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chapter6:Be baptized

どう見ても王子様じゃない! その3

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そして一緒に帰るエアヴァルド国王がオマケに見えてくるんだけど...見た目がマキシムさんに髪色以外そっくりなせいかしら、何故か不憫に見えてくるのよねぇ。

あら???エステルお姉様の傍らに小さな子がいる...それそこ白の修道士が着る服を身につけてフードをすっぽり被って顔が見えない様にされている。

あ、ディビッドがエステルお姉様に近づいて行くわ、サヴェリオ陛下に何か話をした後ディビッドがエスコートをして車両に入ってくるわ。

しばらくするとエステルお姉様達が部屋にやって来る。

「ティナちゃん、お待たせ~」

「エステルお姉様」

「あーそのまま座ってて良いわよ~」

そう言って私の横に座るわ、そして小さい子もその横に座らせる。

「じゃあ私はティナの隣に」

「ディブは一応護衛役なんだからしばらくその辺で仮面をつけたまま立ってなさい」

「えー」

「まぁ列車が動くまでそうした方がいいさ、それとも大公閣下として着飾って一緒に乗りたかったかい」

「それも堅苦しいから嫌ですよ」

エアヴァルド国王がディビッドに気さくに話しかけるわ!

流石に隣国の国王陛下な訳だから立ち上がって礼をしようと思うけどエステルお姉様に止められる。

「あ!気を使わなくていいよ、君にはちゃんとした自己紹介していなかったね、私はアーヴァイン イシュマエル=エアヴァルド...マキシムの兄と言った方がいいかな」

気さくにそう話しかけるアーヴァイン陛下、マキシムさんによく似ているけどもっと柔らかい感じのする方ね。

「一国の王に対してそんな」

「正直私よりも君の方が何倍も立場が上なんだよ、だからそんな風に思わなくて良いんだ」

「立場が上???」

「エステル、エアヴァルドとバーレの関係をちゃんと説明してないのか?」

「あーそうだわ、ディブもしてないわよね」

「まぁそんな話したらいろいろ気を使われるかと思って話して無いです」

「...まぁ今がその時って事でいいか...列車が動いてしばらくしたらその辺を説明するよ、君もだけどこの子もエステルの元にいるなら知った方がいいからね」

アーヴァイン陛下はそう話すとガタン!と音が...列車が走り始める。

「あとこの子の自己紹介もね、さぁパーヴェルフードを外して良いわよ」

エステルお姉様がそう促すとパーヴェルと呼ばれた子がフードを脱ぐ。

「ええ!!」

その顔を見てびっくりするわ!そう...黒髪黒目でやや浅黒の肌だけどウルムで最も高貴な方の顔立ちそっくりなこの子って!

「この子はパーヴェル ユリエフ、修道士見習いで私が預かる事になったのよ」

「パーヴェルです、宜しくお願いします」

気品に溢れたお辞儀をしながら名乗る、どう見ても普通の子じゃ無い...

「え?ええ???だって...」

「ティナ、この子はパーヴェル君です」

本人を含めて全員がパーヴェル君と言い張るけど...どう見ても第一王子リヴェラート殿下なんだけど???でもそんな事言えない圧力を感じて頷くしか出来なかったわ。

そう言えばエアヴァルド語の家庭教師をお願いされてたけどまさかリヴェラート殿下に教えるって事???

ただただ驚くしかなくて何も言えなかったわ...
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