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chapter5:Whereabouts of the curse
VSシャドウフェネクス その6
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「...戻って来た...のか」
シルヴィオは周辺を見回すが見慣れた部屋だ。
「これで呪いは消えたんでしょうね」
とディビッドは床に仰向けに倒れ込んだジャンマリオを見る、胸元の悪魔の紋様は消えて何も無い。
「親父!」
ぐったりと倒れたジャンマリオに駆け寄るシルヴィオ。
「死んではいないですよ...」
ディビッドが首に手を当てて血管の動きを確認してそう言う。
「...それにしても...幻覚みたいなものだったんでしょうか」
それにしてもやたらの実感のあった感じだし、シルヴィオも同じだっただろうから幻覚とはまた違うのかもしれない。
「...それにしても親父がまさかこんな思いをしていたなんてな...」
母親がいなくなった理由...そして父親が隠していた事実に心を痛めるシルヴィオ。
「義父様はティナの事も義兄様の事も大切に思っていたんですね...だからこんな苦しみを受けていたとしてもやってこれたんでしょうね」
自分自身がそんな呪いを受けて愛するバレンティナを殺されたならば頭がおかしくなりそうだな...とディビッドは思う。
「うう...」
ジャンマリオは目を覚ます。
「親父!」
「あれ...僕は死んだんじゃ???」
身を起こしながらジャンマリオはそう言う。
「嫌だなぁ義父様、誰も殺すなんて言ってませんよ?それに私とティナの結婚式でちゃんとバージンロードをティナと一緒に歩いて貰わないとですしね」
とディビッドはニッコリと笑顔でそう言う。
「あはは...そうだね...ありがとう...ディビッド君」
ジャンマリオの目からぼろぼろと涙が溢れる。
「親父...まさか」
「あれ...もうずっと泣くなんて出来なかったのに...」
フェネクスの呪いが解けた為だろう、笑う以外の感情が戻って来た。
「...ラーラが死んだ時も散々人に騙された時も泣く事なんて出来なかったのに...はは...」
ジャンマリオは涙を拭いながら泣き笑う。
「親父...良かったなぁ...」
シルヴィオすら涙が溢れる。
そんな中、部屋のドアからノック音と共にガチャリとドアが開く。
「パパぁ...」
目を擦りながらやって来たバレンティナ、部屋からの音で起きてやって来たのだろう。
「ティナ...」
「パパどうしたの...いたいいたいの?」
バレンティナは父親の泣いている姿が心配で駆け寄る。
「うん...大丈夫だよ?ちょっと転んじゃっただけだからね」
普段なら泣く事が無い...出来なかったジャンマリオの姿を慰めようと思ったのか抱きつくバレンティナ。
「パパのいたいいたいところなくなるといいね」
「あはは、ティナがそうしてくれたから無くなっちゃった!」
ジャンマリオは娘の頭を優しく撫でる...もうその顔を見ることが出来ないと思っていたけど、その先を見ることができる事をただ嬉しく思ったのだった。
─────────────
※人の呪いは解呪できても、悪魔の呪いは通常解呪出来ないし、場合によっては悪魔の生贄の呪いの様に何世代も続くものです。
それを奴は奴の特性と神からの祝福によって『打ち砕く』事で解呪できたのですよ、ある意味人類初。
シルヴィオは周辺を見回すが見慣れた部屋だ。
「これで呪いは消えたんでしょうね」
とディビッドは床に仰向けに倒れ込んだジャンマリオを見る、胸元の悪魔の紋様は消えて何も無い。
「親父!」
ぐったりと倒れたジャンマリオに駆け寄るシルヴィオ。
「死んではいないですよ...」
ディビッドが首に手を当てて血管の動きを確認してそう言う。
「...それにしても...幻覚みたいなものだったんでしょうか」
それにしてもやたらの実感のあった感じだし、シルヴィオも同じだっただろうから幻覚とはまた違うのかもしれない。
「...それにしても親父がまさかこんな思いをしていたなんてな...」
母親がいなくなった理由...そして父親が隠していた事実に心を痛めるシルヴィオ。
「義父様はティナの事も義兄様の事も大切に思っていたんですね...だからこんな苦しみを受けていたとしてもやってこれたんでしょうね」
自分自身がそんな呪いを受けて愛するバレンティナを殺されたならば頭がおかしくなりそうだな...とディビッドは思う。
「うう...」
ジャンマリオは目を覚ます。
「親父!」
「あれ...僕は死んだんじゃ???」
身を起こしながらジャンマリオはそう言う。
「嫌だなぁ義父様、誰も殺すなんて言ってませんよ?それに私とティナの結婚式でちゃんとバージンロードをティナと一緒に歩いて貰わないとですしね」
とディビッドはニッコリと笑顔でそう言う。
「あはは...そうだね...ありがとう...ディビッド君」
ジャンマリオの目からぼろぼろと涙が溢れる。
「親父...まさか」
「あれ...もうずっと泣くなんて出来なかったのに...」
フェネクスの呪いが解けた為だろう、笑う以外の感情が戻って来た。
「...ラーラが死んだ時も散々人に騙された時も泣く事なんて出来なかったのに...はは...」
ジャンマリオは涙を拭いながら泣き笑う。
「親父...良かったなぁ...」
シルヴィオすら涙が溢れる。
そんな中、部屋のドアからノック音と共にガチャリとドアが開く。
「パパぁ...」
目を擦りながらやって来たバレンティナ、部屋からの音で起きてやって来たのだろう。
「ティナ...」
「パパどうしたの...いたいいたいの?」
バレンティナは父親の泣いている姿が心配で駆け寄る。
「うん...大丈夫だよ?ちょっと転んじゃっただけだからね」
普段なら泣く事が無い...出来なかったジャンマリオの姿を慰めようと思ったのか抱きつくバレンティナ。
「パパのいたいいたいところなくなるといいね」
「あはは、ティナがそうしてくれたから無くなっちゃった!」
ジャンマリオは娘の頭を優しく撫でる...もうその顔を見ることが出来ないと思っていたけど、その先を見ることができる事をただ嬉しく思ったのだった。
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※人の呪いは解呪できても、悪魔の呪いは通常解呪出来ないし、場合によっては悪魔の生贄の呪いの様に何世代も続くものです。
それを奴は奴の特性と神からの祝福によって『打ち砕く』事で解呪できたのですよ、ある意味人類初。
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