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chapter5:Whereabouts of the curse
パーヴェル ユリエフ その8
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「...ばれてしまいましたね」
兜を外して笑顔を見せるマキシム、その顔にパーヴェルはマキシムが隣国エアヴァルドからウルムで滞在している隣国の王弟マキシマムである事に気がつく。
パーヴェルは何度か上級異端審問官のマキシムとしてでなく王弟マキシマムとはパーティなどで面識があった。
「私が何でこんな格好なのか詳しい話はおいおいですが、何かありましたら私がエステル様共々お守りしますよ」
「は...はい」
マキシムの言葉にパーヴェルは頷く。
母親がダンダリオンを復活させて以降心細い思いをしており眠れずにいたが、エステル達に守られる事でほっとできたのかうつらうつらとし始める。
「眠くなったのかしら...」
「...すみません」
パーヴェルは目を擦りながらそう答える。
「良いのよ?」
エステルはパーヴェルの横に座って膝をポンポンと叩いて頭を乗せる様に促すとパーヴェルはエステルの膝に頭を乗せそのまま眠ってしまう。
「それにしてもリヴェラート王子を害したのは誰何ですかね...」
「...きっとサヴェリオ陛下よ...」
「サヴェリオ陛下が???自分の子供じゃ無いですか?」
マキシムは驚くもエステルは淡々と話し続ける。
エステルはサヴェリオが自分以外の妻を嫌悪しておりその子供達にも同じ感情を持っている事を感じていたからだ。
サヴェリオ自身の行動に怒りも覚えるも、サヴェリオ自身が受けた悲惨な出来事を思えば怒りをぶつけられない。
結局誰もが被害者、ただその憎しみの連鎖を神はパーヴェルに対して断たせようとしているのかもしれない...バーレで人の愛情を受けながら育てる様にと命じられている事からエステルはそう思う。
「マキシム...貴方も分かると思うけど親全てが子供を慈しむ事は無いのよ?私の父がディブを捨てたようにね」
エステルは優しくパーヴェルの頭を撫でながらマキシムにそう語るのだった。
ーーー
その夜、サヴェリオの部屋での事。
「リヴェラートを其方の部屋に連れて行ったと聴いたが?まだ立場はウルムの王子のままだ、まだ自室に戻さないか?」
「どうやら害する人がいる様なので」
エステルは一瞬睨む様にサヴェリオを見る。
「リヴェラートからは?」
「どうやらとても恐ろしかったのか犯人の事は口にしなかったわ...だから追求はしないけどそのままには出来ないわ?」
「そうか」
「私の部屋に今『赤の剣』がいるから心配はしなくてもいいから」
サヴェリオは赤の剣がマキシムである事を知っている為か、眉を顰める。
「誰よりも忠実な神殿騎士よ?」
「ああ、良く知っているからな」
「そんな嫉妬をしなくても良いのに...」
とエステルはサヴェリオに近づき頬に手を振れる。
「私の夫は貴方だけよ?私が死ぬまでずっとね」
エステルの言葉にサヴェリオは笑顔を見せながらエステルを抱きしめるのだった。
兜を外して笑顔を見せるマキシム、その顔にパーヴェルはマキシムが隣国エアヴァルドからウルムで滞在している隣国の王弟マキシマムである事に気がつく。
パーヴェルは何度か上級異端審問官のマキシムとしてでなく王弟マキシマムとはパーティなどで面識があった。
「私が何でこんな格好なのか詳しい話はおいおいですが、何かありましたら私がエステル様共々お守りしますよ」
「は...はい」
マキシムの言葉にパーヴェルは頷く。
母親がダンダリオンを復活させて以降心細い思いをしており眠れずにいたが、エステル達に守られる事でほっとできたのかうつらうつらとし始める。
「眠くなったのかしら...」
「...すみません」
パーヴェルは目を擦りながらそう答える。
「良いのよ?」
エステルはパーヴェルの横に座って膝をポンポンと叩いて頭を乗せる様に促すとパーヴェルはエステルの膝に頭を乗せそのまま眠ってしまう。
「それにしてもリヴェラート王子を害したのは誰何ですかね...」
「...きっとサヴェリオ陛下よ...」
「サヴェリオ陛下が???自分の子供じゃ無いですか?」
マキシムは驚くもエステルは淡々と話し続ける。
エステルはサヴェリオが自分以外の妻を嫌悪しておりその子供達にも同じ感情を持っている事を感じていたからだ。
サヴェリオ自身の行動に怒りも覚えるも、サヴェリオ自身が受けた悲惨な出来事を思えば怒りをぶつけられない。
結局誰もが被害者、ただその憎しみの連鎖を神はパーヴェルに対して断たせようとしているのかもしれない...バーレで人の愛情を受けながら育てる様にと命じられている事からエステルはそう思う。
「マキシム...貴方も分かると思うけど親全てが子供を慈しむ事は無いのよ?私の父がディブを捨てたようにね」
エステルは優しくパーヴェルの頭を撫でながらマキシムにそう語るのだった。
ーーー
その夜、サヴェリオの部屋での事。
「リヴェラートを其方の部屋に連れて行ったと聴いたが?まだ立場はウルムの王子のままだ、まだ自室に戻さないか?」
「どうやら害する人がいる様なので」
エステルは一瞬睨む様にサヴェリオを見る。
「リヴェラートからは?」
「どうやらとても恐ろしかったのか犯人の事は口にしなかったわ...だから追求はしないけどそのままには出来ないわ?」
「そうか」
「私の部屋に今『赤の剣』がいるから心配はしなくてもいいから」
サヴェリオは赤の剣がマキシムである事を知っている為か、眉を顰める。
「誰よりも忠実な神殿騎士よ?」
「ああ、良く知っているからな」
「そんな嫉妬をしなくても良いのに...」
とエステルはサヴェリオに近づき頬に手を振れる。
「私の夫は貴方だけよ?私が死ぬまでずっとね」
エステルの言葉にサヴェリオは笑顔を見せながらエステルを抱きしめるのだった。
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