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chapter6:Be baptized

ジョナサンとモツサンド その2

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「...あんまり変な事するなよ?サミュエル」

「分かってますって...にしても面倒臭いことしないで店なんてしないで王子様みたいなVIP対応しながら本来の仕事だけに集中すりゃあ良いのに、坊ちゃんは」

「仕方ないだろ?ああいう性格なのはお前の方が良くわかってるだろう」

サミュエルの言葉にマキシムはそう話す。

「まぁね...ところで王子様がここに来たのってボク等を見にきただけじゃないっすよね?」

「そうだ...」

マキシムが服のポケットから何枚かの念写画を取り出す。

サミュエルが食事をしながらその一枚をまじまじと見る。

「うっわ...食事中にこれは無しっすよ」

サミュエルは眉を顰めてマキシムを睨む。

念写画には多くの白骨化した死体が並んでいる現場が写されていたのだ。

「...封印式が解放されてる」

ジョナサンは別の念写画を見る、そちらは封印式が割れたものを戻したモノだ。

「王都の郊外の貴族の屋敷の地下にあったそうだ...怪しい噂があった場所を最近サヴェリオ国王の命令で一斉に捜査してる間に通報があって見つかったそうだ、ちなみに遺体は敷地内に埋められていたそうだ」

「なぁ...白骨化してるならだいぶ時間ってことかな?」

「それが年代からせいぜい10年以内じゃないかと言う話だ...お前も見ろ」

「うーん食事後の方が良いんだけど...」

そう言ってジョナサンもサミュエルから念写画を受け取り見る、確かに劣化はそこまでしてない様子だがややボケてて分かりづらい。

「念写画じゃよくわからねぇから後で教会に行ったら実物を見るよ...あと封印式に書かれている古代ウルム語から名前はヴィネだな、元々の封印された年代とかはまだ調べては?」

「ああ、その辺はもう他の司祭連中に調べて貰ってる最中だ」

「禁呪の書き板が出回っているのか、受肉されて何処かにいるかとか噂でもあったりは?」

「いや、ただそこの屋敷の当主曰く、四、五年前に先代の弟が失踪した話があるそうだ...」

ジョナサンの矢継ぎ早の質問にマキシムが答える。

「それ本当なんすか?そこの当主だって怪しく無いっすか?」

「その当主が通報者なんだ...まぁ親族が悪魔崇拝をしていたなんて言い出したくないだろうが、今回の国教の件やら捜索の件もあってびびって早々に通報したんだろうな...気になるようならお前が聴いてみるか?」

サミュエルが疑問に思いそう言うとマキシムが尋問を促す。

「そうっすね...催眠でちょいちょい聞いてみますかねー」

「頼む」

「了解っす」

そう言ってサミュエルはモツサンドをかぶりつく。

「...それにしてもタイミング悪いなぁ...」

そう言ってジョナサンは買ったモツサンドを包みなおす。

遺体の念写画を見た後、食事をする気力がわかないせいだ、なんだかんだでジョナサンは繊細なのである。

「食べないのか?食べないなら俺が貰うぞ」

「後で夜食に食べるからダメだ!全く食い意地はりやがって!」

ジョナサンはやっぱり夕食を狙うマキシムに怒るのだった。
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