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chapter6:Be baptized

どう見ても王子様じゃない! その2

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「ティナ!」

仮面を外すといつもの笑顔が見える、まぁ明朝まで実は一緒にいたのは内緒だけど。

「ディビッド、先に居たのね」

「ええ姉上を待つ関係で...まぁ立場云々はともかく名目的に姉上の旅の護衛ですからねぇ...だからこんな仰々しい格好なんですよ」

「わぁカッコいいねぇ、式典で戦ってた時の格好なんでしょ?へぇ」

パパはディビッドの格好を見てそんな事を言い出すわ、何だかいつも通りね...呪いが解けたとしても元々の性格が変わるわけじゃないものね。

「...そろそろ姉上達がやって来るのでティナは先に列車に乗って下さい」

「え?普通は身分の高い方が来て先に乗るんじゃないの?」

「まぁちょっと今回いろいろあるんですよ」

そう言われて一番後部の車両に案内される。

「じゃあティナ、僕はここまでだね...風邪をひかないように気をつけてね」

「うん、パパも勝手に何かやらかしてお兄様の迷惑にならないようにね」

「大丈夫だよ!お金の絡むような話は乗らないし、もう当主はシルヴィオだしねぇ」

「そうよ!まぁピエトロもいるから大丈夫だと思うけど騙されないでね」

そう言ってパパと別れて一番後ろの車両に乗り込む...うわぁ前回乗った時も豪華だったけどそれ以上ね、まるで高級ホテルの廊下じゃない!

専用のコンシェルジュが居て、部屋まで案内してくれる。

部屋は丸々車両が一つの部屋になっていて、内部は更に凄い豪奢な内装でびっくり、これ車両って言うより高級ホテルの一室だわ!

内装はマホガニーを使っているけど、更に細かい細工も施されてて、ブルーのカーペットに関しては更に金糸で幾何学的な模様に編まれているし、家具も全て高級品だわ...わぁこ取手とか金で出来てる...

「凄いわねぇ...」

そして何より一番は後部の大きな窓で風景を楽しめるように設計されている事!

「どうぞこちらにお掛けになって下さい」

そう言って座り心地の良さそうな革張りのソファーに座るように促されてそこに座る...でも本当に良いのかしら???

何だか外が騒がしい感じがしたから窓からホーム側を見る。

「ええっ!!!!」

いつもの白と青のローブを身につけたエステルお姉様が警護の為に近衛兵と共にやって来たけど、その横にはサヴェリオ陛下がいるんだけど!!!まさかお姉様を見送りに来たの???

確かに婚約関係にあるとは言え、エステルお姉様は国の姫という立場ではないけど待遇が違いすぎる...

あ、陛下がお姉様を抱き締めたわ、まるで別れを惜しんでいるみたい。

エステルお姉様が陛下の寵愛を受けている証拠なんだろうけども陛下にはもう三人の妃と子供もいるのに何だか複雑な気持ちになるわ。
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