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chapter6:Be baptized
誰よりも偉いとか思えないわね その3
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数時間もしたあたり、外や列車内部を見てはしゃいでいたのかパーヴェル君がソファーですやすやと眠ってしまうわ。
それをエステルお姉様が膝枕をして膝掛けをかけてあげてお昼寝をさせている。
「流石に疲れたみたいね...夕食までこのまま寝かせてあげましょう」
慈愛に満ちた瞳でパーヴェル君を見つめるエステルお姉様...なんだか母親みたいだわ。
「驚いたでしょ、ティナ」
「え?」
「パーヴェル君の事ですよ、パーヴェル君の正体はティナが思ってる人物で間違いないですよ」
「やっぱり...」
やっぱりリヴェラート殿下だったのね。
幽閉されるって噂だけど、エアヴァルド側に人質になるって事なのかしら。
「パーヴェルは神託により、バーレで保護する様にって命じられたの」
「え???」
エステルお姉様の言葉に驚く。
「ティナちゃんはこの先、次世代の預言者としての能力が開花するし、バーレ側の人間になるから教えてあげる...パーヴェルはこの先『支配者』となる事が決定されているの...その為に人の愛をもって育みなさいと命じられたのよ」
「そうなんですか」
「可哀想にね...父親であるサヴェリオ陛下に産まれながらに疎まれ、母親はダンダリオンを復活させた罪によって身を滅ぼして、母親の家系はパーヴェル以外全員処刑される事になるの」
「リンダウの制圧を言うのよね」
そう呟くとエステルお姉様達全員が達が頷く。
シルヴィオお兄様が忙しくしている理由はそれなのね...
「パーヴェルは賢いからそれを全部理解してるの...だから早々にバーレに連れて行ってその話を耳にしない様にするのも今回一緒に帰る理由なのよ」
「そうなんですね」
すやすやと眠るパーヴェル君、表向きははしゃいでいてももしかしたら相当辛い気持ちなのかもしれないわ。
「それでエアヴァルド語も堪能なティナちゃんに出来るだけ早く馴染めるように教えてあげて欲しいのよ...パーヴェルはそれなりに話せるけど堪能とまではいかないからね」
「分かりました」
そうね...出来るだけ早く馴染めればエアヴァルド側でも困らず生活できるものね。
「じゃあこれ以降は皆さんエアヴァルド語で話をしてくれますか?言語を学ぶなら沢山聴いて間違っても良いから沢山話す事が大切なので」
可哀想なパーヴェル君の事を考えるなら私にできる事をしてあげなきゃね!
「でもパーヴェル君だけじゃなくて私も見てくれなきゃ嫌ですけどね」
「もう!そんな事言って!不真面目なんだから!」
「痛っ!」
どうしようもない事を言うディビッドの手のひらを抓るわ!こんな小さい子に嫉妬するなんて!もう!
それをエステルお姉様が膝枕をして膝掛けをかけてあげてお昼寝をさせている。
「流石に疲れたみたいね...夕食までこのまま寝かせてあげましょう」
慈愛に満ちた瞳でパーヴェル君を見つめるエステルお姉様...なんだか母親みたいだわ。
「驚いたでしょ、ティナ」
「え?」
「パーヴェル君の事ですよ、パーヴェル君の正体はティナが思ってる人物で間違いないですよ」
「やっぱり...」
やっぱりリヴェラート殿下だったのね。
幽閉されるって噂だけど、エアヴァルド側に人質になるって事なのかしら。
「パーヴェルは神託により、バーレで保護する様にって命じられたの」
「え???」
エステルお姉様の言葉に驚く。
「ティナちゃんはこの先、次世代の預言者としての能力が開花するし、バーレ側の人間になるから教えてあげる...パーヴェルはこの先『支配者』となる事が決定されているの...その為に人の愛をもって育みなさいと命じられたのよ」
「そうなんですか」
「可哀想にね...父親であるサヴェリオ陛下に産まれながらに疎まれ、母親はダンダリオンを復活させた罪によって身を滅ぼして、母親の家系はパーヴェル以外全員処刑される事になるの」
「リンダウの制圧を言うのよね」
そう呟くとエステルお姉様達全員が達が頷く。
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「パーヴェルは賢いからそれを全部理解してるの...だから早々にバーレに連れて行ってその話を耳にしない様にするのも今回一緒に帰る理由なのよ」
「そうなんですね」
すやすやと眠るパーヴェル君、表向きははしゃいでいてももしかしたら相当辛い気持ちなのかもしれないわ。
「それでエアヴァルド語も堪能なティナちゃんに出来るだけ早く馴染めるように教えてあげて欲しいのよ...パーヴェルはそれなりに話せるけど堪能とまではいかないからね」
「分かりました」
そうね...出来るだけ早く馴染めればエアヴァルド側でも困らず生活できるものね。
「じゃあこれ以降は皆さんエアヴァルド語で話をしてくれますか?言語を学ぶなら沢山聴いて間違っても良いから沢山話す事が大切なので」
可哀想なパーヴェル君の事を考えるなら私にできる事をしてあげなきゃね!
「でもパーヴェル君だけじゃなくて私も見てくれなきゃ嫌ですけどね」
「もう!そんな事言って!不真面目なんだから!」
「痛っ!」
どうしようもない事を言うディビッドの手のひらを抓るわ!こんな小さい子に嫉妬するなんて!もう!
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