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chapter6:Be baptized

ジョナサンとモツサンド その5

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※若干グロテスク表現有り
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ジョナサンは土の入った大きめの麻袋を渡されるとそれを開けて術式を組む。

『術式展開!成分分析!』

成分を解析する能力は薬品などを作成する錬金術のスキルでもある、ジョナサンは四大術式マスターの賢者なのでそれが出来るのだ。

「...土の成分に人の血肉の痕跡を感じられないな...これは肉を食い荒らされて骨になった感じだ、それに骨は劣化して折れたり割れたんじゃない、噛み砕かれて折れている...て事は...」

ジョナサンが割れた頭蓋骨を見る。

「頭を齧られて脳みそをって所っすね」

「ああ...本物の肉食獣の獲物にされたような感じだな」

「うへぇ」

サミュエルが嫌な顔をする。

「ヴィネと思わしき存在の昔話だと大きなたてがみのある荒野にいる野獣のような生き物で、嵐を引き起こす存在だったと書いてた...あと生贄には人肉を求める記載も封印式に書かれていたから姿としてはライオンみたいな奴って事だろ、あとヴィネは一度倒されてる筈だからその辺のくだりのある記述やこの辺で語られた英雄譚の様なものがあれば調べておきたいな、特性や弱点を特定する手掛かりになるから」

「たった少しの土だけで...流石賢者の称号持ちですね」

ジョナサンの分析にテオドロは関心する。

「流石ギャ!ジョニー凄い!」

ピッピちゃんも褒めるも微妙に嬉しくはないジョナサンは苦笑する。

「俺は表立って戦うよりも悪魔の特定とかを調べるのが本来の仕事だからな...あと封印式の解除だけの生贄の数よりも多い事から、ヴィネ自体はもう受肉しているだろうな」

テオドロの言葉にジョナサンはそう言って麻袋の土をテーブルに置く。

実際ジョナサンがウルムに来た理由はそれがメインだった筈だが、悪魔退治は兎も角いつの間にかウルム語の勉強をする事になったり、ディビッドの店でアルバイトさせられたり、色々な術式を付与した札やら作らされたり、銃のメンテさせられたりと散々なのだ。

ただそれのお陰で絶賛片思い中のスザンナに定期的に会うことが出来るので文句も言えないのではあるが...

「ガキンチョは何でも出来て本当に万能っすねぇ、まぁ器用貧乏とも言えるっすけど」

「うるせぇ!」

「まぁまぁ二人とも...さてジョナサンはピッピちゃんと一緒にこのまま特定の件を任せる、俺とサミュエルはヴィネの書き板...いや受肉して何処かにいるヴィネを捜索する」

「分かった」

マキシムとサミュエルはその場を去る、残ったジョナサンはテーブルの上の遺体を見ながらため息を吐く。

「...これを片づけても気分的には夜食にモツサンドは食べられないなぁ」

「ギャ?」

そうつぶやきながら更に分析を再度始めるジョナサンだった。

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※可哀想にジョナサンは結局モツサンドを食べる事はできませんでした...
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