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chapter5:Whereabouts of the curse
VSシャドウフェネクス その4
しおりを挟む「...これが呪い...そしてこの糸の先にはティナや親しくしている人達に伸びているんでしょうね...この呪いを延々と維持させる為に...」
ディビッドは眉を顰めながらそう語る。
「...なんとか出来ないのか?」
「...その為に私が今動いているんです...ただ今回初めての事なのでね」
と糸を掴もうとするとその糸が一気に黒い霧に変わり大きく広がった後に不気味な紫色の炎を纏った大きな鳥の様な形に変化していく。
ディビッドにはその鳥の形には見覚えがある...エルコラーロで倒した筈のフェネクスだ。
しかしその姿は影のようななんとも言えない不気味さを感じる。
「フェネクスの呪いが形になって現れた...と言う所ですか...厄介な...」
ディビッドはフェネクスの影に銃を向ける。
「義兄様、フェネクスは厄介な相手です!一度は攻撃を当たっても大丈夫な様にしますが、炎攻撃に絶対に当たらない様にして下さい!身体を燃やされながら生き続ける事になりますよ!」
「分かった...」
ディビッドは自身とシルヴィオに守りの双翼を使用すると、銃を向けてフェネクスの影に向かって聖典の一節を読み上げる。
『雹の災厄は血と淫行と暴力を愛する邪悪な貴様を逃さない!何処に隠れようとも滅びは確実に襲ってくる!』
雹の災厄の句を読み上げると、上から大きな雹がフェネクスの影に向かって降り注ぐ。
『ギャアアア!!!!』
フェネクスの影に全て命中するとその身体は大きな落下音と共に地面に叩きつけられる。
影とは言えフェネクス自体の属性が炎の為か効き目はある様だ、しかしまだまだ倒すにはダメージを与える必要があるのか体勢を戻して羽ばたき始める。
その為に火の粉が撒き散らされる。
「火の粉が!危ない!」
上部から紫色の火の粉が舞い落ちる、この神殿内で屋根になる場所が無い、氷の柱を生じさせたりディフェンシブを使えるジョナサンが居ないのは痛い。
守りの双翼は一度だけ攻撃を完全には守るがあくまでも一度だけだ。
ディビッドはシルヴィオとジャンマリオに目を向ける、確かに守りの双翼のおかげで火の粉から守られはいたが、それも解けてしまう。
それに何度も守りの双翼を使うとフェネクスの影を倒すに力が足りなくなる。
しかしそうも言えない、と思って守りの双翼を再度かけようとする。
「大丈夫だ!」
とシルヴィオは叫び、自身の着ていたジャケットを脱いで火の粉を振り払う。
しかし細かい火の粉までは振り払えないが、どうやら触れる前に炎が消えている事が分かる。
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