「え?」
「悪魔ダンダリオンを封じるレベルの強さもですが、最も恐ろしいのはサヴェリオ陛下自身の意志で大寒波を呼び起こして人々を凍死させたり、寒波による不作から飢餓を引き起こす事が出来る点です...それこそ温暖なリンダウを滅ぼすくらいは平気で出来るほどにね、そうなれば戦争での死者よりも多大な犠牲が生じますから」
「そんな事が?」
「出来るんですよ...その昔何度も温暖な地帯に関わらず大規模な寒波による飢餓が生じた歴史が周辺国やウルムの領にあると思いますが、言い伝え通り大概はウルム国王の怒りに触れた為です」
確かに歴史書にもそう言う記述はあるけど、流石に偶然と思ってたのに。
「...リンダウの件で義兄様が制圧に向かうという事で血は流れるかもですが、実はサヴェリオ陛下の温情なんですよ、本気でリンダウを滅亡させようと思えばサヴェリオ陛下自身がそう下すでしょうからね、そして嫌でも義兄様はサヴェリオ陛下に従う理由の根本はそれですし」
ディビッドはそう話す...一体どこまで解ってるのかしら...
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